4月8日第1話の放送を迎えたテレビ東京開局60周年連続ドラマ「95」(毎週月曜夜11:06-11:55、テレ東系)。ノスタルジック1995年当時の若者が持つ熱を丁寧に描いた第1話は、「終わりの始まり」に気づいた主人公たちが出会うところから始まった。SNSでは早くも「世界観すごい」「見応えあるドラマになりそう」など、今後の変化に期待する声が集まっている。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】絶妙に埋もれるモサッとした“Q”を完璧に演じる高橋海人

■「95」とは

原作は、「イノセント・デイズ」で第68回日本推理作家協会賞を受賞した早見和真氏が、受賞後第1作目として最大級の熱量で綴った最強青春小説。大人の作った社会の仕組みにあらがい、大切なものを守りながら、1995年の渋谷をがむしゃらに駆け抜けた高校生たちの熱い物語。テレ東ドラマ初出演・初主演の高橋海人(King & Prince)が、主人公・広重秋久(通称:Q[キュー])を演じる。

また、黙っていても人を引きつけるカリスマ性があり、Qをチームに誘い入れる鈴木翔太郎(通称:翔)を中川大志が演じ、翔と幼なじみでQが思いを寄せることになる岸セイラに松本穂香。明るくムードメーカー的存在の丸山浩一(通称:マルコ)を細田佳央太、暴力団幹部の息子で翔やセイラと幼なじみの堺怜王(通称:レオ)を犬飼貴丈、レオと同じく翔・セイラと幼なじみでけんかが強い新川道永(通称:ドヨン)を関口メンディーと勢いと話題性のある俳優陣が結集した。

■「やるべきことは、時代の先頭に立つこと」翔太郎のカリスマ性が光る

地下鉄サリン事件が起き、人が突然に死ぬと思い知らされたあと。Qはモヤモヤした気持ちを抱えて向かった事件の現場で翔と出会う。そこでなぜか妙に気に入られたQは、翌日家にかかってきたマルコの電話で喫茶店に呼び出される。

電話口には翔が出て、改めて「ビビってるうちにいろんなモンが通り過ぎてくからさ。覚悟を決めろよな…Qちゃん」とQを誘う。これまで品行方正に過ごしてきたQだが、日常を変える大事件が起きてからは行動に衝動性が増した。電話を受けて、文字通り駆けだしたのだ。

たどりついた喫茶店メケメケ」で待っていたのは、翔をはじめマルコ、レオ、ドヨンとセイラを含めた女の子3人。「秘密基地へようこそ!」と翔が言うと、マルコが歓迎ムードを盛り上げる。

「なんでQって呼ばれてるの?」「もしも嫌ならその名前は絶対に使わない」といった挨拶(あいさつ)のあと、話は本題へ。「お前を呼んだのは他でもない。俺たちは今、5人目の仲間を探してるんだよ」「俺たちのチームへ入れ」と、グイグイ話を進める翔。口にしていたタバコを差し出し、「受け取れ。世界が終わる前に、やるべきことをやるんだよ…Q」と告げた。

しかしQは、「チームってなに? やるべきことってなに? あと…なんで俺?」と湧き出る疑問から翔が差し出す手をそっと押さえる。乗り気でないQの様子に、翔は「なんで昨日、あの場所にいた? 今日、なんでここにいる? 気づいたからだろ? 時代の変わり目に…“世界の終わりの始まり”だって! …それが君に決めた理由」と熱い眼差しのまま語り続けた。そして返事も聞かぬまま、チームの目標を語る。

■翔から1対1での勝負を申し込まれたQ

「やるべきことは、時代の先頭に立つこと」1999年に世界が終わるという“ノストラダムスの大予言”を念頭に、終わったあとの世界を生き抜くと決意している翔。これまでの文化や因習、自分たちをはばむ“ダサいもの”を壊し、「カッコいいオトナ」になるためにいまを全力で生きるのが翔のチームだという。

だがQがチームに対して覚える違和感は拭えない。「人が死んでるんですけど!」「今を生きるとか、カッコいいオトナになるとかその前に、悲しもうよ! 関係ないことにすんなって!」と普段からは考えられない大声で一喝すると、さらに「僕は自分だけが生き残ろうなんて思ってないし、全部壊すなんてただ迷惑だし…わかんないなあ、君の言ってることが」と締めくくった。

明確に拒否をぶつけられた翔は、むしろ笑顔を浮かべて「いいじゃん」と言い放つ。しかし拍手をしつつ続いた言葉は、「じゃあQは一生その感じで行くんだな!? ぼんやりと大人になって、ぼんやりと世界の終わりを迎えて、ぼんやりと死んで満足なんだな?」という挑発的なもの。

そして身体を前のめりにさせて言うのだ。「勝負しようぜ、Q。俺かお前か、どっちの言ってることが正しいかハッキリさせよう」。1対1での勝負を申し込まれたQ。「言ったろ? “覚悟を決めろ”って」楽しげに笑う翔に、Qは困り果てた顔で言葉を詰まらせてしまうのだった。

若者の熱、1995年当時の文化をぎっちり詰め込んだ第1話には、「初回からこれからなにが起きるのってワクワク感が強い」「カッコいいオトナになりたいって、自分達がまだ子どもだって強く認識してるから出る言葉だよね。子どもと大人の狭間…青春だなあ」「当時のこと思い出した。世界観の作り込みがすごすぎる」といった声が集まっている。

※高橋海人の「高」は正式には「はしごだか」

中川大志“翔”と出会う高橋海人“Q”…物語が動き出す/(C)「95」製作委員会