5季ぶりの日本球界復帰が有料視されている筒香(C)Getty Images

 米メジャージャイアンツから自由契約となっている筒香嘉智が5年ぶりに日本球界復帰することが有力視されている。

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 2019年オフにポスティングシステムを利用してDeNAからレイズに移籍。ただなかなか結果を残せず、2シーズン目途中に戦力外となると、21年のシーズン途中から加入したパイレーツでは43試合で打率・268、8本塁打、25打点と光が見えたものの、結果としてリリースされた。その後もブルージェイズレンジャーズとマイナー契約を結ぶなど、21年シーズン途中からメジャー、マイナー、独立リーグを含む11球団を渡り歩いた。渡米5年目となる今季はジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加したが、3月中旬にマイナー降格、退団となり自由契約となっていた。

 今季が33歳シーズン、スラッガーとしてはこれからが脂が乗る時期ともされ、日本球界復帰となれば複数の球団が獲得に乗り出すことは確実とされる。

 まずは古巣のDeNAだ。3月にジャイアンツから自由契約となった際にはいち早く声明を発表、獲得意思を示した。メジャー挑戦する際にも快く送り出しており、関係性も良好。ただ現在首位と勢いに乗る新生DeNAではファーストをタイラー・オースティンサードを昨年首位打者宮崎敏郎が固め、外野手陣も黄金ルーキー度会隆輝が一角を占めるなど、空いているポジションがないのが現状。かつての4番をこのラインアップにどう加えていくのかは一考が必要となりそうだ。

 そして巨人の動きも注目される。外野をめぐっては右翼を予定していたルーグネッド・オドーアが開幕直前に二軍調整を拒否して電撃退団という事態もあったばかり。開幕からここまでは3勝5敗の借金2と決定力不足に悩まされている側面はあり、獲得に動く理由は十分。さらに巨人とは阿部慎之助監督との関係性も注目される。筒香がDeNAに在籍時代、左の強打者として憧れ、阿部新監督を手本にしてきたことは知られている。過去には打撃論などで交流を深めてきたとあって、筒香の気持ちに訴えかける面はありそうだ。

 さらに打撃強化を求めている球団としては開幕早々助っ人外国人選手2人が離脱した広島にもある。昨オフには主力の西川龍馬がFAでオリックスに移籍。さらに攻撃の軸として期待されたマット・レイノルズは左肩痛、ジェイク・シャイナーも右手中指剥離骨折で離脱と期待していた戦力が早々とあてが外れる結果となり、逆にポジションも空いている。

 チームでは侍ジャパンにも選出された田村俊介など若きロマン砲も在籍するが、左の大砲が打線に加わることで厚みが増すのは間違いない。広島ではかつてメジャー帰りとなった秋山翔吾を口説き落とした例もある。

 日米通算223本塁打、かつては侍ジャパンの4番も務めるなど実績十分のスラッガー。アマチュア球界に対しても独自の視点からたびたび提言を行い、自身で球場を建設するなど高い視座を持って野球振興を進めていることも評価されている。魂のスラッガーが果たして新天地に選ぶのはどの球団となるのか。

 今後も去就が注目を集めそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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