日向坂46の前身グループ・けやき坂46時代から8年間に渡ってグループを牽引してきた1期生の齊藤京子の卒業コンサートが、4月5日横浜スタジアムにて開催された。また、4月6日、7日の2日間には同会場で日向坂46のデビュー5周年を祝うライブ「5回目のひな誕祭」も開催。4期生の正源司陽子が表題曲初センターを務める11枚目のシングル表題曲「君はハニーデュー」の初披露や、アンダーグループ「ひなた坂46」の発足も発表され、グループ創設以来の変革を印象付けるライブになった。

【写真】横浜DeNAベイスターズのマスコットとパフォーマンスする日向坂46

■「齊藤京子卒業コンサート」にヒコロヒーが登場

5日に行われた「齊藤京子卒業コンサート」には、バラエティー番組「キョコロヒー」で齊藤と共演するヒコロヒーがサプライズゲストとして登場。番組発のふたりのデビュー曲「After you!」を披露した。さらに、後輩たちの期別曲に齊藤が参加したり、けやき坂46時代に歌っていた欅坂46の楽曲をパフォーマンスしたりと、一夜だけのスペシャルなライブとなった。アンコールでは、真っ白なドレスに身を包んだ齊藤京子が、卒業スピーチを行った。

「もう、これで、本当に最後です。アイドル、とっても楽しかったです。私にとってアイドルは、心から天職でした。人生の中でアイドルになれたことは、私にとって一番の誇りです。かけがえのない思い出です。みなさんに出会えて、心から幸せです。今まで本当に本当にありがとうございました」とファンにメッセージを送った。

■「Am I ready?」では、横浜DeNAベイスターズのマスコットが登場

7日に行われた「5回目のひな誕祭」は、ファンとのコールの掛け合いが楽しい楽曲「HEY!OHISAMA!」でスタート。続く「キツネ」では、特効の火柱が会場を熱くするとともに、間奏でメンバーたちが激しいダンスパフォーマンスを披露。そしてグループのモットーをタイトルにしたけやき坂46時代の楽曲「ハッピーオーラ」を歌唱した。

一旦ステージにメンバーが集合してあいさつを終えると、キャプテンの佐々木久美が「伝説のライブにするぞー!」と盛り上げ、「アザトカワイイ」「Am I ready?」をパフォーマンス。キュートなアイドル性で会場を魅了した。「Am I ready?」では、横浜DeNAベイスターズのマスコット、DB.スターマンDB.キララも登場し、サビのうさ耳ダンスを一緒に踊ってステージを盛り上げた。

■富田鈴花「毎年リニューアルアップしたい」

そしてMCへ。富田鈴花が「C&R」(=コール&レスポンス)と称して、「Say横浜!SayひなたSay中華!Say小籠包!Say焼売!Sayパンダ!」と、横浜の名物を列挙する場面も。さらに、ひな誕祭の演出が2023年より進化していることに触れ、「毎年リニューアルアップしたい」と独特な表現をして会場を和ませた。

期別局のブロックでは、4期生が「シーラカンス」、3期生が「青春ポップコーン」、1期生が「愛はこっちのものだ」を披露。最後は、メインステージで2期生がけやき坂46時代の楽曲「未熟な怒り」を歌い上げ、ちょうど日が落ちたタイミングの横浜スタジアムを、けやき坂46のイメージカラーである緑のペンライトが覆った。

さらに3期生のMCを挟んで、ラメ入りのガーリーな衣装に身を包んだメンバーたちが大きなフロートに乗って登場。アリーナ外周を一周しながら、「声の足跡」「思いがけないダブルレインボー」を歌唱した。

■”なおみく”コンビが「See Through」を披露

続くMCでは、ファンが本当に盛り上がっているか靴を飛ばして占いたいと河田陽菜が提案。大きく蹴り上げた靴は、ステージ端から1cmのところでギリギリ止まったが、表でも裏でもなく横を向いているという「微妙なところ」という結果に。ここで、ファンの助けを借りて、これから1年間使用する「Overture」のボーカルトラックを収録することに。ファンは盛大な声で応え、微妙ではなく大盛りあがりしていることを証明した。

そして、4期生の平岡海月と山下葉留花による、横浜スタジアムのアナウンス室からのMCを挟んで、ファンのリクエスト投票によって決まったユニット楽曲のコーナーへ。

まず、佐々木美玲・濱岸ひよりが「三輪車に乗りたい」を、加藤史帆上村ひなの・小西夏菜実が「やさしさが邪魔をする」を披露。そして「See Through」は、”なおみく”コンビとして知られる2期生の金村美玖小坂菜緒が、それぞれ黒一色、白一色の衣装を着て、息の合ったパフォーマンスを見せた。続いて、富田鈴花と松田好花によるユニット”花ちゃんズ”が「飛行機雲ができる理由」をアコースティックギター弾き語りした。

