コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回はコミックDAYSにて連載中、『クラゲの骨は青』(講談社)から突然見えるようになってしまった女子高生が初デートで占い師にまさかの忠告をされ、衝撃的なホラー展開に導かれる話『ひかれてはいけない』をピックアップ。

【漫画】自分との約束を守り続ける彼を信じたい…最近“見える”ようになってしまった主人公、彼の正体にも怯えるがまさかの展開に「続きが気になる」と話題

作者の追本さんが12月25日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、2.2万件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・追本さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。

■どんなときも守ってくれる彼がそんなはず…所詮占い、そう信じた彼女の背景に潜んだ衝撃の事実とは

主人公・七海遥花(ななみ・はるか)は、踏切前でいきなり告白してきた隣の学校の工藤暁(くどう・あき)と出かけることになった。誰かと出かけるのが初めての遥花はどうしたらいいのかわからずにいた。デートなのだろうか…。告白されてからメッセージのやりとりを繰り返しているものの、工藤のことは知らないことだらけだ。

電車を降りて、お腹がすいたので何か食べようと話していたそのとき、遥花に近づく不気味な子どもがいた。目からは血が流れている。子どもは遥花に声をかけ続けるがクラクションの音で、遥花は我に返った。工藤が手をしっかり握ってくれ、どこか安心する遥花だった。

2人は水族館に行くことにする。工藤は子供の頃、病弱でずっと入院しており、水族館に来るのは初めてだという話をした。「初めてが七海さんとで嬉しい」そう彼はいった。もう病気は大丈夫なのか、という遥花の問いに工藤はすっかり元気だよ!と答えた。

そこで工藤が遥花の好きそうおみくじを見つける。そのおみくじの監修が、遥花がいつも見ている占い師・社ひとみ(やしろ・ひとみ)だった。ちょうどそこに出張占いに来ていたひとみが現れる。会えたことに感動する遥花の様子を見て、ひとみは「サービスする」と言い、遥花を占いの館に招き入れた。工藤の勧めもあり、見てもらうことになるが、工藤は「自分は外で待ってる」と部屋には入らなかった。

2人きりになったひとみと遥花。ひとみは「所詮占い。信じすぎない方が良い。大事な選択を選ぶのは自分自身」と話した。遥花の手相を見ながら、彼女の特性をどんどん当てていくひとみ。遥花は生命線がずいぶん短く、ひとみが「これじゃあ昔から怪我とか絶えなかったんじゃない?」と聞くと、小さい頃怪我で入院したことある話をした。ひとみは「でも、今が一番危険と隣り合わせだったりして」「最近あなたの周りで不思議なこと起きてない?」と言い始めた。遥花は最近自分の身に起きた数々の怪奇現象を思い出し、「今までそんなもの見えなかったのに」とひとみに話した。ひとみは「向こうの者からしたら生者の魂は羨ましいもの」という。特に若くてかわいくて空っぽで、とても入りやすそうな遥花は魅力的。目を付けられているそうだ。ひとみは続ける。「あなたが連れているアレには気をつけなさい」「あんなに自由にしてるのは私も初めて見た、手放すことをお勧めする」そう遥花に忠告した。

占いの館から出てきた遥花は工藤の言葉に聞く耳も持たずふらふらとあてもなく歩き始めた。工藤はそんな遥花を見て、追いかけ手を掴んだ。何かに怯え、倒れ込む遥花。工藤は遥花に手を差し伸べて「ごめんね、近くにいたのに君を守れなかったから怖い思いをしたんだよね」と言った。その言葉を聞いて遥花は工藤がずっと自分との約束を守ってくれていることに気付き、ひとみに言われたことはただの占いと思った。「工藤くんのこと好きになれたらもっと嬉しい」と彼に伝えた。

電車で、2人で仲良く並んで座る帰路。工藤はブツブツと何かをつぶやいていた。工藤もひとみと何かを話したみたいだ。遥花が連れているアレとはなんだったのか。工藤とひとみは何を話していたのか。最後に工藤は何をつぶやいていたのか――。

その衝撃の展開に読者は「ゾッとした」「全然展開が読めない」とコメントが寄せられている。「ホラー苦手だけどこれはつい続きが気になって読んでしまう」「とても好きな世界観」と作者・追本さんが創り出す世界にハマってしまう読者が続出している。

■「続きが気になる」ホラーが苦手な読者までも虜にしてしまうストーリーの作者・追本さんに制作についてインタビュー

――『ひかれてはいけない(クラゲの骨は青)』のお話を描こうと思ったきっかけや理由があればお聞かせください。

連載企画を立てる時、折角なら私の好きなものを描こうと思いました。初めに好きなものを箇条書きした時出てきたのが「ホラー映画」とか「夏」とか「ティーンエージャーの恋愛」などで全部まとめてできた作品が「クラゲの骨は青」です。

――「ホラーは苦手だけど読んでしまう」「続きが気になるけど怖い」と話題の本作ですが、こだわった点などがあればお聞かせください。

ホラーの演出や作画は初めての試みだったので「怖い」という感想が実は一番嬉しかったりします。こだわってる点もやはりホラー演出だと思います…。どうやったら怖い画になるのか、毎度試行錯誤しながら描いてます。

――本作の中で、特に思い入れのあるシーンやセリフがあればお聞かせください。

1話ラストの「人に優しくするのは私が優しくしてもらいたいだけ」というセリフです。私自身何か親切にする時どこかそういう心があって、下心だなあ…と思うことがあります。作品を通して許されたかったのかもしれません。

――普段作品のネタ(ストーリー)はどのようなところから着想を得ているのでしょうか?

ストーリー面とは少し違ますが、演出面の参考にホラー映画を沢山見ました。普段は洋ホラーばかり見ていたのですが、やっぱり霊障や霊自体のデザイン、シチュエーションなど邦ホラーの方が我々日本人には馴染みがあって純粋に「怖い」に繋がるなと気付きがありました。

――追本さんの今後の展望や目標をお聞かせください。

実は時々、友人と自身の作品のキャラクターに声がついたら…人間が演じたら…と妄想して遊んだりしてます。私の手の離れたところで命が吹き込まれるところを見てみたいです。

――最後に作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。

いつも作品を読んでくださりありがとうございます。頂いたコメントやお手紙など、何度も読み返しては励みにしています。4月には3巻も発売され物語はいよいよクライマックスに突入しました。どうぞ最後までお付き合い頂けますと幸いです。

「あなたが連れているアレには気をつけなさい」“見える”ようになってしまった主人公が初デートで言われた忠告の意味とは/(C)追本/講談社