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 OnePlusの最新スマートフォン「OnePlus 12」は高性能チップセット高画質カメラを搭載。8Kビデオ撮影や100Wの急速充電対応など、同社のフラッグシップモデルにふさわしいハイスペックなモデルだ。高性能スマートフォンメーカーとしても知られているOnePlusの最新モデルを使ったので、レビューしたい。

◆高性能と高デザインを融合したハイエンドスマホ

 OnePlus 12はチップセットSnapdragon 8 Gen 3を搭載する高性能なスマートフォンだ。OnePlusはクアルコムの最新チップセット発表直後に毎年フラッグシップモデルを投入している。OnePlus 12はカメラ、ディスプレーバッテリーなどスマートフォンの基本性能すべてを前モデルより高められた。

 ディスプレーサイズも6.82型と前モデル「OnePlus 11」の6.7型より大型化された。解像度3168×1440ドット、リフレッシュレートは最大120Hzの可変式のLTPO AMOLEDを採用する。最大輝度は4500nitで、実際に屋外で使ってみると明るい場所でも画面表示は見やすかった。また、ディスプレーの側面は角を丸めたエッジ形状だ。なお、フロントカメラは3200万画素と高解像度で4K/30fps動画撮影にも対応する。

 背面は光沢ある仕上げで、背面中央に「1+」のロゴを配置している。海外での価格はメモリー構成12GB+256GBモデルが799.99ドル(約12万円)で、価格にふさわしい上質な質感だ。カメラ部分は中央より左側に配置しており、これは前モデルと類似したデザインになっている。最近流行りの円形台座を採用しつつ、片側に寄せることでデザインの独自性を出している。

 カメラは5000万画素 標準+4800万画素 超広角、6400万画素 3倍望遠となっている。

 本体左側面にはOnePlusの独自スイッチ「アラートスライダー」を搭載。マナーモードを物理的に3段階の切り替えで変更できる。5000万画素クラスのカメラを3つ搭載しているが本体の厚みは薄く、カメラ部分のでっぱりも気にならない。背面側も側面部分はエッジ形状なので、手に持ってみると数字よりもかなりスリムに感じられる。

 本体サイズは約75.8×164.3×9.2mm、重さは220g。前モデルより厚みは7mm、重量は15g重くなった。そのぶんバッテリー容量は5400mAhと、一般的なスマートフォンの5000mAhより大型化されている。急速充電も100W(!)に対応(アメリカ向けは80W)、それに加えて無線充電も50Wと高速化された。

 Snapdragon 8 Gen 3を搭載しているだけではなく、メモリーはLPDDR5X、ストレージもUFS 4.0タイプを採用することで、パフォーマンスを最大限に引き出している。本体内部の冷却機構も前モデルより強化され、新しい構造のデュアルベーパーチャンバーを搭載し、冷却面積は9140mm2となっている。

 防水防塵はIP65となるが、水にぬれた手でも画面タッチ操作をスムーズにできる「アクアタッチ」機能も搭載した。また、ディスプレー表面はGorilla Glass Victus 2でカバーされている。

 ゲーミングや高画質な写真・動画撮影などに適した製品だ。

 OSはAndroid 14ベースのOxygenOS 14を搭載している。中国販売モデルは同じグループ企業のOPPOのColorOSを採用、両OSの最新バージョンはほぼ同じ機能やUIデザインが採用されており、大きな差異はない。AnTuTuのスコアは約173万で、Snapdragon 8 Gen 3搭載モデルとしてはやや低めだった。

ハッセブラッドレンズをシミュレートしたカメラを搭載

 カメラ部分には誇らしげにハッセブラッドの「H」ロゴが入っている。3つのレンズ部分にそれぞれ「F1.6 23mm」「F2.2 14mm」「F2.6 70mm」と表記を入れているのも、あえてカメラらしさを出しているのだろう。

 23mmの広角はソニーの1/1.4型LYT-808センサーを採用、14mmの超広角はセンサーサイズ1/2型で画角は114度。そして70mmの3倍望遠は1/2型センサー、レンズはペリスコープ方式で最大120倍のデジタル望遠に対応する。

 カメラは写真モードで0.5倍/1倍/2倍/3倍/6倍の表示、最大倍率は120倍だ。ハッセブラッドのレンズの仕上げをシミュレートしており、1倍は「XCD 3,5/30」、2倍は「XCD 2,8/65」、3倍は「XCD 2,5/90」レンズを参考にしているとのこと。画面の上から下にスワイプするとクイック設定画面が出るのは、OPPOと同様で使いやすいUIだ。

 カメラのモードはマスター/動画/写真/ポートレート/その他、となっている。マスターハッセブラッドカラーの利用と細かい設定ができるプロモードを融合したモード。「Auto」ではハッセブラッドモードに、「Pro」では細かいパラメーターを操作できる。RAW撮影もマスターモードから可能だ。その他モードには一般的な特殊撮影モードが備わるが、ハッセブラッドの「XPan」モードも備えている。

 試用日はあいにくの曇天だったが、以下は筆者の居住する香港で撮影をした。なお、標準撮影では1200万画素相当となり、高解像度で撮影する場合はその他モードの「高解像度」を選択する必要がある。

 最近の中国系スマートフォンメーカーは、撮影した写真の余白にウォーターマークを付けることが可能で、撮影データも表示されるためそれぞれの写真がどんな情況で撮影されたかがわかりやすい。

 高倍率撮影もしてみたが、700mm/30倍ならそこそこ使えそうだ。2800mm/120倍は記録用といったところだろう。

 XPanモードは横ワイドなシーンの撮影に使うと面白い。

 ポートレート撮影のボケに関してはf/1.4で十分な味を出してくれる。23mmより70mmのほうがより写実的なボケが出る。

 マクロは搭載していないが、23mmを使えばある程度までは近寄れる

【まとめ】カメラもゲームも楽しめる欲張りモデル

 OnePlus 12はスマートフォン本体としての性能が高いだけではなく、カメラも大手メーカーのフラッグシップ製品とそん色のない性能を持っている。ハッセブラッドとのコラボにより「作品」を撮るようにじっくりと撮影を楽しむこともできるのだ。約12万円の価格でSnapdragon 8 Gen 3モデルが購入できる点も悪くないだろう。

 日本市場での販売は予定されていないが、OPPOの最上位モデルとしてOnePlusを投入するのも悪くないかもしれない。日本でもぜひ使ってみたい製品だ。

ハッセルブラッドカメラを強化、フラグシップにふさわしい性能のカメラフォン「OnePlus 12」