■ライブ定番曲がエレクトロニカ調のリミックスバージョンに進化

その後の全体曲のブロックでは、卒業したばかりの齊藤京子のセンター曲「月と星が踊るMidnight」を4期生がパフォーマンス。センターの小西はじめ、気迫のこもった表情で先輩の意志を継承した。続いて、先輩たちが夏を先取りするようなアゲ曲「ドレミソラシド」を歌唱。さらに、丹生明里の「ハマスター、もっともっと声出していくよー!」というアオリから、「恋は逃げ足が早い」へ。再び4期生が「見たことない魔物」をパフォーマンスし、ラスサビ前にはセンターの藤嶌果歩が「おひさま(日向坂46のファンの愛称)、大好きー!」と元気よく叫んだ。

そして、グループの全員で「好きということは…」を歌唱。さらに、森本茉莉の掛け声から今回の「ひな誕祭」からエレクトロニカ調のリミックスバージョンになった「NO WAR in the future 2020」へ。また、間奏のダンストラック後には金村美玖が「騒げー!」と珍しく絶叫し、会場を熱狂させていた。

■正源司陽子がセンターの新曲「君はハニーデュー」をひな誕祭で初披露

ここで、これまでの日向坂46の活動の中で訪れた、数々の「初めて」や仲間との「別れ」を振り返るVTRがスタート。そして「さあ、みんなで、一緒に踏み出そう」という言葉とともに、メインステージに正源司が登場。5月8日(水)に発売される新曲「君はハニーデュー」をパフォーマンスし、アップテンポの明るい曲調と、全身を弾ませるメンバーたちのダンスが、6年目に向かうグループの若返りを印象付けた。

そのまま本編が終了し、アンコールを受けて再びステージに登場したメンバーたちは、まずはMCに。新曲のセンターを務めた正源司は「自分では満足げなんですけどみなさんどうでした!」と笑顔でファンに感想を求めた。

また、日向坂46はこの11thシングルから選抜制を導入。表題曲に参加しないメンバーたちによるアンダーグループの名称が、「ひなた坂46」に決定したことと、パシフィコ横浜でライブを行なうことが決定。さらに、日向坂46と縁が深い”日本のひなた宮崎県で「ひなたフェス2024」を行なうことも発表された。日向坂46にとって初めての試みとなるライブの発表が続き、ファンは大きな拍手と歓声を送った。

■佐々木久美「今の日向坂46にもう迷いはありません」

アンコール1曲目は、グループのライブ定番曲「誰よりも高く跳べ!2020」を披露。佐々木久美の「おひさまー、跳べー!」というアオリで、会場中が大ジャンプを見せた。そして日向坂46のライブには欠かせない「JOYFUL LOVE」へ。ファンのサイリウムが作る「虹」に包まれ、メンバーたちが優しく歌い上げる中、各期の代表がスピーチを行った。

最後にマイクを取った佐々木久美は、「日向坂46はたくさんの夢を持っています。個人の夢だったり、グループの夢だったり。自分たちには大きすぎる夢も持っています。夢を持つことはときには無理だって言われたり笑われたり、そんなときもあるかもしれません。でも私たちは自分たちのことを信じています。そしておひさまのみなさんも、私たちのことを信じてくれてるんだなって、いつも感じています。だから、夢を見続けられます。今の日向坂46にもう迷いはありません。みんなで、手をつないで、横一列になって、これからもずっと、歩き続けていきます。そして、おひさまのみなさんと一緒に、大きな夢をたくさんたくさん、^かなえていきたいです。そんな未来が、絶対に待っていると信じて、日向坂46は歩き続けていきます」と語り、メンバーたちはステージを後にした。

この日はダブルアンコールが発生。最後に東京ドームへの思いが込められた「約束の卵2020」を歌唱し、2022年以来の東京ドームへの進出という目標に向け、6年目を邁進していくことをファンに誓った周年ライブとなった。

日向坂46「5回目のひな誕祭」DAY2<セットリスト

M01 HEY!OHISAMA!

M02 キツネ

M03 ハッピーオーラ

M04 アザトカワイ

M05 Am I ready?

M07 シーラカンス

M08 青春ポップコーン

M09 愛はこっちのものだ

M10 未熟な怒り

M11 声の足跡

M12 思いがけないダブルレインボー

M13 僕なんか

M14 君は0から1になれ

M15 三輪車に乗りたい

M16 やさしさが邪魔をする

M17 See Through

M18 飛行機雲ができる理由

M19 月と星が踊るMidnight

M20 キュン

M21 恋は逃げ足が早い

M22 見たことない魔物

M23 好きということは…

M24 NO WAR in the future 2020

M25 君はハニーデュー

EN1 誰よりも高く跳べ!2020

EN2 JOYFUL LOVE

WEN 約束の卵2020

日向坂46・齊藤京子卒業コンサートが横浜アリーナで開催/撮影:上山陽介