こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。


これまで「変わりたい」「結婚したい」と相談に来られた1000人以上の方々のうち、4割ぐらいが「一度もお付き合い経験がない女性」。そして筆者自身も20代まで、化粧もせず髪もボサボサの“完全なる非モテ”でした。一念発起して自分を変え、皆さんの“もったいないところ”をアドバイスしてきた経験から、恋愛・婚活に役立つリアルな情報をお届けします。


◆「引き寄せの法則」にハマる女性が“可愛くない”理由



写真はイメージです(以下同じ)



恋愛ノウハウにもトレンドがあります。何年か前に、スピリチュアルや「引き寄せの法則」関連の本が書店に並んだ時代がありました。その流れで、「心の中から叶うと信じると理想の男性を引き寄せる」という恋愛ノウハウが流行った時代があったのです。


申し訳ないのですが、この引き寄せ系恋愛テクにハマった女性のほとんどが可愛くないのです。というのも、祈って願って待つだけで、自分を磨く努力や出会うための行動をしないからです


大谷翔平も「憧れるのをやめましょう」と言っていたし、自分を信じるのが大事というのはその通りだと思う。しかし、大谷選手は一流のプレイヤーになるため切磋琢磨して常人以上の努力をしたのではないでしょうか。


努力をしたうえで“信じる”なら分かります。でも私が見てきた限り、引き寄せの法則にハマる女性は、祈って願ってただ待つのです。いくつかの本に書かれていたのが「結婚したい男性の条件を書きだすとぴったりの男性が現れる」というものでした。


引き寄せの法則に昔ははまっていたという美和さん(仮名・38歳)は、一度もお付き合い経験がありません。何も引き寄せられず、私生活の変化がないまま年齢だけが上がり、最近は少し引き寄せの法則に懐疑的。行動しないといけないのかもしれないと思うようになってきて、私のところへご相談にやってきました。


◆マイナスの意味で年齢不詳の“幼いおばさん
美和さんも、結婚したい相手の条件を書きだしていました。


条件を書きだすこと自体は別に悪いとは思いませんし、自分と向き合うためにも有効だと思うのです。漠然と「普通の男性」を探して無数の申し込みをこなして疲弊する女性もいるので、自分と向き合い条件の整理をすることは大事です。ただし、人気がある女性の場合の話です。


美和さんの場合、スピリチュアル好き女性になぜか多い、体型が隠れるもっさりした服で、表情が無防備です。38歳より幼くも老けても見える、マイナスの意味で年齢不詳の“幼いおばさん”でした。


◆あまりに現実離れした「引き寄せたい男性の条件リスト」
会いたい男性の希望条件は、清潔感があること、身長170センチ以上、浮気しないこと、一人暮らしをしていること、私の親を大事にしてくれること、気配りができること、コミュニケーション力が高いこと……などたくさん羅列してありました。


スペック面の条件もありましたが、どちらかといえば、外見とコミュニケーションに関する項目が多めです。



「今のままの美和さんだと、この条件の人から申し込みは来ないですよ。美和さんが条件に挙げた男性は人気男性なんです。そもそもコミュ力と清潔感があれば、どんどん結婚してあまり残っていないんです。独身で婚活中の方もいらっしゃいますが、ライバルには美和さんより若い人や綺麗な人、スペックが高い女性もいるんです」
「そうですよね。現実逃避してました。もう少し自分と釣り合うかどうか考えます」
「あとは、美和さん自身の人気を上げるためにも、メイクを習って服装は変えた方がいいですよ。申し訳ないけれど、婚活中の同年代女性はもっときれいです」
「そうですよね」


◆「私は控え目だからコミュ強と釣り合う」というカン違い
美和さんはその場で、条件の取捨選択を始めました。


「外見は、私も人のことを言えたなりではないので、条件から外してもいいです。私はあんまり自分から積極的に行くタイプじゃないので、コミュニケーション力が高くて気配りができて、細かく気が付いてくれる男性が釣り合うと思うんです。だから、そういう男性を引き寄せられるようにしたいです」
「ん? コミュ力がある男性が、いろんな女性がいる中で受け身な美和さんを選ぶメリットはどこ?」
私を選ぶメリットは……ないですけど、結婚って損得ですか?


どうやら彼女は、自分に欠けているモノを補ってくれる男性を探しているようです。私は彼女の“盲点”について説明することにしました。


◆それでもコミュ力がある男性に会いたいなら
「職場恋愛とかサークルで知り合って付き合うみたいな、小さいコミュニティ内の出会いなら、気配りできる男性と美和さんのような受け身な女性がお付き合いして結婚することはあるかもしれません。ライバルも少ないし、顔を合わせる機会が多いから、小さな共通点などから親しくなる可能性もあります。


けど、マッチングサービスの中だと男性もいろんな女性を比較検討しているんです。人気レベルが違いすぎる人とは会えないんです


コミュ力がある男性に会いたいなら、美和さんも他人への気遣いとか積極的になるとか、そういう努力が必要ですよ。欠けてるところを埋める相手が自分と釣り合うわけじゃないんです」


◆婚活をスタートして思い知った「自分の相場」
その後もいろいろありましたが、美和さんは何とか婚活をスタートしました。腰が重く、最初にご相談にいらっしゃったときから数カ月経過し、婚活をスタートした時は39歳でした。


ご本人は当然のように同年代男性と会えると思っていたのですが、低収入で実家暮らしの美和さんに申し込みが来るのは、40代後半から50代・60代の年上男性ばかりでした。一番年齢が近い男性でも3歳年上で、年収は美和さんと同程度でした。


コミュ力がある男性とか言っている場合じゃなかったって分かりました。引き寄せようとしないで、もっと若いうちに始めていなきゃいけなかったんですね」
「行動したから分かったことじゃん。これから行動していこうよ」
「そうですね。後悔しないように行動します」


現実から逃げることなく、勇気をもって踏み出した一歩は尊いと思います。


※個人が特定されないよう一部脚色してあります。


<文/菊乃>


【菊乃】恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt