キリンビバレッジは、3月19日に「キリン iMUSE(イミューズ)からだ想い ヨーグルトテイスト」を新発売、「キリン おいしい免疫ケア カロリーオフ」をリニューアルしました。また、3月5日には「小岩井 免疫ケアヨーグルト」を新発売し、免疫ケア商品のさらなる市場拡大を目指します。今回は、商品の開発秘話や免疫ケア商品へのこだわりなどを、担当者に聞いてみました。

■「日々の体調管理」ニーズに着目し、商品ラインナップを強化

人々の健康意識の高まりから、近年拡大している「免疫ケア」市場。キリンビバレッジ マーケティング部 ブランド担当 主務の松岡祥子氏によると、キリンプラズマ乳酸菌入り飲料も年々売上を伸ばしていると言います。中でも、「500mlペットボトル商品は免疫ケアの入り口として幅広いお客様に試していただき、より続けやすい100mlの小容量タイプは、免疫ケアを日々の習慣として取り入れていただけるようにラインナップしています」と松岡氏は話しました。

免疫ケア商品の開発には、「人々の健康意識の変化」が特に大きく関係しているのだそう。これまでの生活を一変させたコロナ禍を経て、「日々、体調管理したい」というニーズが多い傾向にあると松岡氏は解説します。

こうしたニーズに応えるため、今回のリニューアルにあたっては、”元気な体で過ごすための体調管理”に主眼を置き、毎日飲み続けられることを重視した商品ラインナップを進めたのだということです。
■”ゴクゴク飲める”を重視した「キリン iMUSE からだ想い ヨーグルトテイスト

3月19日に新発売となった「キリン iMUSE からだ想い ヨーグルトテイスト」は、赤いパッケージの「キリン iMUSE ヨーグルトテイスト」と比べてカロリー60%オフ(※表示値の許容範囲上限値で計算)という設計。カロリーを抑えながらも、スッキリしすぎず飲んだ時の満足感が得られる口当たりとなっています。

人々の健康意識の高まりを受けて、乳性タイプの飲み物は近年売上を伸ばしているカテゴリーの一つ。「どうせ甘いものを飲むなら体に良いものがいい」という健康意識の高い人が増え、これまで炭酸や果汁などを口にしていた人たちが乳性飲料を飲むようになったという背景を、松岡氏は指摘します。

さらに、乳性タイプの飲料を飲む人の7割が、こっくり甘いものより、暑いときでもゴクゴク飲めるものを望んでいるのだそう。そこで、「キリン iMUSE からだ想い ヨーグルトテイスト」の開発にあたっては、「キリン iMUSE ヨーグルトテイスト」と機能は変えず、カロリーを抑え、日常のシーンでゴクゴク飲める後味のさっぱりしたものに仕上げたということです。

現在の味にいたるまでの開発秘話を、キリンビバレッジ 商品開発研究所 技術開発担当の福井美帆氏にうかがうと、「カロリーを下げるには、砂糖を減らさないといけないんです。しかし、砂糖を減らすと今度は飲んだ時に少し水っぽくなってしまい、味に厚みがなくなりスッキリしすぎてしまうという課題がありました」と明かします。

その課題をクリアするため、牛乳の量を増やし、また、飲んだ時の中盤あたりに味の膨らみが来るよう、甘味料や香料などで調整したのだそう。

実際に試飲させていただくと、「キリン iMUSE ヨーグルトテイスト」はしっかりとした甘みがあるのに対し、「キリン iMUSE からだ想い ヨーグルトテイスト」はさっぱりしながら水っぽさがなく、さわやかな甘みが感じられました。

■甘みを抑えてリニューアルした「キリン おいしい免疫ケア カロリーオフ」

続いてお話しをうかがったのは、同じく3月19日にリニューアルした「キリン おいしい免疫ケア カロリーオフ」。

リニューアル前は、「少し甘みが強いというお客様の声があった」と松岡氏は言います。そこで今回のリニューアルでは、パッケージを刷新すると同時に、より自然においしく飲み続けられるよう、甘味料ならではの甘さを抑えてマイルドな味わいに調整しました。

福井氏によると、朝に飲まれることを想定し、「より『ヨーグルト感』を増し、飲みごたえアップを意識した」とのこと。酸味を少し立たせ、さらにはリニューアル前の商品にあった後残りする甘さを抑えスッキリ飲めるよう改善しました。

具体的には、甘味料は種類により甘さを感じるタイミングが異なることに着目し、「後残りする甘さ」を感じにくいよう調整を行ったとのこと。また、「人工的な甘さ」を減らし、毎日飲み続けやすい味を目指し試行錯誤を繰り返したといいます。

「後残りする甘さを減らしたい一方、減らし過ぎると水っぽくなってしまうため、そのギリギリのラインを微調整しました」と話す福井氏。多くの試作品をつくり、ひたすら作って飲んでを繰り返したそうです。

こうした苦労を重ねた「キリン おいしい免疫ケア カロリーオフ」を試飲させていただくと、本体品の「キリン おいしい免疫ケア」とは違ったスッキリとした甘さが感じられました。「カロリーオフだから選ぶ」というより、「味が好き、おいしい」という理由で手に取りたい商品です。

