じゃい

あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。

【今週のお悩み・第100回】以前、お盆の時期などに「混んでる高速を使う」のか、あるいは「一般道を使う」のか比べる番組が放送されていました。結局よくわからないまま決着がつかないのですが、このようなことって人生でも多くあるような気がします。

たとえば、「高校を優秀な成績で卒業して働く」のと、あるいは「底辺でもいいから大学に進学してから就職する」なら、どちらがいいのでしょう。

勝ち負けを誰も決められない勝負は、結局最後になって判断するしかないのでしょうか。上の例だと生涯年収など?

私は会社をやめて独立しましたが。今はそれなりに食えていますが、やはり生活は不安定で、会社に所属していたほうが安心だった気もします。

決着が簡単に決められないような勝負事は、どうやって事前に有利か不利を見極めればいいのでしょう。じゃいさんならではの視点が知りたいです。(40代・男性・自営業)

【画像】じゃいの今週のギャンブル格言

 * * *

阪神ジュベナイルフィリーズのワンツーがツーワンになった桜花賞。やはり強いものは強い。コース適性というのも確実に存在するということが証明されたレースでした。

牝馬二冠目のオークスは、コースも距離も違いますから、さすがにこの2頭で決まることはなさそうだけど、そんなドラマが起こり得るのも競馬。まあ確実に人気になるでしょうから、私は違う馬から狙うと思います。

それでは質問に参りましょう!

人生は選択の連続です。今回の質問のような人生を左右しそうな選択から、朝食を和食にしようか洋食にしようか?といった、今後の人生に大きな影響が無さそうな選択まで。

そもそも選択は2択とは限りません。

今日は休みだから何をしよう? 買い物? 読書? ゲーム? そうだ映画を観よう! 何の映画を観よう? サスペンス? ホラー? アニメ? どの映画館にしよう? どの席にしよう? 何時の回にしよう? ポップコーンの味は塩? キャラメル? 醤油バター? サワークリームオニオン

人は生きているだけで選択肢が与えられ、それを選択し、その結果その人の人生が形成されていきます。

風が吹けば桶屋が儲かるとか、バタフライエフェクトという言葉があるように、一つの事象、選択によりその後の世界は全く変わっていくでしょう。

世界の80億人がそれぞれの選択をしていくということを考えたら、今の世界はそれぞれの選択で選ばれたほぼ∞分の1の世界なんでしょう。

あの時こうしていたら? 違う方を選んでいたら?

そんなことを考えることってよくありますよね。その昔、劇団ひとりさんとそんな話をしたことがあります。

死んだ後に神様がその答え合わせをしてくれたらどうなるんだろうと。

「君はあの時こっちを選んでたら大金持ちになってたよ」

「この子との結婚を選んだのか? あの子ならこんな未来だったのに」

「うん、これはこっちで正解だった」

みたいな。

今週のギャンブル格言【正解の道を選んでいるのではない。選んだ道が正解なんだ】
今週のギャンブル格言【正解の道を選んでいるのではない。選んだ道が正解なんだ】

そんなことを考えたりするのは、それはそれで楽しかったりします。

けれど、なんだかんだいっても、

「1つの道しか選べない」ですし、「答え合わせも出来ない」。

つまり、違う選択をしていたらどうだったか、なんて誰にもわからないんです。

だったら、

「自分が選んだ選択が1番の正解」

これでいいと思うべきでしょう。

人間は失敗をします。だから、後悔や反省もする。

「なんであんなことしちゃったんだろう?」

「なんであんなこと言っちゃったんだろう?」

「なんであんな選択をしちゃったんだろう?」

ある選択をしたせいで、恥をかいたり、人を傷つけたり怒らせたり、嫌な思いをしたり、黒歴史になったりあるでしょう。

でも、そんなものは多かれ少なかれ誰にでもあるんですよね。どんな選択をしたってどんな人生を選んだって、拭いきれないものが必ず人生には残されています。そして、それらの失敗があるから、成功を心からうれしいと感じられる。

会社を辞めて独立したということですが、きっとその時は色々考え、迷った末に決断されたのだと思います。

決断したら突き進むのみでしょうね。後は振り返らないほうがいいです。自分の決断に自信を持って、それが正解だったと思い続ければいいのです。

なんとなくの決断なら後悔もあるかもしれません。でも、覚悟を決めて決断したら後悔なんてしないのではないでしょうか。

競馬予想でも、どっちの馬にしようかという選択の連続です。2頭まで絞って、どっちを本命にしようか?と悩んだりします。

馬券のいいところは、人生と違って答え合わせができることです。だから楽しいのでしょう。

自分の選択が合っていたか間違っていたか、すぐに答えがでる。もちろん、切った方が来てしまったなんてことは日常茶飯事です。

その時に、自分に問います。この決断は覚悟の上でしたものか。覚悟があったと言い切れるのなら、馬券が外れても後悔はしませんね。ちょっとだけしか。

☆じゃいさんに相談したい悩み事を募集します! ペンネーム・性別、相談に必要な情報(年齢や職業など)があればそれも明記し、以下アドレスまで相談内容をメールでお送りください。じゃいさんが「ギャンブル的思考」でアドバイスします!

【jay_sodan@shueisha.co.jp】まで!

じゃい
1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には9370万円の馬券を的中させたことも。『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(KADOKAWA)など著書も多数。

構成・撮影/キンマサタカ

選択に迷った時は?