小沢コージ。 愛情あふれる独自の視点でクルマを語るバラエティ自動車ジャーナリス

【お値段以上の作戦がすごい】スズキ新型「スイフト」は衝撃の“ノー”ストロングハイブリッド!5ナンバーで172.7万円から『小沢コージの遊べるクルマ』の画像一覧

MonoMax本誌にて好評連載中の「小沢コージの遊べるクルマ」では、自動車ジャーナリストの小沢コージさんが、ただの移動手段として使うだけではもったいない、遊びたくなる魅力を秘めたおすすめの1台を紹介しています。

今回は、「いまどき敢えてストロンハイブリッド設定なし!だからこそ味わえる走りとコスパあり」と小沢さんが評するスズキ スイフトを取り上げます。

いまどき200万円以下でリッター25㎞に迫る低燃費がすごい!

欧州からアジアまで展開するスズキの顔たるコンパクトハッチ電動化が進むこの時代、スズキらしい衝撃のコストパフォーマンスカーが登場した。日本専用の初代を除き今回で4代目となる新型スイフトだ。スイフトは軽スーパーハイトワゴンに次ぐスズキの国内売れ筋コンパクトハッチバックで、競合はご存じトヨタ ヤリスホンダフィット、日産 ノートなど。そこにスイフトはかつてない個性で勝負を挑む。

ひとつは4mを切る全長3.8ⅿ台のコンパクトサイズで、先代と変わらず5ナンバー。車重は四駆を除きほとんどが1トン切りと軽く、しかもメインのパワートレインは新開発の1.2L直3エンジンがベースのマイルドハイブリッドだ。これがどんだけすごいかって、今やヤリスをはじめこのクラスのほとんどは電動感の強いストロンハイブリッドを用意。モード燃費はすさまじく、ヤリス ハイブリッドが最良リッター36km、フィットが最良リッター30km台。「ストロンハイブリッドでなければコンパクトカーじゃない」みたいな勢いもある。

ところが新型スイフトは、前述のモーターパワーの小さいマイルドハイブリッドとモーターなしのガソリンエンジンだけ。しかし、その代わりに新型スイフトは高効率な1.2L直3ガソリンエンジンを新開発。加えてボディの空力改善や自慢の軽量化で燃費を稼ぐ、スズキ流の“お値段以上”作戦で勝負に出たのだ。

最初の注目ポイントは軽量空力ボディでエクステリアはいままで以上にワイド感を強調。彫りを深くするだけでなく、前後LEDランプを四隅に配置。サイズ以上にリッパに大きく見えるデザインだ。

さらにすごいのは新エンジンで、パワースペックは先代より僅かに落ちたが、そこは新開発マイルドハイブリッドで補う。結果最良WLTCモード燃費は24.5km/Lとストロンハイブリッドにわずかに負ける程度。加えて簡略化で安くすることができ、マイルドハイブリッドモデルのスタート価格はなんと192万円台。200万円超えの競合ハイブリッドよりも数十万円は安い。電動化に走るだけが能じゃないってことよ!

衝撃のノーストロングハイブリッド!新作エンジンで燃費は驚きのリッター24.5㎞

衝撃のノーストロングハイブリッド!新作エンジンで燃費は驚きのリッター24.5㎞ライバルといえるヤリストヨタ式のTHSⅡ、フィットはシリーズハイブリッドのe:HEV、ノートもシリーズ式のe-POWERとほぼストロンハイブリッドが選べる。しかし新型スイフトは敢えて簡便なマイルドハイブリッドで勝負。モーターパワーはわずか3.1PSだが高効率1.2L直3エンジンを新開発。

ピークパワー&トルクこそ82PS&108N・mと控えめだが低回転トルクが豊かな上、13:1という高圧縮比や高速燃焼技術、新作CVTを採用。ボディの空力改善で最良リッター24.5㎞の低燃費を実現。ほとんどストロンハイブリッド並みだぜ!

全車LEDヘッドランプでアダプティブ機能も!5ナンバーキープでもワイド&エッジ感アップ

全車LEDヘッドランプでアダプティブ機能も!5ナンバーキープでもワイド&エッジ感アップボディ骨格のハーテクトこそ踏襲しているが高張力鋼板を多用し剛性アップ。サイズも旧型比で全長が15㎜伸びただけで全長3.8ⅿ強の完全5ナンバーサイズをキープ。

サイズは旧型比で全長が15㎜伸びただけで全長3.8ⅿ強の完全5ナンバーサイズをキープ一見保守的だが全長3.9ⅿ台のヤリスより9cmも短く、4駆モデルは最小回転半径4.7ⅿでより短く扱いやすさは歴然。

前後LEDライトをより四隅に配したことでワイド感も強調それでいてフォルムはスイフトらしい塊感を進化させていて存在感があるし、前後LEDライトをより四隅に配したことでワイド感も強調。とても5ナンバーに見えない!

広さ感キープでトップレベルの先進安全&9インチディスプレイオーディオは新作

グレードにより標準装備されるスイフト初の9インチディスプレイオーディオインパネはほとんどハードパッドでクオリティは競合ヤリスとさほど変わらないが見た目はよりリッパ。グレーで3D造形が施されたプラスティックパネルやグレードにより標準装備されるスイフト初の9インチディスプレイオーディオが効いておりイイモノ感200万円超え。デンソーADASセンサー初採用のデュアルセンサーブレーキサポートIIの先進安全も機能はクラストップ!

敢えてボディを拡大せず扱いやすさを守った新型スイフト

大人2人が前に座った状態でもリアには普通に2人が座れる敢えてボディを拡大せず扱いやすさを守った新型スイフトだが大人2人が前に座った状態でもリアには普通に2人が座れる。

スズキ「スイフト」スペック

欧州からアジアまで展開するスズキの顔たるコンパクトハッチ欧州からアジアまで展開するスズキの顔たるコンパクトハッチ。旧型比、全長+15㎜の全車5ナンバーサイズでストロンハイブリッドだらけの競合に新型直3エンジン+マイルドハイブリッドで対抗。そのコスパがすごい!

スズキ スイフト ¥1,727,000~2,332,000
●全長×全幅×全高=3,860×1,695×1,500㎜
●車両重量=950㎏
●エンジンタイプ=水冷直列3気筒
●総排気量=1.197L
●エンジン最高出力=60kW(82PS)/5,700rpm
●エンジン最大トルク108N・m(11kgf・ⅿ)/4,500rpm
●モーター最高出力=2.3kW(3.1PS)/1,100rpm
●モーター最大トルク=60N・m(6.1kgf・m)/100rpm
●トランスミッション=CVT
●使用燃料=無鉛レギュラーガソリン
●燃料消費率(国土交通省審査値)WLTCモード=24.5km/L
※数値はHYBRID MZ 2WD

「いまどき敢えてストロングハイブリッド設定なし!だからこそ味わえる走りとコスパあり」と小沢さんが評するスズキ スイフト

小沢コージ
愛情あふれる独自の視点でクルマを語るバラエティ自動車ジャーナリスト。雑誌を中心にWebなどにも多数寄稿。2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。

取材・文・撮影/小沢コージ

【お値段以上の作戦がすごい】スズキ新型「スイフト」は衝撃の“ノー”ストロングハイブリッド!5ナンバーで172.7万円から『小沢コージの遊べるクルマ』