豪華客船

ノルウェークルーズ船に乗った8人の客が、アフリカの島に取り残されるというアクシデントが起こった。客らは最終的に、7ヶ国を渡りクルーズ船に合流することができたという。『News.com』『NBC』がレポートした。

 

■アフリカの島に取り残される

3月20日に、南アフリカのケープタウンを出発したノルウェークルーズ船「ノルウェージャン・ドーン」。その船に乗り、アフリカ沿岸を巡る21日間の航海に参加していた乗船客8人が、アフリカの島に取り残されてしまった。

27日の午後、同船がサントメ・プリンシペに寄港中に、8人はオプションには含まれていないプライベートツアーに参加していた。ところが出航時刻の午後3時になっても戻らず、船は8人を島に置いたまま出航。ツアーを先導していたオペレータークルーズ船と連絡を取り、地元の沿岸警備隊の援助で再合流を試みたそうだが、許可が得られず8人は島に取り残されてしまったようだ。

クルーズ会社によると、客が船に規則通り戻らなかったため、地元の港湾職員にパスポートを引き渡し、次の寄港地でビザを取得できるよう手配を行ったとのことだ。

 

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■悪天候でチャンスを逃す

4月1日、8人はクルーズ船の寄港地であるガンビアのバンジュール港から合流を試みた。ところが悪天候と潮汐制限のために船が安全に着岸できず、合流には至らなかった。

翌日の2日、8人はフェリーと陸路で隣国のセネガルに移動し、最終的に7ヶ国も渡り歩いたうえで、ダカールでやっと船に戻ることができたという。

クルーズ船の広報担当は、「取り残された乗船客の落胆は理解できますが、乗組員や乗船客の安全を最優先にした決断でした」と説明。また、「弊社の制御が及ばなかった出来事ではあるものの、8人の乗船客にバンジュールからダカールへの移動にかかった旅費を払います」と発表した。

 

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■乗船客らには移動中の苦労が…

取り残された乗船客8人の中で、アメリカ・サウスカロライナ州出身のキャンベル夫妻は、「サントメ・プリンシペの人々は非常に親切でした」と振り返る。

ほとんどの客は船に貴重品を置いたまま下船しており、同夫妻のみが現金やキャッシュカードなどを所持していたのだという。そのため移動にかかった宿泊費など7,500ドル(約113万円)は、キャンベル夫妻が支払っていたのだった。

夫妻は、複数の言語の問題やドルを受け取らない地域など、移動中の困難を経験したため「クルーズに戻るかどうかを迷った」という。また、「船舶は規則に従うべきだが、ホスピタリティ産業であることを忘れず、乗船客の安全と幸せも優先するべきだ」とメディアに語った。

クルーズ船の出航時間に遅れた乗船客8人が島に残される 7ヶ国を渡り歩いた末に合流