ドラッグストアで食品を買う時代へ。


 食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。


 最近存在感を増しているお店と言えば、ドラッグストア。医薬品や生活用品だけでなく、お菓子やインスタント食品をはじめとした食料品の取り扱いが珍しくなくなりました。そして気がつけばスーパーのようなプライベートブランドが誕生し、オリジナルの食品が続々登場しているではないですか!


 まだ詳しくチェックしていない、試したことがないという人も多くいることでしょう。


 そこで今回は、スーパーマーケット研究家の立場として、大手ドラッグストアチェーン(ウエルシア薬局、マツモトキヨシココカラファイン)のPB商品をチェックし、押さえておきたい注目アイテムを厳選してご紹介してみたいと思います。


マツキヨは、PB作りの超優等生だった
 実はマツモトキヨシがオリジナルブランド「matsukiyo」をはじめたのは、2015年。


 品質や機能性だけにとどまらず、面白さや楽しさのある商品、パッケージデザインにまでこだわる徹底した商品づくりを続け、2018年には優れたブランディング活動を評価する賞「Japan Branding Awards2018」の最高賞を受賞するなど、小売業界の中では超優等生とも言える存在です。


 これまでのヒット商品は数知れずありますが、今回注目したいのが、ヘルス&ビューティケアに特化した「matsukiyo LAB」(マツキヨラボ)シリーズ。


 管理栄養士や薬剤師などの専門スタッフが開発を手掛け、消費者の美と健康をサポートする目的で立ち上げたブランドで、ここからさらにアスリートライン、サステナブルロカボライン、ビューティケア、サプリメントなどのジャンルに分けられています。


◆ナノプラセンタエキス配合のゼリーをリピ中



「matsukiyo LAB ナノプラセンタゼリーグレープ味 33包」1598円



 ビューティケアアイテムの中で個人的にリピートしているのが、「matsukiyo LAB ナノプラセンタゼリーグレープ味 33包」(1598円)。


 独自技術で抽出した豚由来のプラセンタエキスを主原料にヒアルロン酸や葉酸などを配合したゼリーで、管理栄養士が推奨しています。


 アスリートラインからはタン活アイテムとして性別問わずにおいしく味わえる「matsukiyo LAB プロテインスナックサワークリーム 45g」(170円)。ポテトチップスの様に食べながら、罪悪感なくたんぱく質を22g摂取することができます。



「matsukiyo LAB プロテインスナックサワークリーム 45g」、「matsukiyo LAB プロテインメキシカンチリ 45g」各170円



 最大限の糖質オフを意識しながらもお腹も心も満足できることをコンセプトにしたサステナブルロカボラインでは、「matsukiyoLAB 糖質9.0gのど飴13種類のハーブ味 55g」(213円)がオススメ。糖質オフに加えて、食物繊維を摂取できるのが嬉しいポイントです。



「matsukiyoLAB 糖質9.0gのど飴13種類のハーブ味 55g」213



ウエルシアは、定番アイテムが得意



4月3日に開催された「ウエルシアのプライベートブランド「からだWelcia・くらしWelcia」 新商品発表会



 イオングループであるウエルシア薬局がPB商品の販売を始めたのは、2021年。マツキヨに比べると後発ですが、人の暮らしに寄り添った優しい商品作りをコンセプトに、2つのブランド「からだWelcia」と「くらしWelcia」があります。食品は「からだWelcia」。日常よく使う定番品を強みにしながら、様々な新商品が続々登場しています。


 特に注目したいのが、4月18日以降から順次発売される冷凍食品。第一弾として発表されたのが冷食の中でもニーズの高い餃子と炒飯で、一足先に試食してまいりました。



手前から「黒豚をちゃんと感じる幸せの餃子」429円 ※4月18日発売、「あの店主がつくったメニューにはない炒飯」321円 ※5月21日発売



 4月18日発売の「黒豚をちゃんと感じる幸せの餃子」(429円)と、5月21日発売の「あの店主がつくったメニューにはない炒飯」」(321円)。スーパーのPB商品やNB(ナショナルブランド)商品と比較しても、かなりプレミアムなおいしさを味わうことができました。


 特に餃子は黒豚の旨味とあごだしの旨味がポイントで、また食べたいと思うレベルの個性ある食べ心地。なぜドラッグストアでここまでこだわるの?と疑いたくなるほどの本格感に驚かされました。



肉感と出汁の効いた濃厚な味わいが気に入りました



◆大学教授が監修した「ヌルねば生姜スープ



「毎日食べねば!11種のヌルねば生姜スープ」537円



 そしてもうひとつ気に入ったのは、すでに発売されている「毎日食べねば!11種のヌルねば生姜スープ」(537円)。


 お湯を注ぐだけで11種のヌルねば食材を食べられる生姜スープで、個性的な食感や味わいに指名買いをするようになりました。この商品は、ヌルねば食材の健康へのかかわりを研究している横浜薬科大学の先生が監修しています。


 他の既存アイテムでも、出汁商品やお茶で気になる商品を発見。「うまみの黄金比率でつくった万能だし」(429円)は、5種類の国産風味原料を使用した万能だしで、手軽に使えるスティック状の粉末タイプになっています。


 松茸エキスまで配合されていることに驚いてしまいました。「水出し!お湯出し!濃いめだし!うまい緑茶のティーバッグ」(537円)は、静岡県産茶葉を100%使用し、宇治抹茶やカテキン(緑茶エキス末)をブレンド。水出しでもお湯出しでも楽しめる手軽さが魅力です。



左から「うまみの黄金比率でつくった万能だし」429円「水出し!お湯出し!濃いめだし!うまい緑茶のティーバッグ」537円



 スーパーで食料品を買うという概念が揺らぐほどのパワーを秘めた商品がたくさんそろっていますから、気になる方は是非チェックしてみてくださいね!


<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>


【スギアカツキ】食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12