科学的根拠に基づく最高の勉強法
『科学的根拠に基づく最高の勉強法』(安川康介/KADOKAWA

 勉強しているのに、いまいち結果につながらない…。

 そんなお悩みを解決するYouTube動画が再生回数320万回と、今バズりにバズっている。「勉強にはやり方がある」という、これまで誰も教えてくれなかったことを科学的根拠に基づいて解説している。

・もっと勉強ができるようになりたい ・テストでいい点数を取りたい ・資格を短期間で取得したい という方に向けた動画で、アメリカ在住の米国内科専門医が「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を指南しているのだ。

 この「勉強法」の決定版と言える動画「最高の勉強法・効率的な覚え方【科学的根拠のある効果的な学習方法について医師が解説】」をさらに詳しく解説した情報が書籍化。2月15日に刊行された。  同書の特徴は、研究事例をふんだんに組み込み、なぜその勉強法が効果的である(でない)のかを「腑に落ちる」レベルまで掘り下げている点にある。  なんとなく習慣的に続けてきた勉強方法を変えるには、理由が「腑に落ちる」ことが大切。読み進めていくうちに、効果的な勉強の手順が着実に身につくだろう。

 脳科学や認知心理学の研究者の努力によって、科学的根拠に基づく「効果的な勉強の方法」が徐々に明らかになってきている。 にもかかわらず、もしもあなたが科学的にあまり効果的でない勉強法(下記)を未だに続けているのだとしたら、勉強法に関する「常識」を今すぐアップデートしてほしい。  人類が100年以上かけた研究の集大成、人類の叡知を使わない手はないだろう。

<科学的に効果が高くない勉強法>

・繰り返し読む(再読) ・ノートに書き写す・まとめる ・ハイライトや下線を引く

●アクティブリコールで記憶を定着させる

 著者が科学的根拠に基づき、実際に効果的な勉強法として「決定的に重要」と太鼓判を押す勉強法は、アクティブリコール。  アクティブリコールとは、「勉強したことや覚えたいことを能率的に思い出すこと。記憶から引き出すこと」。  一般的に私たちは勉強に対し、とにかくたくさんインプットすることこそ大切だと考えがちだが、勉強は、アウトプットに主軸を置いてするべきなのだ。

アクティブリコールで記憶を定着させる

●ブツブツ呟いて教えるフリをしながら書き出す「白紙勉強法」とは?

 著者は現在、アメリカで内科専門医として活躍している。実は、医学部生のころ、日本の医師国家試験とアメリカ医師国家試験を同時期に合格。しかも8時間かかるアメリカの医師国家試験を、上位1%以内という高得点で合格している。  この偉業を支えたのが「白紙勉強法」である。

ブツブツ呟いて教えるフリをしながら書き出す「白紙勉強法」とは?
著者が白紙に書きなぐったもの(実物)

<白紙勉強法の手順>

① 覚えたいことを元の情報を見ないで書き出す(アウトプット) ② わかっていないこと、忘れていることについて教科書を見直し情報を確認する ③ ①と②を繰り返す ④ 時間をおいてまた①~③を繰り返す

 アクティブリコール以外にも、科学的に検証された効果の高い勉強法、記憶術や学習のモチベーションなどについて詳しく解説。本書で語られている勉強法は、学生でも社会人でも、読んだその日から使える。  勉強とは、最も手っ取り早く、ほしい未来を手に入れる手段。だからこそ、学び方を知ることで自分の能力を最大限に発揮し、より良い人生を歩んでほしい。

文=上村雅代

【著者プロフィール】 安川 康介(やすかわ こうすけ) 2007年慶應義塾大学医学部卒。 日本赤十字社医療センターにて初期研修後、渡米。米国ミネソタ大学医学部内科研修、テキサス州ベイラー医科大学感染症研修修了。米国内科専門医・米国感染症専門医。南フロリダ大学医学部助教。 YouTube:米国内科専門医 安川康介の医学チャンネル X:安川康介@米国内科専門医

いま、編集部注目の作家

再生回数320万回超の勉強動画をさらに詳しく解説した1冊。科学的根拠を基に、医師が効果的な学習方法を解説するベストセラー本