4月7日、7人組男女ダンス&ボーカルグループ・GENICが豊洲PITにて『GENIC LIVE TOUR 2024 N_G』の最終公演を行った。

昨年、自身最大規模となるLINE CUBE SHIBUYAでのライブを経て、新たなステージに向かおうとしているGENIC。そんな彼らが掲げた今回のツアーのテーマは「#N_G」。「GENICは本当に必要なのか?」という問いかけも持つこのテーマをどのような答えを出したのか――。最終公演の模様をレポートする。

感謝を込めて、熱いパフォーマンス

sold outとなっていた最終公演。会場は満員のGENImin(GENICファンネーム)で埋め尽くされていた。定刻を過ぎると次第にワクワクは膨らみ、BGMで流れている「New Game!!」に合わせてコールも上がる。

待ち侘びた瞬間。暗転し、「3rd Overture」にのせてオープニング映像が流れる。
7人の姿がステージ上部に現れると、満ちた期待が弾けたような歓声が上がる。そんな中でまず披露したのは「I’ll Be There」。今回のツアーはアルバム「N_G」が中心のセットリストとなっており、メンバーがそれぞれセルフプロデュースした楽曲が含まれている。
まずは雨宮翔が振り付けも担当したセルフプロデュース楽曲「Hallelujah」を披露し、冒頭からのクールなGENICを見せていく。

会場を煽り「Flavor」へ。増子敦貴から宇井優良梨、金谷鞠杏がハーモニーを繋いでいく。ダンスはもちろん、キレのある歌声を響かせる中、雨宮や西澤呈がかけていたサングラスを外すと思わず会場のあちこちから声が漏れた。
「TALK」ではメンバーもキュートな笑顔をのぞかせながら、会場も一緒になって体を動かしていく。さらにダンサブルな「Shaky Shaky」でテンションを上げたところでこの日、最初のMCへ。

西本茉生が嬉しそうに「豊洲ー!来たぜファイナル!」と言うとGENIminからも同じぐらい明るい声が弾ける。
ファイナル公演がソールドアウトしたこと、その感謝を伝えるとメンバーそれぞれが嬉しそうに表情を綻ばせた。

そして「3,000人の前で自己紹介していいですか!?」と言い、改めてご挨拶。
喜びを全身で現すかのようにステージ上を縦横無尽に駆け回る西澤と雨宮。「豊洲PITをまっぷたつにします」と言い、メンバーから「どういうこと!?」とツッコまれる小池竜暉(みんなの歓声で豊洲を割る、と言いたかったようだ)。西本茉生は「3,000人のまいたん、もらっていいですか?」とおねだり。大きなコールを受けて満足そうに笑みを浮かべた。「今日はどっぷりと『N_G』の世界に浸って帰っていただければと思います」と言う西本から言葉を引き継ぎ、金谷が「みなさんに寄り添える曲」として紹介したのは「サヨナラの理由」。

ピンスポットが当たり、増子、金谷と歌声を紡いでいく。金谷が言っていたように、ハーモニーが心に寄り添うように響いていく。さらに世界観を際立たせていくような振り付けが印象的だ。歌詞に沿うようなそれぞれの表情に釘付けになっていたところで、増子セルフプロデュースの「恋愛(こいあい)」へ。作詞も増子が担当している「恋愛」。増子と宇井、男性ボーカルと女性ボーカルの掛け合いがより想いを募らせる。ラスト、増子と宇井が見つめ合うようにして曲が終わったが、ラスト、増子が照れたようにはにかんだのもまたよかった。

ここからメンバーセルフプロデュース曲が続いていく。

宇井セルフプロデュースの「きみといた」。作詞も宇井自身が担当しており、別れを感じさせる楽曲だ。しかし、夕暮れの海辺をバックにした歌唱はどこか優しさを感じさせる。それぞれの感情のこもった表情がさらに歌にストーリー性を持たせていく。

続いては金谷セルフプロデュースの「Checkmate」。まず靴音が響き、登場した金谷の強い視線が会場を射抜く。どこか挑戦的な歌詞が先ほどまでとはガラリと空気を変えていく。クールさが際立つが、その中にもがむしゃらに前に進んでいくような強さもあり、自然と音楽に体がノッていく。そして西澤セルフプロデュースの「GradatioN」へ。こちらはDa-iCEの工藤大輝との共作だ。洗練されたメロディに透明感あるハーモニーがのっていき、また異なる魅力も垣間見せた。

