さいたま市内の道路改良により、東北道新大宮バイパスの直結ルートが一般道で実現しました。外環道東北道の渋滞回避に使えるでしょうか。首都高の終点と東北道を結ぶ高規格道路の実現へ向けた動きも進んでいます。

一般道で実現した「東北道―新大宮バイパス」直結

2024年3月最終土日は、X(旧twitter)にて「奇跡の土日」がトレンドになるほど、好天に恵まれ多くの人が出かけたのか、そこかしこで渋滞が発生しました。埼玉の東北道外環道も然りで、夕方には外環道美女木JCTから東北道の浦和IC付近まで渋滞の表示が。

まさにこの渋滞へ突入しようというとき、「そういえば、東北道から新大宮バイパスつながったんだよな……」と、ふと思い出し、浦和ICで下りてみることにしました。

浦和ICの上り線出口には、「鶴巻ランプ」の事業名で建設されていた新ランプの一部が2023年11月に開通しています。これまで、浦和ICの上をまたぎ越す国道463号「浦和越谷バイパス」とICは直結していなかったのですが、順次ランプが建設されており、「浦和越谷バイパス」の浦和駅方面を結ぶランプが開通したのです。

さらに2024年3月には、「浦和越谷バイパス」が国道17号新大宮バイパス」へ直結を果たしています。埼玉を東西に結ぶ浦和越谷バイパスは、さいたま市街のJR埼京線の手前で途切れていたのですが、さいたま市の都市計画道路「道場三室線」として延伸部が開通しました。

新大宮バイパス」は首都高S5埼玉大宮線の一般部にあたります。上記2つの道路改良により、一般道は「東北道首都高直結」を果たしたというわけです。ただし、「鶴巻ランプ」のうち浦和方面から東北道へ直結するランプは未開通なので、「東北道首都高」の方向のみという状況です。

実際に浦和ICを下りて、このルートを使ってみました。

首都高延伸、やっぱ必要かも…

その結果、東北道外環道の迂回には正直、“使いものにならない”印象を受けました。

まず、浦和ICを下り新設ランプを通って浦和越谷バイパスに出るとズラリ車列が。これは東北道西側の「鶴巻陸橋(西)」交差点の左折レーンの列なので、追い越していくことができましたが、知らないとここで足止めを食らうかもしれません。

そこから先はスムーズでしたが、すぐに「新見沼大橋有料道路」が待っています。バイパスの交通量が少ないのは、一部有料区間を含むためです。料金所はETC非対応なので、いったん停止する必要があります。

そこを抜け、「第二産業道路」を越えJR浦和駅付近までの市街地が、激しく渋滞します。

新大宮バイパスまで抜けていく間が混みますが、東北道外環道の迂回においては、途中で「第二産業道路」に入って外環道の川口西ICに出るなどの使い道もありそうです。交通量が多いとかなり渋滞する東北道外環道の「川口JCT」を避けることはできます。もしくは、第二産業道路を北に行き、「さいたま見沼」入口から首都高を使うことも可能です。

この「東北道首都高」ルートの抜本的な混雑緩和は、もしかしたら高規格道路の建設によって実現されるかもしれません。

現在、国土交通省が主体となり、首都高の終点であるS2埼玉新都市線を、さいたま見沼出入口から東北道まで延伸する「核都市広域幹線道路」の実現に向けた動きが進んでいます。

地元への理解を深めている段階で、浦和IC付近の東北道には、まだ事業化もされていないなかで「核都市広域幹線道路」の横断幕まで掲げられていました。2024年度はいよいよ概略ルート・構造の検討に入ると発表されています。

東北道 浦和IC上り線出口。本線料金所の手前で分岐する(乗りものニュース編集部撮影)。