休場明け5日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比1.18ポイント(0.01%)安の16723.92ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が11.42ポイント(0.19%)安の5863.57ポイントと続落した。売買代金は736億1500万香港ドルに縮小している(3日は997億8710万香港ドル)。
 外部環境の不透明感が重しとなる流れ。米利下げ期待の後退や、中東地域の地政学リスクがマイナス材料だ。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長などFRB高官からはこのところ、利下げに慎重なスタンスを示す発言が相次ぐ状況。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の高止まりも懸念されている。また、FRBが金融政策で重要視する3月の米雇用統計が今夜公表されることも気がかり材料だ。そのほか、本土市場はきょう5日、前日に続き清明節で休場。中国発の新規材料に乏しいことも、買い手控えの一因となっている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。産業支援や消費刺激など、中国経済対策の期待感などで、後場から下げ渋り、ハンセン指数はプラス圏に浮上する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬・医療関連が安い。医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)が5.7%、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が5.5%、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が4.8%、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が4.2%ずつ下落した。
 中国の保険・証券セクターもさえない。中国人民財産保険(2328/HK)が3.4%安、新華人寿保険(1336/HK)が3.3%安、中国平安保険(2318/HK)が2.1%安、広発証券(1776/HK)が5.4%安、中信証券(6030/HK)が3.1%安と値を下げた。
 通信ネットワークや半導体の銘柄群も売られる。京信通信系統HD(2342/HK)が6.9%安、中興通訊(763/HK)が3.0%安、中国通信服務(552/HK)が2.8%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.8%安、華虹半導体(1347/HK)が3.2%安で取引を終えた。
 他の個別株動向では、海洋油田掘削サービス大手の中海油田服務(2883/HK)が16.1%安。同社は3日引け後、中東エリアの顧客から掘削リグ4基の操業停止通知を受けたことを明らかにした。中東地域の事業展開に影響が及ぶと不安視されている。
 消費関連セクターの一角もしっかり。前記した白物家電大手の海信家電集団(921/HK)が6.3%高、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(2020/HK)と米菓・飲料メーカーの中国旺旺HD(151/HK)がそろって2.2%高、中国火鍋チェーン大手の呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が1.2%高で引けた。そのほか、自動車セクターの一角も物色される。車ローンの頭金比率規制が緩和されたことを好感している。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)