ネットショップで商品を購入する際、送料が無料かどうかを気にする人は多い。そんな中、面積は広大だが人口は少ないため、物流コストが高止まりしたままの新疆ウイグル自治区の人々にとって、ネットショップを楽しみたいと思いつつも、送料がかかることがネックとなっていた。今年に入り、多くの宅配企業がECプラットフォームと連携し、新疆に試行地を設置して、段階的に「送料無料」計画を実施するようになっており、同地でも「送料無料」が現実のものになりつつある。

杭州のペット商品を取扱うEC企業を取材すると、スタッフが季節の変わり目に必要なペットのおやつや栄養補助食品の写真を撮影していた。以前なら、こうした季節の商品は輸送に時間がかかり、コストも高いため、新疆向けの販売件数は一桁であることがほとんどだった。しかし、最近はECプラットフォームが「新疆送料無料」計画を打ち出したため、新疆向けの販売件数が目に見えて増加したという。


新疆における「送料無料」はどうやって実現したのだろうか?浙江省の杭州郵政のある倉庫では、多くの荷物に「特別積み合わせ割引」というマークが張られていた。これは、中国郵政初の「混載」プロジェクトで、中国全土の各大手ECプラットフォームや宅配企業の荷物を、まず全て杭州に輸送し、そこから統一して新疆に向かうトラックに積み込んで輸送することで、蘭州などの中継地で積み下ろしてから、また輸送するという手間を省くことができるようになっている。

杭州市郵政公司の李敏(リー・ミン)副総経理によると、現時点で、ウルムチに向かうラインとアクスに向かうラインの2本が開設されている。前者は新疆北部を、後者は南部をメインとしている。取扱件数は1時間当たり5万5000件前後で、一般輸送に比べて人件費を50%カットすることができるという。

また、配送に必要な時間も短縮されている。ECプラットフォームや宅配企業の統計によると、これまで新疆への配送には7~8日かかっていたが、今では5日以内に短縮されている。

そのため、「新疆には発送できません」という表示をしているショップの割合も昨年9月初めの10.17%から今では0.83%にまで下がった。多くのECプラットフォームは新疆のユーザーを「送料無料」の対象にするだけでなく、割引も実施している。統計によると、オンラインショップの新疆向けの商品発送率は目に見えて上昇し、1日当たりの配達件数も100万件近くに増加している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

新疆が「送料無料」対象になり、1日当たりの配達件数が100万件近くに増加した。