レアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督が、マンチェスター・シティ戦の前日会見に出席した。8日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 チャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド8に進出した“白い巨人”の次なる対戦相手は、マンチェスター・シティだ。CL・ノックアウトステージにおいては、3シーズン連続の同一カードとなり、2022-23シーズンは2戦合計スコア1-5と屈辱的な敗北を喫している。

 史上15度目のビッグイヤー戴冠に向け、早くも最大の強敵と相見えることになったレアル・マドリード乾坤一擲の大勝負に臨むアンチェロッティ監督は「とても緊張しているよ。個人的な話だけど、このレベルの試合前の数時間は苦痛なんだ。以前は、敗北が苦しみで、勝利は幸せだと思っていたが、そんなことはなかった」と吐露。続けて「勝利は安堵を与えてくれるもの。タイトルを取れば幸せだが、ひとつの勝利はホッとするだけ。穏やかで幸せな翌日を迎えられるからね。ただ、苦悩も仕事の一部だし、それが私自身を生かしているところもある。まるで、燃料だ」と心境を明かした。

 またアンチェロッティ監督は、昨シーズンの対戦を回顧。大敗の要因を語った同指揮官は「我々は勇気も、個性もないプレーをした。こういうタイプの試合では基本的なことだが、昨年のセカンドレグではこれらが欠けていたよ」としつつ、「いくつかの場面ではフットボール自体ができなかったのも明らか。メンタル的な問題ではなく、戦術的な問題。彼らは前線から多くのプレッシャーをかけてきたのに対して、我々は別の解決策を探そうとしなかった。今回は、そういうことは避けたい」と失敗を繰り返さないことを誓った。

 最後に、アンチェロッティ監督は「勝負はトップクラスの選手たちの足元に懸かっている。両チームにはクオリティの高い選手が多い。当然のことだけど、これが試合を左右するだろう」と強調。さらに「試合はピッチ上の選手によって決まるんだ。戦略も明確にし、選手たちが納得してベストな方法で、やり遂げられるものでなければならない。個々のクオリティ、デュエル、ディフェンス、カウンター…。それらは最高の状態かつ、うまく扱う必要がある」と勝負の“カギ”について述べている。

 欧州の盟主レアル・マドリードと、前回王者マンチェスター・シティによる今大会最注目カードは、日本時間10日の4時にキックオフを迎える予定だ。

マンC戦の前日会見に出席したアンチェロッティ監督 [写真]=Getty Images