小岩井が手間ひまかけて作る「前発酵製法」のヨーグルトとは

さらに免疫ケア商品としてもう1つ、「小岩井 免疫ケアヨーグルト」が3月5日に新発売されました。今回は、小岩井乳業 マーケティング部 マーケティング担当の岡田真希氏に、「ヨーグルトの作り方」から詳しくお話をうかがいました。

岡田氏によると、そもそもヨーグルトとは、牛乳の中にある糖を乳酸菌が食べることにより、発酵が起きてできるのだそう。発酵されると酸が生成され、牛乳の中のタンパクが凝固していくことでヨーグルトになるのだといいます。

このように牛乳と乳酸菌で作られるヨーグルトですが、「ヨーグルトには2種類の製法がある」と岡田氏は説明します。1つめは、小岩井乳業でも主要商品で採用しており、ヨーロッパなどで主流な「前発酵製法」。もう1つは、一般的に採用されている「後発酵製法」です。

「『前発酵製法』はタンクで発酵させてからパッケージングしているのに対し、『後発酵製法』はパッケージングした状態で発酵させているという違いがあります」と岡田氏は話します。

また、小岩井乳業 マーケティング部 広報担当の齊藤淑泰氏は、「弊社では『前発酵製法』を採用し、かつ半日以上発酵させたあと、ゆっくり撹拌をしてからパッケージに詰めるので、なめらかに仕上がります。それに、後発酵製法のものと違って『乳清(ホエー)』が出にくいんです」と説明しました。

実際に「小岩井 生乳(なまにゅう) 100%ヨーグルト」と後発酵製法で作られた他社のヨーグルトを比較してみると、違いは一目瞭然。

小岩井 生乳100%ヨーグルト」はトロトロとしてなめらかさがある一方、後発酵製法のヨーグルトは固くトロトロ感がなく、水っぽい乳清も出ています。

両者を試食してみると、後発酵製法のヨーグルトは酸味が強く、人によっては「砂糖なしで食べるのは難しい」と感じる味わい。一方、「小岩井 生乳100%ヨーグルト」は、乳自体の甘みがあり優しい口当たりで、何も入れなくてもそのままおいしく食べられるという感想を持ちました。

「『小岩井 生乳100%ヨーグルト』は"酸っぱくなりにくい乳酸菌"を選定し、長時間前発酵製法を採用しているからなんです」と岡田氏。また、一般的なプレーヨーグルトは、生乳のほかに「乳製品」等で調整を行う製品もある中、「小岩井 生乳100%ヨーグルト」の原材料は名前のとおり「生乳」のみで、丁寧に作っていると説明しました。
■「小岩井 免疫ケアヨーグルト」は、より継続して食べたくなる味にリニューアル

3月5日に発売した「小岩井 免疫ケアヨーグルト」は、これまで発売していた「小岩井iMUSE(イミューズ)ヨーグルト」より、おいしく小岩井らしさを追求した進化系商品。リニューアルポイントは2つあるとのこと。まず1つめは、パッケージデザインの変更。リニューアル前のものとは大きく変え、「免疫ケア」という機能性と、こだわりのおいしさを金帯のデザインで表し、”小岩井らしい正統感”を伝えたのだそうです。

「機能とおいしさという、反対の情報を瞬間的に伝えるのに苦労した」と明かす岡田氏。何種類ものパッケージを並べて試行錯誤したといいますが、リニューアルにあたり大事にしたのは「小岩井がお客様に届けられる価値」というブランドの原点に立ち帰ることでした。

小岩井乳業は明治時代にできた「小岩井農場」が前身ですが、その当時からずっと、”お客様の健康”を考え商品を提供し続けてきた歴史があります。ただし、「小岩井は単に『フィジカルの栄養素だけ摂ればいい』ではなく、『おいしい、その先にある健康』を作ってきたブランドなんです」と岡田氏は強調します。

小岩井 免疫ケアヨーグルト」のもう1つのリニューアルポイントは、その「おいしさ」をさらに追い求めたところにあるそうです。リニューアル前の商品は、プラズマ乳酸菌ならではのクリーミーさが強く、「おいしいけれどもったりしすぎる」という側面があったのだとか。岡田氏は「毎日続けて欲しいからこそ、もったりしすぎるところを軽減するように乳酸菌の配合や甘さのバランスを変えながら、今回の味に辿り着きました」と語ります。

実際に試食させていただくと、もったり感はなく、朝食などのシーンで自然と口に運びたくなるようなミルクっぽさも感じられました。前発酵製法だからこその優しい口当たりもあり、すーっと体の内側に染みていくような感覚もあります。

小岩井 免疫ケアヨーグルト」は、スタンダードな「甘さすっきり」タイプに加え、「低脂肪」タイプ、「砂糖不使用」タイプ、「のむ」タイプとラインナップも豊富。容量はそれぞれ100gと400gが用意されています(宅配用は100gのみ、のむタイプは115g)。

免疫ケアは続けることが大切ですが、だからこそ、「おいしさ」は何よりも欠かせないポイントなのかもしれません。また最近では、日常のさまざまなシーンに合わせて免疫ケア商品が選べるのも嬉しいですね。免疫ケアは気軽にできる時代。ぜひ気になる商品から取り入れて、健康づくりを始めてみてはいかがでしょうか。

武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら
(武藤貴子)

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