フランクフルトに所属する元日本代表MF長谷部誠が今シーズン限りで現役キャリアを終え、同クラブのコーチングスタッフに就任する可能性が浮上しているようだ。9日、ドイツ紙『ビルト』が伝えている。

 現在40歳の長谷部藤枝東高校から浦和レッズに入団しプロキャリアをスタートさせると、その後はヴォルフスブルクニュルンベルクを経て、2014年夏にフランクフルトへ加入。同クラブでここまで公式戦通算302試合に出場し、2ゴール6アシストをマークしている。2008年冬から在籍しているブンデスリーガでの通算出場試合数は「382」に到達。これは外国人選手としては、元ペルー代表FWクラウディオ・ピサーロ氏、ポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキ(現:バルセロナ)に次ぐ歴代3位の記録となっている。

 フランクフルトとの現行契約を2027年6月末まで残している長谷部だが、近年は現役キャリア終了とそれに伴う指導者転身の噂がたびたび浮上。それでも、毎シーズン終盤には現役続行の意思を表明。昨年3月には、少なくとも2024年夏まで選手キャリアを続けることを発表した。しかし、今回の報道によると、今シーズン終了後の進退については未だ決定事項がなく、新シーズンからのコーチングスタッフ就任の可能性が再び囁かれているという。

 仮に長谷部が今シーズン限りでの現役引退を表明した場合、就任が有力視されているのがフランクフルトU-21チームのアシスタントコーチ。現在レギオナルリーガ・ズュートヴェスト(4部相当)を戦う同チームでは、昨年夏から指揮を執っているクリスティアン・グリボ監督の今シーズン限りでの退任が既に決定。クラブとしては新監督を支える参謀役に長谷部を抜擢することを検討しているという。

 なお、長谷部は数年前にドイツサッカー連盟(DFB)の指導者育成プログラムに参加し、ライセンスを取得しているとのこと。現役続行か、コーチ就任か。長谷部の決断に大きな注目が集まる。

決断に注目が集まる長谷部誠 [写真]=Getty Images