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 2023年11月24日に発売したファーウェイスマートウォッチHUAWEI WATCH 4」を使っています。このモデルの大きな特徴として、eSIMに対応していることが挙げられます。スマートフォンと接続していなくても、端末で通話ができ、モバイルデータ通信を利用できるわけです。

 しかし、eSIM対応のApple WatchGoogle Pixel Watchのように、使っているスマホの電話番号で着信したり、発信したりできるわけではありません。新たに回線を契約したeSIMで、スマホとは異なる電話番号で通話ができる仕組みです。前回は「eSIMで通話可能「HUAWEI WATCH 4」使って感じた独特のクセ」と題して、HUAWEI WATCH 4の全体的な特徴を紹介しましたが、今回はeSIMフォーカスを当てて、設定方法や使い方などを紹介します。

IIJmioの音声eSIMインストールしてみた

 どのキャリアのeSIMでも使えるようですが、筆者はIIJmioの音声eSIMの2ギガプラン(月額850円)を契約しました。一般的に、eSIMは事業者が発行するスマホでQRコードを読み取って、アクティベーションをするのが一般的。しかし、HUAWEI WATCH 4では、まず、ペアリングしているスマホ(筆者の場合はiPhone 15 Pro)にeSIMの情報を取り込み、続いて、ウォッチに同期する仕組みになっていました。スマホでは「HUAWEIヘルスケア」アプリの「eSIM管理」から設定をします。

 eSIMの開通までの作業はそんなに難しくはなかったのですが、IIJmioの申し込み過程で、利用する端末の「EID」の入力を求められて、「それって何?」とちょっと焦りました。EIDはeSIMの認識番号で32桁の数字で、パッケージや「設定」画面で確認できます。ですが、32桁の数字ってパッと見では記憶できないし、入力も面倒ですよね。

 筆者はGoogle Pixel Watch / Watch 2に、ドコモやauのeSIMインストールして使ったことがあります。その場合、ドコモは「ワンナンバーサービス」、auは「ナンバーシェア」というサービスに加入すると、スマホと同じ番号がウォッチでも使えるようになります。それらのサービスへの申し込みや初期設定は、「Google Pixel Watch」アプリから行えて、非常にスムーズだったと記憶しています。それに比べると、新たな電話番号の追加は結構面倒に思えました。

本来はスマホと電話番号を共有できるようだが……

 ちなみに、「HUAWEIヘルスケア」アプリの「eSIM管理」の画面には、「2つのデバイスで1つの番号を共有」と「スタンドアロン番号」の2項目が表示され、前者に「推奨」と記されています。これを見ると、日本でもスマホの電話番号との共有ができると思ってしまう人がいるかもしれません。筆者もできないとは知りつつ、「もしかしたら……」と期待してしまいました。前者をタップすると、番号の共有ができる国・地域が表示され、そのリストに「日本」の名前はありません。できないのであれば、日本で使う設定にしている場合は「推奨」とは出さないでほしいなぁと思ったり……。

メッセージも送信でき、ナビゲーションも利用可能

 さて、eSIMを設定すると、eSIMの電話番号で発着信できるようになります。スマホの家に置いて、ランニングやウォーキングに出ても、HUAWEI WATCH 4で着信して、通話ができるわけです。かかってきた電話に出られない状況で、「申し訳ありません。ただいま、電話に出ることはできません」といった定型のSMSを送信することもできました。

 スマホとの接続を切った状態で、HUAWEI WATCH 4で「マップ」アプリを起動して、目的地までに道案内に使うこともできました。アプリのダウンロードもできたので、モバイルデータ通信も問題なく使えるようです。

海外渡航先でも日本からの電話を着信

 筆者はHUAWEI WATCH 4を試している期間に、取材と遊びでスペインに行く機会がありました。IIJmioの音声eSIMは電話の海外ローミングに対応しており、日本にいる家族に電話をかけてもらったところ、問題なく着信できました。ただし、データ通信の海外ローミングには対応していないので、その動作は未確認。

 なお、家族から電話をかけてもらう際、eSIMの電話番号を確認するのに苦労しました。HUAWEI WATCH 4の「設定」画面では見当たらず、「HUAWEIヘルスケア」アプリでも見当たらず、IIJmioを申し込んだ際のメールを探し出して確認した次第。

 スマートウォッチeSIMは、スマホと同じ番号が使えたほうが便利でしょうし、ウォッチが独自の電話番号を持つことにメリットを感じる人がどれくらいいるのかはわかりません。本機では無理だとしても、つぎのモデルではぜひワンナンバーやナンバーシェアなどの番号共有に対応させてもらいたいものです。HUAWEI WATCH 4のeSIMは4Gまでなので、米国からの制裁など、そのあたりの問題は支障ないと思うんですよね。あくまでも個人の感想ですが……。

 
【レビュー】IIJmioのeSIMを「HUAWEI WATCH 4」に入れてみました!