「GENICの可能性はこんなもんじゃないと思っています」

和やかなMCを挟みつつ、後半戦へ。西本が「自由気ままに楽しんでいきましょう。チルしようぜ」と言い、始まったのは西本セルフプロデュースの「Chill out!!」。サビではGENIminも一緒に手を振り、そのメロディに身を任せていく。振り付けもチルさを感じさせるものながら、メンバー同士のじゃれ合いも見られて微笑ましい。さらに「みんな踊れる?」と西本が問いかけ「We Gotta Move」、「Supersonic」とテンションの上がる楽曲が続く。

後半になり、さらに上がっていく会場の熱を受け止めたかのように、小池の力強い歌声から始まったのは「ラストシーン」。小池のセルフプロデュース楽曲だ。「好きです」から始まるストレートなラブソングだが、歌詞を辿っていくと少なからずファンとの関係を綴っているようにも感じられる。ダンスなしでしっとりと楽曲を届け、会場もその歌声に聴き入った。

そして本編ラストはぶち上げていくかのように「New Game!!」を。ボルテージが上がっていく会場に応えるようにして、メンバーもステージ上で躍動した。

大きなGENICコールに応えて再び登場すると、「Never Gonna stop」を。サビではメンバーはタオルを、客席はペンライト、もしくは拳を回して盛り上げていく。さらに、クラップとともに「まわりみち」で一体感を楽しんでいく。

しかし、残すところ一曲となり、「終わっちゃうの寂しいよね。このあと何もなくなりますもんね」と西本。が、「ということで、僕たちからサプライズです!」とここで自身最大規模となるツアーが秋に行われることを発表し、ファンを喜ばせた。さらに、東京公演はGENICの結成日に行われるということで、メンバーも喜びをかみしめる様子を見せる。

そして、ツアー最終公演ということで、ひとりひとりからファンに向けてメッセージが送られた。

トップバッターは小池。去年の4月29日LINE CUBE SHIBUYAよりもキャパの多い豊洲PITソールドアウトで迎えられたことに改めて感謝を伝え、「今日もこうやって続報をみなさんにお届けできるのは当たり前じゃないって去年わかったし、みなさんがいてこそのGENICです。こうやって僕たちが音楽をできていること、活動できていることに本当に感謝を込めて、今日、音楽を届けたつもりです。皆さん受け取ってくれましたか?」とその問いかけにGENIminも歓声で応え、その声に顔をほころばせた。

続いては金谷。「どん底に落ちていたときに『鞠杏ちゃん以上に、鞠杏ちゃんや鞠杏ちゃんのグループの未来にワクワクしてる』って言ってくれた人がいたんです」と言い、落ち込んだときもGENIminや、メンバー、スタッフがいたから、今ステージに立てている、と語った。

「私もGENICの可能性はこんなもんじゃないと思っているので、みなさんも一緒に私たちの可能性がどこまで広がるか見てくれますか?」と問いかけ、「これからもいろんな景色を一緒に見て行きましょう」と笑顔で締めくくった。

「何も考えてなかったんですけど……」とはにかみながら切り出したのは雨宮。過去、現在、ファンの応援があるから今の自分たちがある、未来に繋がる、と「応援してもらえること」について感謝を伝え、「これから絶対に大きくなって、みんなが言うあのステージに立てると僕は信じていますので、ぜひともついてきて欲しいなって思っていますし、今ライブやってるときも本気ですけど、僕らの本気はまだまだこんなもんじゃないな、と思うから。もっともっと成長するし、その成長をみんなにも見てほしいから、これからもぜひとも応援をよろしくお願いします」

増子は笑顔を見せながらも、「僕ら7人、1人1人が本当に笑われるぐらいのでっかい夢を追い続けてるんですけども、絶対にみなさんがいれば、諦めることはないです」ときっぱり。「僕たちも苦しいときはあるんですけど、そんなときにみなさんが笑顔でいてくれたり、遠いところからでもいろんな形で応援してくれたら、僕らのエネルギーは永遠です。みなさんに笑顔でいてほしいな、と何よりも思います」そして「今日楽しかったって人?」と問いかけ、たくさんの声が返ってくると「それだけでもエネルギーです。ありがとうございました」と笑顔を見せた。

「No GENICじゃなくてNew GENICでしたか?」

改めて、ファイナル公演のSold outについて感謝を伝えた西澤。
この景色が見られて嬉しいとしつつも、「この景色もこの空間も僕たち、そしてみなさんにとってはきっと通過点でしかない、と思っています」。
それは東京ドームという目標があるから。

