豪雨で被災し普通となっている肥薩線の八代~人吉間について、熊本県JR九州が鉄道復旧を目指すことで基本合意しました。

2024年度末までに最終合意目指す

熊本県JR九州は2024年4月4日肥薩線・八代~人吉間(川線)の鉄道復旧について、基本合意書を締結したと発表しました。

肥薩線は、熊本県の八代駅と鹿児島県の隼人駅を南北に結ぶ延長124kmの鉄道路線です。このうち八代~吉松間87kmは、2020年7月の豪雨災害で被災し、不通となっています。

2024年4月3日、第7回JR肥薩線検討会議が開催され、県とJR、国が、鉄道による復旧を目指すことで合意しました。これを踏まえ4日、県とJRが「JR肥薩線(八代~人吉間)の鉄道での復旧に関する基本合意書」を締結しました。

合意書によると、八代~人吉間の復旧後の運営は、県を含む地元自治体が線路や設備を保有し、JRが列車の運行を担う「上下分離方式」を採用します。

また両者は、復旧区間の持続可能性をさらに高めるために、観光利用や日常利用の創出を具体化することにしています。

今後両者は、基本合意書に基づいて深度化を行い、2024年度末までに最終合意することを目指すといいます。

なお、今回の対象区間から外れた人吉~吉松間(山線)は、熊本県に加え宮崎県鹿児島県にもまたがることから、復旧の有無を含め別途協議の場が設けられる見込みです。

JR九州が試算した肥薩線の川線と山線を合わせた復旧費用は、約235億円に上ります。

球磨川沿いを走る被災前の肥薩線(画像:JR九州)。