筒香嘉智

メジャー挑戦から5年。マイナーや独立リーグを渡り歩いた筒香嘉智は、今シーズンも開幕でのメジャー昇格の夢絶たれ、日本球界への復帰が現実味を帯びている。

 

■球団に感謝の念

スポーツ紙では「巨人入り」が決定的と報道され、プロ野球ファンもその去就に注目。とくにベイスターズファンからは「嘘だろ」などと悲痛な声が溢れている。

それには2019年のオフ、ポスティングシステムでのメジャー挑戦を正式に表明する会見を開いた際の言葉が、しっかりと心に残っていることも関連しているだろう。

そのときはまだ海外FAの権利を得ていなかったが「快くポスティングを認めてくださった横浜DeNAベイスターズの関係者の皆様に、心より感謝を申し上げます」とまず球団に感謝の念を表した。

 

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■「僕自身もベイスターズを…」

さらに「出身の和歌山から横浜高校で3年、ベイスターズに入団して10年、横浜の地で人生の約半分を過ごすことができました」と横浜を第二の故郷と表現。

「優勝はできませんでしたが、クライマックスシリーズ3度、日本シリーズ1度経験することができました。プロに入って結果が出ず、悔しい思いや焦った時期もありましたが、5年目からレギュラーとして試合に出て、いいときも悪いときも、ファンの皆様のあたたかい声援で、今の自分があると思っています」と述べた筒香。

さらに、「今日会見を開かせていただいたのは、この場でファンの皆様にお礼を伝えたく会見を開かせていただきました。10年間本当にありがとうございました」と、会見はファンに向けてのお礼だと明かし「僕自身もベイスターズを、遠くから、心から応援しています」と、これからも変わらぬチームへの愛も公言していた。

 

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■本人の選択は

21年、当時の球団代表であった三原一晃氏も「彼を送り出した際、日本でプレーすることになったら、ベイスターズに戻ってきて欲しい」とラブコールを送り、その後も球団はコンタクトは取り続けていると明かしており、背番号25はこの5年間空けてある。

今年入団した筒香の横浜高校の後輩、且つENEOS時代に背負っていた度会隆輝が付けるのではと噂されたが結果的に4番に落ち着き、未だ誰も背負っていない点を見ても、球団としてのスタンスは変わっていないだろう。

とはいえ個人事業主でもあるプロ野球選手が、自らの去就を選ぶことは当然。しかしベイスターズファンはもちろん復帰を望んでおり、もしライバルの巨人入団となればその拒否反応も激しくなる。

はたして本人の選択はどうなるのか。横浜ファンは筒香にベイ愛が残っていることを祈るしかない。

 

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■執筆者プロフィール

萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。

23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。

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