プレミアリーグ第32節が6日に行われ、マンチェスター・シティは敵地でクリスタル・パレスと対戦した。

 前人未到のプレミアリーグ4連覇を掲げるマンチェスター・シティは、前節終了時点で20勝7分3敗の成績で勝ち点「67」を積み上げ、現在は3位につけている。3月10日に第28節でリヴァプールとのアウェイゲームを1-1のドローで終えると、前々節はホームにアーセナルを迎えてスコアレスドロー。現在はリヴァプールアーセナルとの“三つ巴”の優勝争いに身を置くなか、ライバルたちとの直接対決で勝利を飾ることはできなかった。それでも、3日に行われた前節は、第15節で0-1と敗れていたアストン・ヴィラを相手に4-1と完勝。きっちりと勝ち点「3」を積み、中2日で迎える今節は敵地でクリスタル・パレスと激突する。

 クリスタル・パレスはここまで7勝9分14敗の勝ち点「30」で14位につけている。現在は4試合未勝利となっているが、3連覇中の“王者”を相手に金星を飾れるだろうか。

 マンチェスター・シティは前節からスターティングメンバー4名を入れ替え。ジョン・ストーンズ、ケヴィン・デ・ブライネアーリング・ハーランドがスタメンに戻ってきただけでなく、オスカー・ボブが今季のプレミアリーグで2度目の先発に名を連ねた。フィル・フォーデンやベルナルド・シルヴァらはベンチから出番を待つ。一方、クリスタル・パレスはヨアキム・アンデルセン、エベレチ・エゼ、ジャンフィリップ・マテタらがスタメンに入った。

 試合は立ち上がりの3分に動く。クリスタル・パレスは自陣で相手のパスを引っ掛けると、ジョルダン・アイェウの落としからアダム・ウォートンが背後のスペースへスルーパスを送る。抜け出したマテタがボックス右から右足を振り抜くと、グラウンダーのシュートは左ポストに当たってゴールに吸い込まれた。見事なカウンターアタックを完結させ、ホームチームが先手を取っている。

 マンチェスター・シティとしては開始早々1点ビハインドを強いられたが、その後も姿勢は変わることなく、ボールを保持して敵陣へ押し込む形を続ける。すると13分、敵陣左サイドでボールを受けたジャック・グリーリッシュが縦へ仕掛けてクロスボールを送ると、ジョエル・ウォードにブロックされたものの、セカンドボールにデ・ブライネが反応。ボックス左で前を向いたデ・ブライネが右足でシュートを放つと、狙い澄ました一撃がファーサイドへ突き刺さった。“エース”の正確無比な右足が火を吹き、試合は振り出しに戻っている。

 その後はマンチェスター・シティが主導権を握り、クリスタル・パレスブロックを掻い潜る術を探る。ハーランドフリアン・アルバレスらがゴールに迫る場面を生み出しながらも、なかなか次の1点が奪えない。

 対するクリスタル・パレスは38分、敵陣でアイェウがロドリからボールを奪うと、自ら持ち込んで右足シュート。ニアサイドの上を狙った一撃はクロスバーに嫌われた。クリスタル・パレスとしては勝ち越しゴールのチャンスを逃す形となり、マンチェスター・シティとしてはヒヤリとするシーンだった。

 このまま1-1で後半へ折り返すと、再び立ち上がりの時間帯にスコアが動く。47分、後半頭からヨシュコ・グヴァルディオールに代わって投入されたマヌエル・アカンジが左サイドからボールを持ち運び、相手を引きつけて左へ渡すと、グリーリッシュが縦へ仕掛けてクロスボールを送る。ボックス内でアンデルセンが先に触ったものの、短くなったクリアボールを拾ったリコ・ルイスが右足一閃。ディフレクションした一撃がゴールネットを揺らし、マンチェスター・シティが勝ち越しに成功した。

 後半の早い時間帯に逆転ゴールを奪ったマンチェスター・シティがその後も試合を優位に進めると、66分には再び左サイドから、グリーリッシュがドリブルをスタート。カットインして斜めのボールを繋ぐと、ボックス左の深い位置からデ・ブライネが右足アウトサイドでマイナスへ折り返し、最後は中央へ飛び込んだハーランドが押し込んだ。“主砲”の一撃で、マンチェスター・シティがリードを2点に広げた。

 止まらないマンチェスター・シティは続く70分、デ・ブライネからのスルーパスでグリーリッシュが左サイドを突破。巧みなステップでボールを握り、時間を作ると、横パスを受けたロドリダイレクトで落とし、最後はデ・ブライネが左足で叩き込む。マンチェスター・シティが4点目を記録し、勝利を決定付けた。

 ホームで意地を見せたいクリスタル・パレスは終盤に差し掛かった86分、中央からドリブルで持ち運んだナウイロ・アハマダが左サイドへスルーパスを送ると、抜け出したジェフリー・シュルップが左足でクロスボールを送る。このボールを、ニアサイドへ飛び込んだオドソンヌ・エドゥアールがダイレクトで押し込んだ。途中出場の3選手が絡み、クリスタル・パレス点差を縮めた。

 試合はこのままタイムアップ。開始直後の失点でヒヤリとしたマンチェスター・シティだったが、デ・ブライネ、グリーリッシュらの躍動もあり、終わってみれば前節と同じく4ゴールを記録。プレミアリーグ2連勝で、今節を未だ消化していないリヴァプールアーセナルプレッシャーをかけた。一方、クリスタル・パレスは悪くない戦いを見せながらも、これで5試合未勝利と苦しい状況が続く。

 この後、マンチェスター・シティは9日にチャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝ファーストレグでレアル・マドリードと敵地で対戦し、13日には次節のプレミアリーグで橋岡大樹が所属するルートン・タウンをホームに迎える。一方、クリスタル・パレスは14日に次節のプレミアリーグ遠藤航が所属するリヴァプールの本拠地に乗り込む。

【スコア】
クリスタル・パレス 2-4 マンチェスター・シティ

【得点者】
1-0 3分 ジャンフィリップ・マテタ(クリスタル・パレス
1-1 13分 ケヴィン・デ・ブライネマンチェスター・シティ
1-2 47分 リコ・ルイス(マンチェスター・シティ
1-3 66分 アーリング・ハーランドマンチェスター・シティ
1-4 70分 ケヴィン・デ・ブライネマンチェスター・シティ
2-4 86分 オドソンヌ・エドゥアール(クリスタル・パレス

デ・ブライネ(左)は圧巻の2ゴール [写真]=Getty Images