伝説的なバンド、クイーンのボーカルとして、比類なきカリスマ性で世界中の人々を魅了したフレディ・マーキュリーが元恋人、メアリー・オースティンに遺したイギリスのロンドンの家が57億円で売りに出されている。
そこはフレディ自身のセンスで彩られた、温かみと安らぎと愛に満ちた空間だ。そしてどこか懐かしくもある。
日本文化に触発されたフレディは、隠れ家でもあったこの家に、日本らしさも取り入れていたという。
【画像】 クイーンのメンバー、フレディの邸宅が売りに出される
ロックバンド、クイーンのボーカリストとしてエネルギッシュに活動し、1991年にこの世を去ったフレディ・マーキュリーが暮らしたロンドンの邸宅、通称「ガーデン・ロッジ」が現在売りに出されている。
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場所はロンドンの高級住宅街、ケンジントンにある。イギリスの伝統的な様式をもつ一方で、日本文化を好んだフレディが施した独自のデザインもうかがえるガーデン・ロッジは、ファンはもちろん物件マニアにも興味深いものだ。
1908年に建てられたガーデン・ロッジ
ガーデン・ロッジはもともとは、1908年に画家のセシル・レアと彫刻家のコンスタンス・ハルフォードのために建てられたもの。
基本的なデザインは、1720年代から1830年代のイギリスで流行した建築様式の一つ、ジョージアン様式を洗練させたネオジョージアン様式といわれている。
フレディ・マーキュリーは1980年頃に購入したこの家を、元パートナーのメアリー・オースティンに遺して亡くなり、以降メアリーさんがこの家に住んできた。
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隠れ家でも聖域でもあった家を自分好みに改装
フレディは忙しいツアーの合間を縫って、隠れ家と聖域を兼ねたこの家でくつろぎ、時には2階にあったグランドピアノで作曲もしていたという。
かの有名な「ボヘミアン・ラプソディ」もそこで歌われていたのだろうか。
内装の黄色はフレディが好んだレモンイエロー。大きな鏡も彼のデザインだった。ダイニングルームも派手なパーティーが開けるよう自ら豪華に改装したそう。
アートや家具にも並々ならぬ関心があったフレディは、いつも美しいもので室内を飾っていた。間取り全体は明かされていないが、ステージ用の豪華なコレクションを納めていた衣裳部屋もあるそう。
日本文化に触発されて和室や日本風の庭も
一方で日本文化に触発されたフレディは、あちらこちらに日本風の改装も施したという。
メアリーさんによると、フレディ自らデザインした「和室」まであり、フレディが集中するときは決まってそこにこもっていたそうだ。
庭も京都の庭園を意識した和のテイストを取り入れ、鯉が泳ぐ池も作った。そのほかにも日本の美術品やプライベートで着る着物まで所有していた。
メアリーさんに家を遺したフレディ
女性も男性も愛し、派手な恋愛遍歴でも有名だったフレディ。この家を譲り受けたメアリーさんは元恋人だったが、性的志向が原因とされる破局後もフレディは彼女を「内縁の妻」と呼び、インタビューにもこう応じていた。
友人はメアリーだけで他はいらない。彼女は僕にとって内縁の妻であり(その関係は)結婚と同じ
その後、HIV感染からエイズを発症、死を覚悟した彼は、メアリーさんに「君にこの美しい家を遺す」と告げた。
もし状況が違っていたら君は私の妻になってた人だ。どっちにしてもこの家は君のものになってたんだよ
それからずっと、この家で亡きフレディの思い出と過ごしてきたメアリーさんも今では高齢になり、終活を意識するようになった。
そして今の心境についてこのように語っている。
この家は栄光ある思い出の箱です。すべての部屋に愛と温もりがあふれています。ここは平和な場所であり、真のアーティストの家でした。そして今、この安らぎを次の誰かに託す時が来ました
フレディが住んだガーデン・ロッジは57億円から
さてロンドンで最も高級な地域にあるガーデン・ロッジのお値段は、なんと3800万ドル(約57億円)から。
フレディのかつての住まいという点ももちろんだが、騒がしい都会の中でも広い庭と高いフェンスに囲まれており、静かで穏やかな時間が過ごせる家という意味でよりお高くなってるもよう。
お値段からして途方もなさ過ぎてあれだが、次の住人もこの家を大事にしてくれるといいのう。
References:mentalfloss / toptenrealestatedealsなど /written by D/ edited by parumo
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