さらに調教師別成績を見ていくと、真っ先に名前が挙がるのは森秀行調教師だ。過去にはシーキングザパールで日仏のGⅠを制し、エアシャカールでは皐月賞菊花賞クラシック二冠を成し遂げている。

「過去3年だけで見ると、森師とのコンビも優秀です。重賞では22年のニュージーランドTジャングロ(3番人気)で制しています。騎乗数や好走数にムラはありますが、高く評価していいのではないでしょうか」(伊吹氏)

 競馬学校の1年先輩で、競馬人気を牽引してきた松永幹夫調教師とも強力なタッグを組む。

1月20日の石清水Sで、単勝15.9倍(5番人気)のトランキリテを優勝に導くなど、非常に優秀な成績を収めています。22年9月以降に限ると3着内率は51.4%(同121%)にも上ります。かつてはアウォーディーの主戦を務めていたように、おなじみのタッグではありますが、ここへきてまた期待値が上がっています」(伊吹氏)

 来年2月に定年を迎える音無秀孝調教師とのコンビも、ここ数年増えている。

ソーダズリングで2月の京都牝馬Sを勝ち、昨年もモズメイメイチューリップ賞(7番人気)と葵S(4番人気)を制しています。音無師も以前よりリーディング順位を落としていますから、言わば相乗効果のような形で馬券的な妙味が増しているようです」(伊吹氏)

 続いて覚えておきたいのが、武豊の好成績コースだ。

「近年は阪神ダ1800メートルで優秀な成績を収めています。21年1回阪神以降に限ると〈19 17 7 42〉で3着内率は50.6%(同126%)でした。23年2月18日の阪神8Rでは単勝127.8倍(16番人気)のティルドーンで3着しています」(伊吹氏)

 この時は好スタートから2番手に控えての粘り込みだったが、

「それまで中団から競馬をしていた馬をスッと馬の気分に合わせて前のポジションを取るあたりがレジェンドたるゆえんです。去年5月の交流重賞兵庫チャンピオンシップでもミトノオーで6番身差の圧勝劇を演じましたが、管理する美浦の牧光二厩舎のスタッフから『さすがユタカさんだよね〜』と感嘆の声が漏れていました」(スポーツ紙記者)

 巧みな逃走劇はダートだけではない。

「昨年の大阪杯ジャックドールでは、1番人気スターズオンアースの猛追をハナ差しのいでの勝利でしたし、今年3月24日の大寒桜賞では、キタサンブラックの半弟シュガークンで逃げ切りました。とにかく逃げた時のユタカさんのペース配分は絶妙で、体内時計のすごさに驚かされます」(スポーツ紙記者)

 4月後半からは京都に舞台を移すが、

「リニューアルオープン後なら芝1600メートルの内・外回り共に狙い目です。23年1回京都以降に限ると〈3 7 3 15〉で3着内率は46.4%(同93%)です」(伊吹氏)

 春シーズンも武豊旋風が巻き起こりそうだ。

アサ芸プラス