山崎は防御率はゼロと守護神としての役割は果たしているが、三振が奪えていないのは気になるところだ(C)産経新聞社

 DeNA4月5日の巨人戦に2-1で勝利した。東克樹戸郷翔征の両エースの投げ合いになり、試合は予想通り投手戦。それでも、度会隆輝関根大気タイムリーヒットで奪った2点を守り、最少失点に抑えて逃げ切りに成功した。

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 DeNAはこの試合に勝利して首位浮上。幸先の良いスタートを切っているが、守護神を務める山崎康晃に不安感を抱いているファンは少なくないだろう。5日の試合に登板してリーグトップの3セーブをあげ、現在セーブ成功率は100%。それでも、決して投球の内容が良いとは言えない。防御率こそ0.00と無失点ピッチングを続けているが、2日の阪神戦、5日の巨人戦ではいずれも一、二塁のピンチを招いている。

 山崎はランナーを背負うケースが珍しくない。特に粒だてる必要はないようにも思われるが、今シーズンの山崎は例年とは大きく異なる点がある。それは三振が全くとれていないことだ。2017年に11.51という優れた奪三振率をマークするなど、通算奪三振率は9.04と三振を比較的とるタイプの山崎ではあるが、今シーズンは0奪三振。1アウトも三振でとっていない。

 三振がとれない背景には空振りがとれていないことが挙げられる。2日の阪神戦は5人の打者と対戦して空振りは3つ、 4日の阪神戦は3人の打者と対戦して空振りは1つ、 5日の巨人戦は4人の打者と対戦して空振りは0。巨人戦では岡本和真と対戦した時、粘られて9球も投じたが一度も空振りはとれなかった。

 今シーズンの山崎は得意球のスプリットがなかなかゾーンに決まっていない。加えて、切れ味も鋭いとは言い難く、厳しいコースに投げられてもカットされたり、見逃されたりするシーンが目立つ。「打者の打ち気を逸らしている」「打たせて取るピッチング」と言えそうではあるが、それを意図しているようには見えないのが実際のところだ。

 昨シーズンは安定感を欠き、守護神を森原康平に明け渡したが、今年はシーズンを通して9回のマウンドに立てるのか注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

3戦連続セーブも本調子ではない? DeNA山崎康晃、空振りとれず奪三振がいまだゼロ