カプコンのアクションRPG「ドラゴンズドグマ 2」が2024年3月22日に発売された。プレイヤーは選ばれし「覚者」となり、忠実な従者「ポーン」たちとともに剣と魔法の異世界を冒険していく。

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ドラゴンズドグマ 2」の大きな特徴の一つは、正統派のハイファンタジー世界を舞台としていることだ。近年のファンタジーは銃を始めとする機械や古代のオーバーテクノロジーなど、さまざまな要素が加えられたものが一般的になりつつある。

しかし「ドラゴンズドグマ 2」はそうしたアレンジのない、正統派のハイファンタジー作品だ。世界にはドラゴンをはじめ、ゴブリンリザードマン、グリフィンといった魔物たちが闊歩する。そこに住む人間たちは中世ヨーロッパ的な身分制度のもと、民は虐げられつつも逞しく生き、貴族たちは権謀術数に明け暮れている。荒々しく汚れていて、理想郷というにはほど遠いが、それゆえに事件と冒険があふれている世界なのだ。

  

 

  

そして「ドラゴンズドグマ 2」はポーンとともに思い出を紡いでいくゲームである。

ポーンはさまざまな平行世界(他のプレイヤーが冒険している本作の世界)を渡り歩く、不思議な者たちだ。覚者には絶対服従し、陰日向に冒険を助けてくれるのだ。

ずっと冒険をともにするのが「メインポーン」で、ゲーム開始時に容姿や性格を自由に設定できる。魔物を倒して経験値を得ればレベルが上がっていくし、通訳や治療といった特技を学ばせてより役立つように育てていけるのが魅力だ。

そして、他のプレイヤーが作ったポーンをネット越しに借りられるのが「サポートポーン」。こちらはメインポーンのように成長することはないし、容姿や性格は持ち主が決めたものになる。世界のあちこちにある「リムストーン」は、サポートポーンたちが集まる異世界に繋がっている。世界中のプレイヤーたちが頭を絞って作り上げた、理想のポーンの博覧会のようだ。美少女がいれば筋骨隆々の大男もいるし、ライオンヒョウのような頭をした獣人だって珍しくない。見ているだけで創作意欲が掻き立てられるはず。

3月末のアップデートでは、覚者やポーンの容姿を変えられるアイテムの在庫数が大幅に増えているので、借りたサポートポーンを参考にイメチェンを繰り返すのも悪くない。

  

 

ポーンたちはAIで制御されており、性格によって振る舞いが変化。あちらこちらで採取する者がいれば、回復や支援を重視する者や敵に突っ込んでいく者もいるなど、まるで本当に生きているかのよう。先に書いた通り、ポーンの容姿はかなり細かく設定できるため、同じポーンは一人としていないといっても過言ではない。サポートポーンが平行世界で冒険した知識を持っていれば、クエストの道案内も頼める。まるで友だちのようにも思えてくるのだ。

冒険にはハプニングも多く、その度にポーンたちとの思い出が増えていく。筆者のエピソードだが、平和な旅をしていたはずが巨大なドレイクに襲われ、倒された仲間2人の身体を自分とサポートポーンで担いで命からがら逃げ出した事件は忘れようにも忘れられない。またある時は、グリフィンに掴まったらそのまま巣にさらわれてしまった。ポーンもいないので絶望していたら、どこからか助けに来てくれて心の底から安堵した、なんてこともあった。

 

 

なおサポートポーンは成長することはなく、いつかお別れしなければならない。評価したうえでお土産のアイテムを持たせてもとの場所に帰せるので、もともとの持ち主と間接的にコミュニケーションを取ることができる。サポートポーンとのお別れは、ゲームでの出来事とはいえど、いつも寂しい気分にさせられ、「お世話になりました」と画面の前で呟いてしまったりする。

自分で作ったメインポーンもいつの間にか誰かに借りられていて、お土産を持って帰ってきたり、旅先での思い出を話したりしてくれる。借りてもらった回数が多いほど報酬も増えるので「自分ならどんなポーンを借りたくなるか」を念頭にジョブ(職業)やスキルを構成してみるのも楽しい。「ドラゴンズドグマ 2」は一人用のゲームだが、いろいろな形で他のプレイヤーと繋がりあえるのだ。

 

ちなみにポーンの中には公式が制作した「公式ポーン」が混じっている。バレーボール男子日本代表チームの石川祐希選手、タレントの狩野英孝さんにゴー☆ジャスさん、声優の安元洋貴さんやバーチャルYouTuber壱百満天原サロメさんなど、有名人をモチーフとしたポーンを借りられるのだ( https://www.dragonsdogma.com/2/ja-jp/officialpawn/ )。彼らと異世界を冒険するのも楽しいはずだ。

  

バレーボール男子日本代表チームの石川祐希選手の公式ポーン

 

 

もう一つの見所となるのが魔物との激しい戦いである。

魔物は闇夜や岩陰に潜んでいるうえ、個々の能力も優れている。勝つためには操作テクニックはもちろん、地の利を活かす工夫も必要だ。工夫といっても、特別なことを覚える必要はない。この世界では物理法則に基づき、起こるべきことが起こるからだ。例えば、空を舞うハーピーにしがみつけば、自分の体重で地面に引きずり下ろせる。巨体のサイクロプスミノタウロスは、疲れた時がチャンス。攻撃が届かない背中によじ登れば突き刺し放題だし、足にしがみついて相撲のように押し倒してやるのもいい。グリフィンは羽毛に覆われているため炎が弱点で、翼を燃やせれば地面に墜落することもある。仲間が氷の魔法を使ったなら、残った氷塊を投げつけてやってもいい。こうした物理法則に基づく挙動は「ドラゴンズドグマ 2」の大きな特徴。剣と魔法に加え、知恵を使っていろいろと工夫してみよう。

 

 

 

ゲームが限りなく便利に、遊びやすくなっていく昨今だが、「ドラゴンズドグマ 2」には意図的にある種の不便さが残されている。

近年のオープンワールドゲームでは、一度訪れたところに瞬間移動できる「ファストトラベル」が当たり前だ。しかし、「ドラゴンズドグマ 2」の場合ファストトラベルには消耗品がいるし、瞬間移動先も限られている。拠点間の移動は牛の引く車が繋いでいるのだが、ちょいちょいモンスターに襲われてしまう。

そして、アイテムには重量があり、荷物が重すぎるとスタミナの消費も増える。こうした要素があるからこそ、突発的な事件も起こりやすくなるし、それに伴って思い出も積み重ねられていくということだ。早解きをするのではなく、週末にまとまった時間を取り、腰を据えてハプニングや不便も含めて楽しむのが「ドラゴンズドグマ 2」流。まるで週末キャンプのようなゲームといえるだろう。

ちなみに、このゲームではキャンプも重要な要素。鹿や牛を狩って肉を手に入れ、夜になったらこれを焼いて食べ、焚き火の後に一休みする。有名人の公式ポーンとともに、異世界冒険とキャンプを満喫してみるのも楽しいはずだ。

  

 

 

【タイトル情報】

■「ドラゴンズドグマ 2

・発売中

・対応ハード:PlayStation5Xbox Series X|S、Steam

・価格:

 パッケージ版 9,889円(税込) ※PlayStation5のみ発売

 ダウンロード版 8,990円(税込)

 ダウンロード版 デラックス エディション 9,990円(税込)

・ジャンル:オープンワールドアクション

・プレイ人数:1人

CERO レーティング:D(17才以上対象)

 

(C)CAPCOM


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