カラパイアの元の記事はこちらからご覧ください

 アメリカのボストンマラソンで、旗をくわえ熱心にランナーを応援する姿が評判になり、マスコットとしてみんなに愛されるも、13歳半でこの世を去った犬のスペンサーを覚えているだろうか?

 2013年から約9年間、悪天候でも毎年会場の人々を笑顔にしたスペンサー。そんな尊い彼が2023年に闘病の末に生涯を閉じた時は、おおぜいの仲間と人がその死を悼んだ

 それから1年経った今年3月、ボストン郊外の町で大会に貢献したスペンサーの銅像がお披露目された。

 場所は彼がいつもいたボストンマラソンのコース沿いで、今年から大会を見守る銅像も、生前のスペンサーと同じように、旗をくわえたなつかしいポーズだ。

【画像】 亡くなったボストンマラソンのマスコット犬スペンサーが銅像に

Spencer the Boston Marathon dog honored with statue on marathon route in Massachusetts

 先月末マサチューセッツアッシュランドの町で多くの人が見守る中、新しいランドマークとなる犬の銅像がお披露目された。

[もっと知りたい!→]ニューヨークマラソンにアヒルが参戦!赤い靴で勝負に挑む!

 その銅像は、今は亡き犬スペンサーをモデルにしたもの。

 彼は毎年4月に行われるボストンマラソンのコースに現れ、観客と共にランナーを応援していたオスのゴールデンレトリバーだった。

飼い主の飼い主のリッチ・パワーズさんのアカウントより

 この銅像のとおり、生前は旗をくわえてランナーを応援していたスペンサー。そこで人気になった彼はボストンマラソンのマスコット犬にも認定された。

2

image credit:bostonmarathon/X

 ところが悲しいことに、彼は2023年にがんにより13歳半でこの世を去った。実は彼は数年前から治療困難な悪性腫瘍と闘っており、一度は克服したものの、再発したがんの摘出手術で体調を崩したまま回復が叶わなかったのだ。

長年ランナーを応援していたスペンサー

 スペンサーが初めてボストンマラソンの会場に現れたのは2013年のことだ。

 それから毎年欠かさず、旗をくわえて熱心に応援する彼の姿は評判になり、2018年に大雨の中でもランナー応援する犬として紹介されると、一躍人気者に。その後2022年に公式のマスコット犬に認定された。

Spencer the therapy dog named official dog of the Boston Marathon

 だが2023年2月、飼い主のリッチ・パワーズさんがスペンサーの最期を看取ったことを報告した。

スペンサーチャンピオンでした。治療中もずっと。言葉では伝えられないほど頑張っていました

100匹のゴールデンレトリバーと飼い主らが追悼

 スペンサーに励まされたランナーを始め、彼を知る世界中のすべての人が、大好きなスペンサーをの死を悲しみ、長年癒しを与えてくれた彼に感謝のメッセージを寄せた。

 その年開かれた127回目のボストンマラソンでは、ゴールデン・レトリバー・コミュニティグループの呼びかけで、会場に集まった100匹のゴールデンレトリバーと飼い主が、スペンサーとその8日後に亡くなった彼の妹ペニーに追悼を捧げた。

これからもみんなを励ますスペンサーの銅像

 このたびボストンに置かれた銅像も、スペンサーを愛するファンの募金活動によるもので、必要な費用はすべて募金でまかなえたそうだ。

7

 その場所も、スペンサー定位置だった公園のそば。彼のお気に入りの場所からマラソンコースを挟んだ向かい側になる。

 それが叶ったのはその土地を持つ住民が事情を知って寄付してくれたおかげだそう。

5

 またスペンサーメダルと共に授かった、栄誉あるボストンマラソン・マスコット犬のお仕事は、こちらのジミージェイドという2匹の犬が引き継ぐことになっている。

 2匹ともパワーズさんの飼い犬で、準備ができ次第ランナーの応援をはじめるそうだよ。

 いつもいてくれたスペンサーがいないのは切ないけれど、この銅像があればどんな時でも彼を思い出すことができる。

 そのたびに、みんなの心の中のスペンサーが、これからもずっと変わらぬ励ましと笑顔をくれることだろう。

References:paradepets / bostonglobeなど /written by D/ edited by parumo

 
画像・動画、SNSが見られない場合はこちら

ボストンマラソンの名物犬、熱心にランナーを応援していたゴールデンレトリバーの銅像が建てられる