「みなさんからしたら少し近い気がするときもあると思うんですよ。GENIC、すごいスピードで行っちゃうな、って寂しい気持ちになったりすると思うんですけど、大丈夫です。安心してください。めちゃくちゃまだ遠いんで(笑)。全然遠いんで。でも裏をかいて言えば、皆さんと僕たちで一緒にいられる時間がまだたくさんあるということなので、これからもGENICと長い時間を一緒に過ごしていただければと思います」

「GENICとして活動してきて、これ大丈夫かな、正解かなって不安に襲われることもあったんですけど、これが正しいとか、正解っていうものがないことが正解なんじゃないかな、ってこの数年を通して思うようになりました」と語ったのは宇井。そう思えるようになったのはGENIminのおかげ、と言い、改めて「GENIminでいてくれてありがとうございます」と感謝を伝えた。

「この言葉はみなさんが聞き飽きても私に口がある限りは、一生言わせていただきますので覚悟しておいてください(笑)。みなさんと出会えて、そして今日この場で一緒に過ごせたことが私にとってかけがえのない財産です。これからもGENICらしく、GENICだけの道で一歩一歩を大切にいけたらなと思います」

ラストは西本。いま、この瞬間が本当に幸せで超楽しい、と笑顔で伝えた。
LINE CUBE SHIBUYAから約1年。本当にいろんなことがあって、落ち込んだりすげえ大変なときもあったんですけど、そんな中アルバム制作が始まって、こんな俺が伝えていいことって、ねえだろ、どうしようって不安で始まった」と言う西本。しかし、そんな西本を救ったのはアルバム「N_G」だった。

「デモ曲の中にあった『Chill out!!』に救われて共作させていただいて。そしてみんなが書いたそれぞれのプロデュース曲に救われて。アルバム収録曲全部に救われて、今ここに立てているんです。だからそれもあって、『N_G』のアルバム大好きなんですよ、それをみんながめちゃくちゃ受け入れてくれて、オリコンも1位とったりさ、豊洲もソールドじゃん。それがほんっっとに嬉しいのよ」静かな語り口調だが、熱く、想いを爆発させる。

「改めて『N_G』を一緒に盛り上げてくれて、GENICをここまで連れてきてくれて本当にありがとう。みんなも知ってる通り、俺らって本当に100人のライブハウスから3000人まで、1から一歩ずつ一歩ずつ積み重ねてここまできたんです。ライブハウス最大規模よ? 第2章って銘打ってスタートした『N_G』というツアーは今日ここで終わっちゃうけど、このファイナルの日に改めて、GENICの第2章の開幕を宣言したいと思います。秋のツアーも発表したけど、また、そしてその先に、次に見る景色の中であなたの顔が見たいって心の底から願ってます。それが僕の願い事です」

「みんなで歌って踊って、ひとつになりたい思います」という増子がコールしたのは「Negai_Goto」。最後に全員で踊って、歌って、ツアーのファイナルを締めくくった。

すべての楽曲を終えて、西本が「言葉ねぇな」とぽつり。その分、メンバーの表情には想いが溢れていた。そして、何度も「ありがとう」という言葉を口にしていた7人。

ラスト、西本が「No GENICじゃなくてNew GENICでしたか?」と客席に問いかけ、大きな歓声で応えていたGENImin。しっかりと繋がりを確かめ合い、さらなる未来、第2章を突き進んでいく。

取材・文:ふくだりょうこ 撮影:川島伸一

<公演情報>
『GENIC LIVE TOUR 2024 N_G』

4月7日(日) 東京・豊洲PIT

SETLIST

01. I'll Be There
02. Hallelujah
03. Flavor
04. TALK
05. Shaky Shaky
06. サヨナラの理由
07. 恋愛
08. きみといた
09. Checkmate
10. GradatioN
11. Chill out!!
12. We Gotta Move
13. Supersonic
14. ラストシーン
15. New Game!!

ENCORE
En.1. Never Gonna Stop
En.2. まわりみち
En.3. Negai_Goto

セットリストプレイリスト:
https://genic.lnk.to/N_G_SETLIST

<ツアー情報>
『GENIC LIVE TOUR 2024 秋(仮)

2024年9月1日(日) 大阪・フェニーチェ堺 大ホール
2024年9月8日(日) 愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2024年9月14日(土) 北海道・Zepp Sapporo
2024年9月23日(月・祝) 宮城・仙台国際センター
2024年10月14日(月・祝) 神奈川神奈川県民ホール
2024年11月1日(金) 東京・TOKYO DOME CITY HALL
2024年11月3日(日) 福岡・福岡市民会館

詳細はこちら:
https://avex.jp/genic/news/detail.php?id=1115708

『GENIC LIVE TOUR 2024 N_G』4月7日(日) 東京・豊洲PIT