米国コロラド州ブルームフィールド、英国 ロンドン2024年4月3日 - 世界最大級の統合型量子コンピューティング企業であるクオンティニュアムはMicrosoft と共同で、エラー検知(シンドローム測定)を活用した最も精度の高い論理量子ビットの実証に成功しました。これは誤り耐性のある量子コンピューティングの実現に向けた画期的な進歩であり、実現にはこの先何年もかかると予想されていた成果です。

米国と英国のQuantinuumチームとMicrosoftの量子コンピューティングチームとの協力により、対応する物理エラー率よりも800倍低いエラー率を示す4つの論理量子ビットが作成されました。 特筆すべきことに、この実験で共同チームは、14,000 の独立した量子回路をエラーなく実行できる能力を実証しました。 今回のブレークスルーは、ユニバーサル誤り耐性量子コンピューティングの実現という最終目標に向けた進歩を大幅に加速します。また、期待されていたより近い将来に、量子コンピューティングを用いて現実世界の問題に取り組み、材料科学や創薬などの分野に革命を起こすことにつながる可能性があります。

今回の成果は、Honeywell によって提供されているQuantinuum の 32 量子ビット H2 量子プロセッサの業界最高水準の忠実度、拡張性、柔軟性と、Microsoft の革新的な誤り訂正機能を組み合わせることで達成されました。 共同チームは、H2 で利用可能な 32 個の物理量子ビットのうち 30 個を使用して 4 つの論理量子ビットを作成し、両社が「最も信頼性の高い論理量子ビット」と称するものの作成につながりました。 また、誤り耐性のある量子コンピューティングに必要なもうひとつの重要なマイルストーンである、シンドローム測定の実証にも成功しました。 成果の詳細は、以下リンクに掲載されています。

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QuantinuumのCEOであるRajeeb Hazraは、次のように述べています。「本日発表された成果により、ユニバーサル誤り耐性量子コンピューティングの最前線における Quantinuum の地位がさらに強固になると確信しています。 今回の成果を達成するには、業界最高水準の2 量子ビット ゲート忠実度99.8%、 QCCD方式の 32 量子ビット、そして全結合量子ビットを備えた Quantinuum の H2 量子コンピュータ必要不可欠でした。 当社は、卓越した現在のシステムのパフォーマンスを基盤として、ユニバーサル誤り耐性量子コンピューティングをこれまで想像していたよりも早く現実にするために革新を続けていきます。」

Microsoft が”Level 2 Resilient”と表現する新時代では、量子コンピューティングはエラーを適切に処理しながら、分子や材料の状態のモデル化、量子多体系のシミュレーションなど、多くの分野にわたる問題の解決策を探ることで有益な課題に取り組み始めることができます。 Microsoft の厳格な基準に基づいて、量子的にもつれた複数の論理量子ビットを構成し、かつその論理量子ビットが物理量子ビットを上回るパフォーマンスを実証したことは、長い間期待されていた量子コンピューティングのこの第 2 フェーズへの移行を示しています。

Microsoft Azure Quantum 量子先端技術開発の名誉エンジニア兼副社長のKrysta Svore 博士 は、次のように述べました。「これは量子コンピューティング業界にとって重要なブレークスルーです。 Quantinuum と Microsoft の共同研究は、業界にとって重要な前進であり、科学的発見を変革できる古典量子ハイブリッド スーパーコンピューティングへの道における重要なマイルストーンとなります。」

Quantinuum 副会長兼最高製品責任者のIlyas Khanは、次のように述べています。「この業界のリーダーとして、私たちはハードウェアの革新と真の論理量子ビットの新時代を活用するアプリケーションの開発により、迅速な革新を続けていきます。 当社は、顧客が今回、そして将来のブレークスルーの恩恵を最初に享受できるよう引き続き努めます。今後、顧客がどのように信頼性の高い量子コンピューティングを活用して、最も困難な問題に対してこれまで以上に強力なソリューションを生み出すか楽しみです。」

Quantinuumについて

Quantinuum(クオンティニュアム)は世界最大の統合型量子ソリューション企業であり、強力な量子コンピュータと独自の量子アプリケーションの開発を通じて、材料探索、サイバーセキュリティ、AIなどの飛躍的な発展に貢献しています。370人以上の科学者とエンジニアを含む約500人の従業員を擁し、世界中で量子技術による革新をリードしています。

Honeywellの商標は、Honeywell International Inc.のライセンスに基づき使用されています。Honeywellは、このサービスに関していかなる表明も保証も行いません。

配信元企業:クオンティニュアム株式会社 

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