2024年4月4日、中国メディアの第一財経は、インテリジェントドライブ用半導体チップの競争が一層激しさを増す中で、生き残りを目指す中国企業の取り組みを紹介する記事を掲載した。

記事は、中国の車載用チップの自給率はこの3年間で5%から10%へと急速に上昇したものの、全体的に見るとなおも外国ブランドに多くのシェアを確保されていると紹介。さらに、業界内の競争はますます激化し、川下の新エネルギー自動車産業における価格競争も相まって、半導体メーカーはコスト削減による市場シェア獲得を余儀なくされている状況だと伝えた。

その上で、中国国内の車載用チップメーカー黒芝麻智能の楊宇欣(ヤン・ユーシン)最高マーケティング責任者が「中国の自動車市場は現在急速に発展する中でメーカーはチップの性能や機能を保障することに加え、コスト面でも非常に大きな圧力を受けている。従来のコスト削減方法ではもはや需要は満たせなくなっており、われわれはアーキテクチャーのアプローチから、コックピット、インテリジェントドライブ、動力、車体の4領域をそれぞれつかさどる4枚のチップの機能を1つのチップにまとめる方法を見いだし、大幅なコストダウンを実現するほかになかった」と明かしたことを紹介した。

そして、車載用SoCの世界市場規模は2022年の428億ドル(約6兆7000億円)から2028年には1792億ドル(約27兆円)と年平均27%のペースで増加することが見込まれる一方で、国内メーカーはシェアがなおも低く、かつ車載チップの開発に長期間かつ高額の投資が必要となることからおおむね赤字状態にあり、より幅広い資金調達ルートを求めることが最優先課題になっていると指摘。その中で、黒芝麻智能は国内の自動運転向けチップ企業として初めて香港証券取引所に上場を申請しており、目論見書では調達した資金の約80%を研究開発に使用することが示されていると伝えた。

記事は、市場の見通しが明るいことから中国国内の車載チップ企業は20年の数十社から23年には300社以上にまで増えたとした上で、コンサル企業の専門家からは「車載チップ産業はなおも勢力拡大の時期にある。コアな生産力を構築できた企業が業界のリーディングカンパニーとなり、生産能力だけでなく自前のツールチェーンと産業生態系を持ち、同時に資本や自動車企業の支援を得ることができるだろう」との見方が示されたと紹介した。(翻訳・編集/川尻)

4日、第一財経は、インテリジェントドライブ用半導体チップの競争が一層激しさを増す中で、生き残りを目指す中国企業の取り組みを紹介する記事を掲載した。