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ライブイベント「SYNCHRONICITY'24 Wonder Vision supported by ライブナタリー」が4月7日に東京・LINE CUBE SHIBUYA渋谷公会堂)で開催され、syrup16g凛として時雨が出演した。

【ライブ写真】絶唱するTK(凛として時雨)(ほか全28枚)

“爆裂”なエントリーナンバー1番

「破壊衝動を内包しているような音楽性」「埼玉県出身のメンバーがいる」「スリーピース構成」「ドラマーが饒舌」など、多数の共通点を持つsyrup16g凛として時雨。共通のリスナーも多いであろう2組だが、ツーマンライブは意外にも今回が初となり、開催発表時から話題を呼んだ。最高気温22℃を超え汗ばむほどの陽気に恵まれたこの日、LINE CUBE SHIBUYAは多くのファンで埋め尽くされた。

先攻を務めたのは凛として時雨。3人は攻撃的なサウンドの詰まった「I was music」で勢いよくライブの口火を切ると、2曲目にレパートリー屈指のダンスナンバー「DISCO FLIGHT」をプレイし客席を揺らす。TK(Vo, G)はこのライブについて「最高のツーマン、僕もお客さんとして楽しみに来ました。“爆裂”なエントリーナンバー1番、凛として時雨です」と期待を口にした。

浮遊感のあるギターサウンドがホールに心地よく広がった、345(Vo, B)がリードボーカルを取る「illusion is mine」。その余韻を切り裂くように始まった「a symmetry」では、3人が三者三様の鬼気迫るようなパフォーマンスで喝采を浴びた。ピエール中野(Dr)が会場の近所で開催されていたイベント「わんわんフェスティバル」にちなみ「このツーマンも癒し系でいきたい」と意気込んだMCを経て、ライブは最終ブロックへ。代表曲「Telecastic fake show」では円熟したアンサンブルに会場中が熱狂し、中野のスティック回しが鮮やかに決まった。そして恒例のラストナンバー「傍観」を激情に駆られるように奏でた3人。ツーマンという限られた時間の中で、キラーチューン満載の時間を届けた。

新旧の楽曲で観客の心を揺さぶる

時雨のバトンを受け取ったsyrup16gは新曲を立て続けに披露。五十嵐隆(Vo, G)の歌とギターがユニゾンする「セブンティーン」、キタダマキ(B)のスラップベースが印象的な「気遣いピエロ」などでバンドの最新のモードを示した。ホールをじっくりと自分たちの色に染め上げたのち、3人は初期曲「Sonic Disorder」「生活」をアグレッシブにプレイ。新旧の楽曲の振り幅で、聴き入っていた観客たちの心を揺さぶり、熱く大きな歓声を浴びた。

中畑大樹(Dr)は時雨の中野とおそろいのつもりでアクリルのドラムを持参したものの、中野が持ってきていなかったと残念そうにぽつり。「しゃべってるように見せて休んでます。若くないので」と冗談を飛ばし観客の笑いを誘った。その後「センチメンタル」「負け犬」で感傷的なムードを広げ、再び新曲を演奏した彼ら。「新曲いっぱいやっちゃった」とこぼす五十嵐に、観客は歓迎するように声援を送った。そして「coup d'Etat」から「空をなくす」になだれ込む恒例の流れで、場内の盛り上がりは最高潮に。勢いのそのままに、3人はラストナンバー「落堕」を一気に駆け抜けた。

アンコールに応えたsyrup16gはスピーディな「真空」を力を振り絞るように演奏し、颯爽と退場。充実のツーマンライブの終わりを告げるアナウンスが流れ、2組の激烈なパフォーマンスを称えるように客席からは興奮さめやらぬ拍手が鳴り響いた。

セットリスト

「SYNCHRONICITY'24 Wonder Vision supported by ライブナタリー」2024年4月7日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

凛として時雨

01. I was music
02. DISCO FLIGHT
03. abnormalize
04. Marvelous Persona
05. illusion is mine
06. a symmetry
07. アレキシサイミアスペア
08. Telecastic fake show
09. 傍観

syrup16g

01. Need Somebody To Me(新曲)
02. セブンティーン(新曲)
03. 気遣いピエロ(新曲)
04. Sonic Disorder
05. 生活
06. センチメンタル
07. 負け犬
08. Breathe(新曲)
09. Feel Dead(新曲)
10. coup d'Etat~空をなくす
11. 落堕
アンコール
12. 真空

「SYNCHRONICITY'24 Wonder Vision supported by ライブナタリー」よりsyrup16gのライブの様子。(Photo by Kana Tarumi)