不動産投資を始める第一歩になるのが、「よい不動産」を見つけること。しかし、どのような点を重視して見つければ初心者にはなかなか難しいもの。そこで本記事では、浅井佐知子不動産鑑定事務所代表の浅井佐知子氏による著書『0からわかる! 不動産投資超入門』(ソシム)から一部抜粋し、よい不動産を見極めるポイントを種類ごとに詳しく解説します。

登場人物

浅井佐知子先生…不動産鑑定士で不動産投資コンサルタントをしている、不動産のスペシャリスト。初心者にもわかりやすく、不動産投資について解説!(以下、浅井)

山田さん・会社員(30代)…株をやっているが仕事が忙しく、株価のチェックがおっくうに。不動産投資をはじめて、趣味に使うお金がほしいと考えている。(以下、山田)

鈴木さん・会社員(30代)…浅井先生の本を読んで、不動産投資に興味を持った。貯金が貯まってきたので、将来のために副収入がほしいと考えている。(以下、鈴木)

区分マンションは「単身者が住みやすい物件」を選ぶ

鈴木:物件を選ぶときは、何に注目すればいいですか?

浅井:資産を増やすためには、まず利回りに注目しましょう。区分マンションの場合は、実質利回りで8~10%以上の物件を狙います。

山田:間取りや地域は、どんなことに注意するとよいですか?

浅井:区分マンションは、単身者向けの物件を選びます。1人でも住みやすいように、便利な地域にあることが大切です。

鈴木:都心の区分マンションがいいってよく聞きます。栄えていて、単身者も住みやすいし、よい物件ということですか?

浅井:都心の区分マンションは利回りが低い物件が多いので、要注意です。利回りが高い郊外の区分マンションを検討するとよいでしょう。また、区分マンションでは管理をおまかせするので、管理形態全部委託になっている物件を選んでくださいね。

戸建ては「ファミリーが住むこと」を前提に探す

浅井:戸建ては、ファミリー向けの間取り、地域かどうかが大切です。徒歩圏内に小学校があるとよいでしょう。また、駐車場があることも大切です。

山田:車を移動手段にするなら、駅からの距離は関係ありませんか?

浅井:スーパーなどが近くにあり、買い物がしやすい地域で駐車場があれば、あまり考慮はしません。広さがほしいので、間取りは2階建てで建物面積が60㎡以上ある物件にします。また、和室よりも洋室が多い物件を選びましょう。

鈴木:近所にボロボロの空き家を見かけます。古い物件を買ってもいいんですか?

浅井:あまりにもボロボロの物件だと、リフォーム費用が高く、利回りが低くなります。空室期間が1年以内の物件にしましょう。利回りは、物件価格にリフォーム費用を足して、表面利回りで13%以上を目指します。

アパートのポイントは「運営のしやすさ」

浅井:アパートの場合、単身者向けのものとファミリー向けのものがあります。空室になりにくく、購入後の運営が楽なので、ファミリー向けのものがおすすめです。

鈴木:ファミリー向けということは、探すときのポイントは戸建てと同じですか?

浅井:アパートでは、玄関のすぐそばにキッチンがある間取りは避け、和室がない物件を選びましょう。接道(せつどう)状況も確認します。地域などのポイントは戸建てと同じです。また、アパートはローンを組むことが多いので、都市計画区域用途地域建ぺい率容積率も確認して、ローンが組みやすい物件を選びましょう。

山田:アパートの場合は、利回りが12%以上のものを選ぶんですよね!

浅井:表面利回りで12%以上を目指します。また、現状も確認して、なるべく空室が少ない物件を選びましょう。

イラスト ©長野美里

浅井佐知子

不動産鑑定士/不動産投資コンサルタント

※本記事は『0からわかる! 不動産投資超入門』(ソシム)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。

(※写真はイメージです/PIXTA)