「やはり大阪での開催は危険なのでは…」

 地元マスコミ関係者からそんな危惧の声が上がるのも、無理からぬことかもしれない。2025年開幕予定の大阪・関西万博会場の建設現場で、3月28日にガス爆発事故が発生したからだ。

 これは可燃性ガスに、工事中に出た火花が引火したものとみられている。工区のある夢洲1区は廃棄物の処分場で、地中にはメタンガスなどの可燃性ガスのほか、ダイオキシンなどの有害物質が大量に埋まっており、かねてから危惧されていた。

 実は冒頭の懸念の声はなにも、工事中の出来事だけに向けられたものではない。浮上するのは、大阪の喫煙問題である。

大阪万博に向けて、大阪市では以前より路上喫煙対策を実施しているのですが、開催1年

を控えた今も難航している状態です。2025年から市内全域の公道や公有地で路上喫煙を禁止する方針や、コンビニエンスストアや飲食店前の灰皿撤去を求める規定の導入が、条例で見送られ、断念することになったのです」

 それは市民から「私有地の管理にまで行政が介入することではない」といった反対の声が相次いだためだ。前出の地元マスコミ関係者が嘆く。

「受動喫煙防止条例が進む東京からすれば信じられないかもしれませんが、大阪では路上喫煙者をしょっちゅう見かけます。禁煙の駐車場にも吸い殻が落ちているので、灰皿を置いた方がまだ景観を保てる、という状態です。万博会場は全面禁煙にして、喫煙所は場外設置を検討しているそうですが、隠れて吸う人がいるかもしれない。徹底しないと、今回のような事故につながりかねません」

 博覧会協会は現在、可燃性ガスを配管で地中から上空に放出する整備を進めている。はたして間に合うのか。

アサ芸プラス