迫力ある演奏とパフォーマンスを各地で繰り広げる吹奏楽エンターテインメントチーム『O-VILS.』が、この夏、東京・神戸の2都市で単独公演を開催する。結成3周年を迎えたいま、総監督・ゆいな氏に、総監督としてのこれまでの活動や、公演への想いを聞いた。

O-VILS. 総監督・ゆいな(ドラム)

O-VILS. 総監督・ゆいな(ドラム

〈O-VILS. プロフィール〉
軽音楽吹奏楽・ダンス が融合する良さを追求し音楽界に新しいエンターテイメントを確立させるために生まれたチームである。 アメリカのローズパレードを経験した総監督三田結菜により当時のメンバーを中心に2021年に発足し、関西を拠点にさまざまな土地で公演を行う。


――O-VILS.はどのようなチームでしょうか。

O-VILS.は、「吹奏楽エンターテインメント」という独自のジャンルで、吹奏楽軽音楽、ダンスを掛け合わせて、オリジナル曲カバー曲を織り交ぜながらステージをお届けしています。
私たちの魅力の一つは、なんと言っても大人数のメンバー構成とステージ演出。トランペットサックストロンボーンフルートなど様々な楽器のメンバーが揃い、吹奏楽の演奏で感じられる大迫力の「吹奏楽感」を大事にしています。そして、ギターとベース、ドラムのいわゆるスリーピース軽音楽バンドが加わり、迫力ある演奏が特徴です。
私の母校である京都橘高校吹奏楽部では、歩きながら楽器を演奏したりダンスをしたりする「マーチング」を上演してきました。オービルズでは、その経験を活かしつつ、「エンターテインメント」という部分を最大限にした演出をしています。
マーチングでは決まった歩数や隊列を組んで歩くなど沢山の厳しいルールの中でのパフォーマンスになりますが、O-VILS.では中でも「フォーメーション」の面白さや、音楽を自由に楽しむ空気感も大切にしたエンターテインメントをみんなで作り上げています。

――O-VILS.のライブでは演奏やダンスパフォーマンスの他にも、コーナー企画などのトークも楽しいポイントだなと思います。

そうですね。前回の「We Are O-VILS. Vol.4」では、グッズの紹介コーナーをメンバーに任せると、楽しい寸劇を見せてくれました。3回全ての公演に来てくれるお客様のためにも、少しずつ変えた方が良いかなとメンバーが思ってくれたようで、それを実際に行動にうつしてくれる子がいたのは嬉しかったですね。
普段はメンバーオリジナルのシナリオがある中で、私が最近ヴァイオリン葉加瀬太郎さんのコンサートに行ったんですよ。そこでのグッズ紹介のMCがものすごく面白いんですね。プロのヴァイリニストでありながら、話した時の親しみやすさのギャップがすごく良くて。その後、私がボソボソと「なんかこれ良かってんな」みたいなことを言っていたら、メンバーがそれを実際にライブのシナリオに反映してくれたりして、より盛り上がりましたね。
演奏以外の見どころといえば、メンバーが本当にいつも自分たちのライブを楽しみにしているのもそうですね。空気感というか、ステージの上で遊んでいるような感じが見えるというか。

――メンバーは、ゆいなさんの出身校でもある京都橘高校吹奏楽部出身の方が中心になっているのでしょうか。

半分くらいはそうですね。橘の子たちが新たなメンバーとして来てくれるのもすごく嬉しいのですが、最近は全国から集まってくれます。「このエンターテイメントを一緒にやりたい」と誰でもチャレンジできるようにしたいと思っているのと、やっぱり橘に入りたかったんだよなと、色々な事情で諦めていた子たちの受け皿にもなりたいと思っていますね。メンバーが高校や大学を卒業してから、本気で吹奏楽エンターテインメントを楽しんで取り組める場所にもしたいです。

――2024年は結成3周年となります。これまで活動を続けてきてどのような道のりでしたか?また、ご自身の中に変化などはありましたか?

