10日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比311.10ポイント(1.85%)高の17139.17ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が121.51ポイント(2.06%)高の6016.83ポイントと3日続伸した。ハンセン指数は終値で、昨年11月28日以来、約4カ月ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1072億9400万香港ドルに拡大した(9日は829億3370万香港ドル)。
 投資家心理が上向く流れ。中国当局の消費刺激や産業支援、株価対策などに対する期待感が継続しているほか、米長期金利の上昇一服も好感された。中国景気の持ち直しも意識される。業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)は9日、今年3月の乗用車小売台数が前年同月比で6.0%増加し、2カ月ぶりにプラス成長したと報告した。米中の指標発表を前に、朝方は上値が限定されたものの、指数は中盤から上げ幅を広げている。米国では今夜、今年3月の米消費者物価指数CPI)、中国ではあす11日に3月の物価統計、12日に同月の貿易統計が公表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が7.4%高、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が7.2%高、香港大手行の恒生銀行(11/HK)が6.0%高と上げが目立った。恒生銀行に関しては、最大30億香港ドルの自社株買い計画を公表したことも材料視されている。そのほか、金相場が連日で史上最高値を更新する中、産金で中国最大手の紫金鉱業集団(2899/HK)が5.2%値を上げた。
 セクター別では、自動車が高い。上記したディーラーのほか完成車メーカーの長城汽車(2333/HK)が8.3%、小鵬汽車(9868/HK)が7.7%、広州汽車集団(2238/HK)が6.2%、蔚来集団(9866/HK)が6.0%ずつ上昇した。販売回復に加え、産業支援の期待も高まっている。山東省や上海市などが自動車の買い替えを促す「以旧換新」政策に再び乗り出すと通知した。
 中国の発電セクターもしっかり。華潤電力HD(836/HK)が3.4%高、華能国際電力(902/HK)が2.6%高、華電国際電力(1071/HK)と中国電力国際発展(2380/HK)がそろって2.5%高で引けた。
 主力ネット株も物色される。阿里巴巴集団HD(9988/HK)が4.9%高、京東集団(9618/HK)が4.7%高、美団(3690/HK)が4.1%高、騰訊HD(700/HK)が3.0%高で取引を終えた。
 半面、中国不動産セクターは総じてさえない。万科企業(2202/HK)と中国奥園集団(3883/HK)がそろって4.3%、世茂集団HD(813/HK)が4.1%、融創中国HD(1918/HK)が3.9%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.70%安の3027.34ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。不動産株、医薬株、消費関連株、素材株、証券・保険株、インフラ関連株、軍事関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。公益株、銀行株、空運株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)