2024年4月6日(土)紀伊國屋ホールにて、オフィス3〇〇主催、高畑淳子と渡辺えりの二人芝居『さるすべり』が開幕。開幕を前に会見が行われ、2025年1月に本多劇場にて渡辺えり古稀記念連続公演『鯨よ!私の手に乗れ』、『りぼん』の上演が決定したことが合わせて発表となった。

2020年に初演された『さるすべり』は、恋、戦争、学生運動様々な混迷の時代を生きてきた姉妹のストーリーに『八月の鯨』を舞台で演じようと劇場に集合した二人の女優の諍いが交錯して、虚実入り混じったシュールな世界へと誘われる、劇場と演劇に恋した二人の女のストーリー。初演では、木野花・渡辺えりの2人がコロナ禍に生きる姉妹を演じ、示唆に富んだ内容ながらに高いエンタメ性で話題となったが、今回はさらに近年の社会問題も取り入れ、大幅に書き直しての上演となる。

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

今回の共演は高畑淳子。以前舞台で共演した際、同世代で観てきた芝居も一緒で、意気投合したのがきっかけで出演のオファーに至ったという。開幕前の会見では、「稽古中も話が盛り上がりすぎて、『静かにしてください!』と、何回も演出家に怒られてしまいました(笑)。今回の『さるすべり』では高畑さんの演技が本当に面白いです。ぜひご覧ください」と誘った。

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日


オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日


オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

オフィス300主催 舞台『さるすべり』撮影:加藤春日

80年代の小劇場ブームを牽引し、いまもエネルギーをそのままにひた走る渡辺えり。渡辺は寺山修司や唐十郎、蜷川幸雄といった戦後日本の演劇を築き上げた人々に大いに影響を受けながらも、確固としたオリジナリティをもった作品を上演してきた。渡辺の徹底的に手作りでやっかいなことにこだわるその演劇を、これから演劇の迷宮に突入していく若い人に、そしてこの後の世界を生きるすべての人に届けるべく、激動の昭和から現在まで力強く生きる女性たちの群像劇 『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』を2本連続で上演する。

2017年1月、2月公演版『鯨よ!私の手に乗れ』舞台写真

2017年1月、2月公演版『鯨よ!私の手に乗れ』舞台写真

古稀記念連続公演『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』について、「数字だけ見ると70歳ですが、内面は演劇に憧れて山形から上京してきた時のまんまです。成長はしていますが、考えていることや行おうとしていることなど、昔から変わらないです。来年1月5日の誕生日に70歳を迎える節目の年に、世界平和と男女のフェミニズムの問題を取り上げた二作品を連続上演しようと思いました。そして若い人とも一緒に演技を行いたいと思い、今回若手オーディションを行うことになりました」とコメント。公演は全編・生演奏を予定しているといい、「来年の公演ですので、今から役者の方にも、新たに楽器を練習していただこうと思っています」と構想を明かした。

2007年12月公演版『りぼん』舞台写真

2007年12月公演版『りぼん』舞台写真

「これからはシニア世代が活躍していく時代、これから新しいことを始めようとする方もたくさんいるでしょう。同世代の方に元気を与えられるような、そしてお客さまと私とで、支え合いながら一緒に頑張っていきたいというメッセージを届けたいです。これから演劇を始めたいと思っていたり、今生きづらいと悩みを持っている若い方々にもぜひ観にきてほしいです」(渡辺えり)

台『さるすべり』開幕会見&古稀記念連続公演『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』製作発表会見