O-VILS.を結成して活動を始めたのがコロナ禍真っ只中で、大変な準備時期でしたね。今思うと、最初の2年はメンバーの気持ちがついて来るのを待っていたような時期もありました。3周年を目前にして、私と近い目線で目標を持ったり、課題を感じてくれるメンバーが出てきて、みんなと一緒に夢を語れるようになったのが一番の変化かなと思っています。
総監督として、やっぱりそうやってメンバーが変化することが自分の変化でもあると感じています。

――総監督として、普段どのような想いで活動されていますか?

練習場では、場所を借りていたり、皆が貴重な時間を使って集まってきているので、基本は体を動かす練習だけをしていたい。だから毎週1回はオンラインミーティングを開いています。新しい公演に向けて内容を話し合ったり、疑問ややりたいことを出し合っています。公演が終わった後に反省会もしたりしますね。
総監督としての仕事は、小さなことから物凄く大事なことまでいっぱいあるのですが、端的にいうと「翻訳」することだと思っています。世の中やアーティスト活動にとって非常識かもしれないことも、「吹奏楽エンターテイメント」を作っていくにはどうしても皆やりたいことが沢山あって、それをいつもいろんな場所ですり合わせしていくことが、私の役割だと感じています。異世界の物を組み合わせて新しいものを作っていくというのは、そういうことなんだろうなと、完成像を思い描いています。

――改めて、今後O-VILS.としてどのような活動を目指していきたいですか。

夢はでっかく武道館!!! なのですが、それを叶えるためにコツコツ努力を積み上げながら、場数を踏んで、少しでも多くの人に私たちのことを知っていただきたいなと思っています。
そのためにもまずは今回の東京・神戸での単独公演を成功させたいです!

O-VILS.STORIES #1

――楽曲制作や演奏のこだわりなどがあれば教えてください。

O-VILS.のオリジナル楽曲は、全て私が作曲しています。吹奏楽軽音楽、ダンスが融合して面白いなと思える物を作ろうと心がけています。
ライブで演奏するセットリストにはカバー曲も多く、そこにオリジナル楽曲を並べるのがプレッシャーではありますが、それに負けない、O-VILS.だけにしかできないパフォーマンスで勝負したいと思っています。カバー曲は歌詞のついている物が多く、1番のAメロ・Bメロなど形が定番化されていると思いますが、オリジナル楽曲では、ステージを意識した楽曲展開になっています。

ライブでは、毎回出演するメンバーや編成が変わるという唯一無二のグループだと思います。フレキシブルだからこそメンバーもとても柔軟で、「今回はこのメロディは私が演奏するね」と音楽作りもあったりと、ライブによって音色や演奏が変わっていくのも楽しみの一つかと思います。

――今回の「We Are O-VILS.」はどのようなステージにされたいですか。

5回目のワンマンライブ、今回は東京と神戸の2箇所での開催になります。東京では初めてのワンマンをできることが嬉しいです。京都を飛び出して、これからもいろいろな地域での単独公演を叶えたり、大きく膨らませていきたいです。
今回はコンサートホールでの開催なので、ライブハウスとは異なる、ホールならではの響きや演出も楽しみです。

――改めて、お客様へのメッセージをお聞かせください。

まずは、いつも支えてくれて、応援してくださるファンの皆さま、本当にありがとうございます。東京公演の特典付きS席が完売したことは本当にすごいことで、私たちのモチベーションになっています。
普段は京都での開催が多いのですが、今回は東京と神戸になります。今まではちょっと遠いなと思っていた方も、ぜひこの機会にいらしていただけたらなと思います。
いつも、「やっぱり生で聞くと、こんなに音の振動・迫力があったんだ」という声を沢山いただくので、お腹まで響いてくるような迫力と、お腹から笑える楽しい時間が詰まったライブを、体感しにきていただきたいです。

皆様のご来場を心よりお待ちしております!