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誰もが生涯のうち一度はアルバイトをした経験があるだろう。忘れられない思い出ができた人もいるのではなかろうか。

山口県在住の50代前半の男性(専門職/コンサルタント・士業・金融・不動産)は、「ファミレスのホールスタッフとして4年バイトしていた」ときのこと。

「それなりにエース格になり、他県のオープンにヘルプに行ったり、普段のどかな店舗の花火大会の日にヘルプに行ったりっていう、自分にとっても“思い出に残るイベント遠征”が結構あった」

なかでも男性が忘れられないのは、ヘルプで行った大分県の店舗での出来事だ。その日は花火大会が行われることから、混雑を予想して男性は駆り出されたのだが……。

おはようございまーす」と挨拶するも指示がなく

男性たちが大分店に到着すると、福岡県の店舗からも店長とエース格の女の子がヘルプで来ており、現場を仕切っていた。どうやらエリア長の連絡ミスで、男性たちが応援に来ることが彼らに伝えられていなかったようだ。

男性たちは仕方なく「おはようございまーす」と挨拶した。しかし指示がなかったため、「汚れ食器をキッチンスタッフのところまで運ぶ作業」「トレイの拭き上げ作業」「お膳の準備やセットの味噌汁を準備する」といった、男性曰く「新人がするような雑用」を行った。勝手のわからない他店で、指示もないなかで、男性たちはできる限りの仕事をしていたのだろう。

そんなこともつゆ知らず、現場を仕切っていた福岡店の店長が、

「そこの2人!もたもたチンタラしない!普段何してんの?」

と叱責してきた。これはカチンときただろう。しかもそのときはまだ花火大会の真っ最中で客は少なく、むしろ人手が余っていたようだ。心ない言葉に、男性と一緒にヘルプに来ていた同僚は、黙っていられなかった。しかし、怒りを言葉ではなく行動で示したのだ。

「どんどん料理を配り出した(中略)その捌き方が手前味噌ながら尋常ではないので、他店舗店長が『ん?』『あれ?』『こののどかな店舗で何?あの捌きレベル』って気付いた」

男性や同僚の仕事ぶりを目の当たりにしたスタッフたちから、「あのバイト誰?何?」といったどよめきが起こった。すると、ある1人が「き、君たちどこの人?」と恐る恐る聞いてきたため、「Aエリア長からの依頼で◯○店からヘルプに来たっちゃけど」と答えた男性。その途端、スタッフたちの「態度が一変」したそう。

「◯○店は、エリア長が店長時代に手塩にかけて育て上げた凄腕スタッフだらけだと名が轟いていたから。その後は私たちが花火大会騒ぎの店舗を仕切って捌いて帰りましたとさ」

アルバイトでは様々な人と出会う。若い時の苦労は買ってでもしろという言葉があるように、なかでも学生や若者はアルバイトを経験することで得られる学びや気づきは多いだろう。

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ファミレスで凄腕スタッフとして鳴らしていた男性 ヘルプ先で「もたもたしない!」と怒られ、格の違いを見せつける