4月10日(水)、『第33回日本映画批評家大賞』の各受賞タイトル・受賞者が発表された。

日本映画批評家大賞』は、1991年水野晴郎が発起人となり、淀川長治、小森和子ら当時第一線で活躍した映画批評家たちによって設立された映画賞。日本初の、現役映画批評家による映画賞として発足し、今年で33 回目を迎える。日本映画批評家大賞のタイトルには、女流映画評論家の第一人者であった南俊子賞(新人男優賞)、小森和子賞(新人女優賞)、編集技師の名匠・浦岡敬一賞(編集賞)、北九州市の映画・芸能資料館設立者である松永武氏の名前を冠した松永文庫賞(特別賞)、日本映画の伝道師・水野晴郎賞(ゴールデングローリー賞)、日本映画批評家界の巨匠・淀川長治賞(ダイヤモンド大賞)、など、賞タイトルに名前を冠し、映画を愛し貢献した映画人を表敬している。

『第33回日本映画批評家大賞』メインビジュアル

『第33回日本映画批評家大賞』メインビジュアル

『第33回日本映画批評家大賞』では、2023年公開の日本映画作品のなかから、島敏光(批評家代表)、伊藤さとり、新谷里映、中村梢、松崎健夫、安田佑子(敬称略)が選考員として独自の視点で選定。各タイトル・受賞者が決定。2023年公開作品の中で最も優れた映画作品に贈られる「作品賞」、きらりと光る才能の片鱗がうかがえる各「新人賞」、卓越した映画技術が光った各「技術賞」、作品・個人のみならず映画に貢献する映画事業から劇場や文化拠点まで幅広く授与対象とする「特別賞」、往年の功績を称えさらなる活躍を期待する「ゴールデングローリー賞」、「ダイヤモンド大賞」など17賞19組に授与される。

作品賞に塚本晋也監督『ほかげ』が選ばれたほか、監督賞は『波紋』の荻上直子監督が受賞。主演男優賞は『Winny』の東出昌大、主演女優賞は『波紋』の筒井真理子、助演男優賞は『月』の磯村勇斗、助演女優賞は『正欲』の新垣結衣がそれぞれ受賞している。

また、ドキュメンタリー賞は『ライフ・イズ・クライミング!』(中原想吉監督)、アニメーション作品賞は映画『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督)に授与。

新人監督賞は『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』の金子由里奈監督、新人監督賞は『遠いところ』の工藤将亮監督、新人男優賞(南俊子賞)は『さよなら ほやマン』のアフロMOROHA)、新人男優賞(南俊子賞)は『さよなら ほやマン』の黒崎煌代、新人女優賞(小森和子賞)は『遠いところ』の花瀬琴音、脚本賞は『リバー、流れないでよ』上田誠氏、編集賞(浦岡敬一賞)は『#マンホール』の今井大介氏、撮影賞は『スイート・マイホーム』の芦澤明子氏が受賞している。

また、松永文庫賞(特別賞)には、広島の映画館・八丁座、ゴールデングローリー賞(水野晴郎賞)は『バカ塗りの娘』の木野花、ダイヤモンド大賞(淀川長治賞)は『バカ塗りの娘』の小林薫に与えられている。

受賞対象者・各受賞作品一覧は以下のとおり。選考理由は、日本映画批評家大賞公式ホームページにて確認可能だ。

 

『第33回日本映画批評家大賞』各受賞タイトル・受賞者

作品賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)

監督賞:荻上直子監督『波紋』

主演男優賞:東出昌大Winny

主演女優賞:筒井真理子『波紋』

助演男優賞:磯村勇斗『月』

助演女優賞:新垣結衣『正欲』

ドキュメンタリー賞:『ライフ・イズ・クライミング!』(中原想吉監督)

アニメーション作品賞:映画『窓ぎわのトットちゃん』(八鍬新之介監督)

新人監督賞:金子由里奈監督『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』

新人監督賞:工藤将亮監督『遠いところ』

新人男優賞(南俊子賞):アフロさよなら ほやマン』

新人男優賞(南俊子賞):黒崎煌代『さよなら ほやマン』

新人女優賞(小森和子賞):花瀬琴音『遠いところ』

脚本賞:上田誠『リバー、流れないでよ』

編集賞(浦岡敬一賞):今井大介『#マンホール

撮影賞:芦澤明子『スイート・マイホーム』

松永文庫賞(特別賞):八丁座

ゴールデングローリー賞(水野晴郎賞):木野花『バカ塗りの娘』

ダイヤモンド大賞(淀川長治賞):小林薫『バカ塗りの娘』

※17賞19 組/敬称略

 

なお、5月22日(水)には、東京国際フォーラム ホールCにて、『第33回日本映画批評家大賞 授賞式』が開催される。授賞式は、松尾貴史をメイン司会に各受賞者を迎えて開催。授賞式の観覧チケットは、5月21日(火)23時59分までイープラスにて受付中だ。

『第32回日本映画批評家大賞』の授賞式の模様