生見愛瑠が主演を務める新火曜ドラマ「くるり~誰が私と恋をした?~」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)が4月9日(火)にスタートする。

【写真】ぎこちない距離の生見愛瑠“まこと”と瀬戸康史“公太郎”

■「くるり~誰が私と恋をした?~」とは?

同ドラマは“恋の相手”と“本当の自分”を探す、指輪を巡るラブコメミステリー。緒方まこと(生見)は、プライベートでも会社でも人に嫌われないよう、自分自身の素を見せず、悪目立ちしないように生きてきた24歳。しかし、桜の舞うある夜に事故で記憶喪失になってしまう。

記憶を失い“くるり”と世界が一変したヒロインが、不安と同時に自分らしさから解放され、“私歴一年”の赤ちゃんとして本当の自分らしさを探していく。

恋の四角関係を繰り広げる男性キャストとして、自らを“元カレ”と語る西公太郎役の瀬戸康史、自らを“唯一の男友達”と語るまことの同僚・朝日結生役の神尾楓珠、自らを“運命の相手”と語る板垣律役の宮世琉弥が出演。

年齢もタイプも異なる3人だが、唯一の共通点は、記憶を失ったまことの自分探しの手掛かりとなる指輪がピッタリとはまること。物語が進むにつれて、3人との関係性だけでなく、まこと自身も変化していく。

また、記憶を失くしたまことの初めての友達・平野香絵役で丸山礼、まことが通う「井口メンタルクリニック」の医師・井口太郎役を肥後克広、そのスタッフで太郎の妹・井口千草を片平なぎさが演じる他、高野洸、小日向ゆか、村方乃々佳、ともさかりえら個性豊かな面々がストーリーを盛り上げる。

「WEBザテレビジョン」では、4月9日放送の「くるり~誰が私と恋をした?~」第1話を事前に視聴。オリジナルレビューで番組の魅力を紹介する。

■指輪の持ち主は誰――第1話あらすじ

第1話は――

桜舞うある夜、事故で記憶喪失になってしまった緒方まこと(生見愛瑠)。自分の名前をはじめ、自分にまつわるすべての記憶を失ったまことの手元には、きれいにラッピングされたジュエリーケースが。

中には、プレゼントとして贈ろうとしていたであろう男性用の指輪が納められていた。しかし自分に関する記憶がないまことは、誰に贈ろうとしていたかを思い出すことができない。

退院し自宅へ戻ったまことの部屋は無機質で、クローゼットの中にはモノトーンの洋服ばかり。記憶を失くす前の自分は個性を見せず悪目立ちしないように生きてきた様子が伺えた。

記憶を失い、誰からの連絡もなく孤独を感じていたまことの元に、同僚で唯一の男友達と語る朝日結生(神尾楓珠)や、フラワーショップの店主で元カレを名乗る西公太郎(瀬戸康史)が次々と現れる。自分のことを知りたいまことは彼らに話を聞くが、どこか他人事のように感じてしまう。

試しに、記憶の手掛かりになるであろう“指輪”をはめてもらうと朝日も公太郎もなぜかピッタリ。戸惑いを抱きつつも職場に復帰したまこと。同僚から聞くエピソードに、これまでの自分の生き方を垣間見て落ち込んでいた矢先、人懐っこい笑みを浮かべた板垣律(宮世琉弥)が突如現れる。

――という物語が描かれる。

■主観に満ちたレビュー

くるり~誰が私と恋をした?~」、通称「くる恋」はラブコメミステリーと銘打っているものの、華やかなキャスト陣や公開されている予告動画の印象からハッピーオーラ全開の“火ドラ”を想像していた。しかし、冒頭に映し出されるのはまことが記憶を失うことになった夜の一部始終。逃げ惑うまこと、たしかに近づく足音、思わぬ展開に引き込まれる視聴者も多いはず。

その直後、まことは“事故”によって、名前をはじめ自分にまつわるすべての記憶を失ってしまう。地図を頼りに自宅に帰るもその部屋は驚くほど殺風景で、クローゼットの中にある服もベーシックなカラーのものばかり。かと思えばクセの強いTシャツや男ウケが良さそうなデート服が出てきて大混乱。

まことは記憶を取り戻すべく奔走するというより、事故に遭う前の自分の“キャラ”を懸命に探していくが、そんな彼女に突き刺さるのは「らしくない」という言葉。過去の自分を知れば知るほど、得体の知れない孤独感を抱えながら、それでも少しずつ前に進もうとするまことはちょっとカッコイイ。

2021年に「おしゃれの答えがわからない」(日本テレビ系)でドラマ初出演にして主演を務めて以降、数々の映像作品でバラエティー番組とのギャップを見せてくれた生見。そんな彼女が本作で見せる、“新たなヒロイン像”にもぜひ注目いただきたい。

そして、個性豊かな3人の“王子様”の存在はやはり大きい。事故で入院したまことに最初に会いに来た同僚の朝日、「記憶戻るまで俺にできることあったら助けるよ」と不器用ながらに寄り添う元カレ・公太郎、ストレートに思いをぶつけてくる謎の年下男子・律。

中でも、まことをよく知るであろう公太郎の言葉は、他のキャラクターたちとはひと味違う。「記憶がないってことは自分らしさから自由になれるのかもな」、迷い、戸惑う自分を肯定してくれる元カレの存在は、すでに円満に別れているとはいえ、沼すぎる。タイプの違う3人の魅力にどっぷり浸かりつつ、ぜひ推しを見つけていただきたい。

実生活のみならず、SNSでも“自分”というキャラクターを演じることが当たり前の現代…新生活がスタートしたばかりでお疲れ気味の人も多いはず。火曜夜は、“恋の相手”と“本当の自分”を探すまことの新たな人生を応援しながら、タイプの違うイケメンたちに癒やされているうちに、“くるり”とはいかずとも、ちょっとだけ人生がいい方向に変わるかもしれない。

文=たくあんほたて

生見愛瑠がヒロインを演じる「くるり~誰が私と恋をした?~」がスタート!/ (C)TBS