逆転2ランを放って喜ぶタティス(C)Getty Images

 パドレスが現地時間4月8日(日本時間9日)、カブス相手に8点差をひっくり返す大逆転勝利を収めた。先発のダルビッシュ有が2回に4点を失って3回で早々と降板してしまい、その後もリリーフが4回に4点を追加されて0-8と劣勢に立たされたが、6回に怒涛の攻撃を見せる。

【動画】劇的!タティスが逆転2ランを放ったシーン

 2番に座るフェルナンド・タティスの四球をきっかけに、3番のジェーク・クロネンワースが2ランを放って2点を返す。その後、相手の失策や連打、ゴロの間に点数を加えて5-8と3点差に追い上げると、二死一塁で1番のザンダー・ボガーツが2ランを放って、たちまち1点差にしてしまう。

 そして迎えた8回二死一塁でタティスの逆転2ランが飛び出し、なんと0ー8から9-8と大逆転に成功する。

 『MLB.com』のショーン・オニール記者は「パドレス、球場開設20周年で歴史的大逆転を果たす」というタイトルの記事を配信し、その中で「パドレスは過去に3度(1970年1974年、2021年)8点差から逆転勝利を収めているが、ペトコ・パークでは1度だけだ」と紹介している。

 さらに、同記者はタティスが逆転2ランを放ったシーンを振り返り「タティスは勝ち誇ったようにバットを頭上にかざし、一塁に向かって最初の一歩を踏み出したときにバットを投げ飛ばした。お祝いのガッツポーズのためにもう一度立ち止まると、タティスはペトコ・パークの記念日を記念してトニー・グウィン背番号19をあしらった特注のスパイクを履いて走り始めた」とつづった。

 「ミスターパドレス」として球団の顔だった故トニー・グウィン氏は、20年間をパドレス一筋でプレーし、通算3141安打、打率.338という偉大な記録を残して、2001年に現役を引退。2007年には野球殿堂入りも果たしている。

 偉大なチームの大先輩の魂に応えるタティスの一発で大逆転に成功したパドレス。このペトコ・パーク開業20年の節目に起きた歴史的な夜について、『MLB.com』はX上で「なんという野球の夜だ!」と投稿している。

 野球の醍醐味を再認識したペトコ・パークの夜。現地のファンは熱狂に包まれていた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「なんという野球の夜だ!」ダルビッシュ所属パドレスが歴史的な大逆転勝利 タティスが偉大な大先輩の魂に応える一発