テリー ウドちゃんはもちろんだけど、ずんの飯尾(和樹)さんとやすさんもそういう部分でウマが合ったのかな。

天野 どうなんですかね。4人ほぼ同期なんですよ。ウドちゃんが1年先輩で、飯尾君がその半年後に事務所に入って、その半年後が僕で、その半年後ぐらいがやすで。でも、ブレイクの時期が全然バラバラで、やすに至ってはまだブレイクしてないという(笑)。それもまた面白い状態なんですよ。

テリー 飯尾さんは今すごいもんね。

天野 そうですよ。「ブルーリボン賞 助演男優賞」受賞って。信じられないです、俺は。だから飯尾君もそういう意味では、ウドちゃんもですけど、他と比べられないというか。独自の要素があるなと思いますね。芸風が、ほんとに同じ時代を生きてきた人かなっていうぐらい懐かしさがある(笑)。

テリー おはぎとか、そういうね。

天野 おいなりさんとか(笑)。知らない間にそっとあったみたいな。

テリー おはぎって感性を問わないよね。俺は、テレビって感性を問わないものだと思ってるんですよ。

天野 どういうことですか。

テリー いや、例えば「これ今、フランスで流行っているスイーツです」とかっていうのは感性がいるんですよ。「青山で流行ってます」とかね。でも、おはぎがあるとホッとするというか。テレビって、俺はそういうのに近い気がする。

天野 なるほど。僕、今日はテリーさんとテレビの話がしたかったんですけど。今、テレビって「あれはダメ、これもダメ」っていうのが増えてて、そういうことに対してテリーさんは「窮屈だな」と思ったりしないんですか。

テリー 思わないです。

天野 あ、思わないんだ。やっぱり僕の好きな先輩方はあんまりそう言わないんですよ。それは自分たちのやることが変わらないからですか。

テリー いや、テレビは時代と共に生きてるじゃないですか。だから、これが今なんだと思うんです。

天野 じゃあ、「名門パープリン大学日本校」(編集部注:キャイ〜ンが出演し、テリーが演出したテレビ東京の番組)の時は、それをやれたのがテレビだし。

テリー そうそう。

天野 「時代の鏡」っていうのは、まさにそういうことですか。「今はこの窮屈の中で生きてるのがテレビだ」と。

テリー その中で楽しんでるんです、みんな。

天野 「お前こんな狭いところに行くの?」みたいなのを楽しむと。

テリー 楽しんでるでしょう?

天野 確かにお題を出せれたみたいな感じはあるかもしれないです。「この狭い中で何がやれるんだ?」って言われながらやってる。

テリー やってるよね。今、特にお笑いの人たちって話術が達者だから。お笑いIQとかお笑いの身体能力は昔の10倍ぐらい高いよね。

天野 競技としてのお笑いみたいな感じの感覚になってますよね。(M-1グランプリは)4分でどれぐらい笑いを入れるとか。

テリー すごいよね、そういう身体能力が。でも、そればかりだと飽きるでしょう。

天野 おはぎが食べたくなる。

テリー と思うんだよね。令和生まれの人たちがもっと増えてくると、また考え方が変わってくるだろうし。おはぎが主流になってくるかもしれない。

天野 おはぎブーム来ます? そう言えば、キャイ〜ンのポーズなんかは、ポーズを知らない世代が珍しがってるような感じになってるんですよ。今の子たちが昭和を面白がるというか、そんな流れはあんまり予想できなかったですけど、そういう感覚の子がまた増えてくることはあるのかもしれないですね。

ゲスト:キャイ~ン・天野ひろゆき(あまの・ひろゆき1970年愛知県生まれ。1991年、事務所の先輩だったウド鈴木と「キャイ~ン」結成。多くのバラエティー番組で活躍。「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」(日本テレビ系)の企画で、南原清隆ビビアン・スーと共に音楽ユニット「ブラックビスケッツ」を結成し、「STAMINA」や「Timing」などのヒット曲でNHK紅白歌合戦にも出場。現在のレギュラー番組は「うまいッ!」(NHK総合)、「プレミアの巣窟」(フジテレビ系)、「スイッチ!」(東海テレビ、木曜日コメンテーター)、「あまドラ~天野っちのドライブしよう!!~」(テレビ愛知)ほか。4月25日、キャイ~ンとずんの共著「作文集~ほぼ同じで、ぜんぜん違う」(小社刊)発売。

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