Googleは4月8日(現地時間)、公式ブログにおいて、Androidデバイス向けの新しい「Find My Device(デバイスを探す)」サービスの展開を開始しているとアナウンスした。刷新されたFind My Deviceでは、オフラインのAndroidデバイスを探してその場所を地図アプリ上に表示したり、Google Nestデバイスを使って自宅内でAndroidデバイスの詳細な位置を特定したりできるようになる。また、サードパーティーBluetoothトラッカーの追跡にも対応する。

○ストーカー対策を強化しつつ満を持しての登場

Googleは2023年5月に開催した開発者イベント「Google I/O 2023」の場で新しいFind My Deviceサービスを発表した。これは本質的にはAppleが展開しているFind My Network(探す)サービスと同様の仕組みで動作するもので、Android搭載のスマートフォンやタブレットだけでなく、サードパーティー製のタグ型のBluetoothトラッカーの位置も追跡することができる。

トラッカー本体はモバイル通信網につながる機能を持っていないが、Bluetoothの電波が届く範囲に近くにモバイル通信可能なAndroidデバイスが存在すれば、その通信回線を間借りして位置情報をクラウドに送信できる。

当初、Googleは2023年夏頃にこの新しいFind My Deviceの展開を始める予定となっていた。しかし、同社はAppleと共同でこれらの追跡型サービスにおけるストーカー対策技術の強化にも取り組んでおり、その対応のためにサービス開始が延期された。Androidデバイスにおけるストーカー対策の強化については、次のページに詳しくまとめられている。

What are unknown tracker alerts on Android? How they work

Androidには「不明なトラッカーアラート」機能が備わっており、付近で不審なトラッカーデバイスが発見された場合にアラートを発信したり、発見したトラッカーに対して所有者を調べたり、位置情報の共有を停止したりといった追加のアクションを実行できる。

新しいFind My Deviceはこの機能をサポートしており、今後追加されるサードパーティー製のBluetoothトラッカーに対しても有効であり、トラッカーがユーザーのプライバシー侵害に悪用されるリスクを抑制している。なお、「不明なトラッカーアラート」機能はAppleのAirTagおよびその互換デバイスに対しても有効である。

新しいFind My Deviceは、Android 9 以降を実行しているデバイスで動作する。また、当初発表されていたように、SonyJBL製のヘッドホンも間もなくFind My Deviceサービスに参加する予定だという。
○新しいFind My Deviceでできること

Googleでは、新しいFind My Deviceサービスについて、次の5つの活用例を紹介している。
○オフラインのAndroidデバイスを見つける

新しいFind My Deviceでは、追跡対象のAndroidデバイスがオフラインの状態でも、位置を特定して地図上に表示可能になった。また、Pixel 8とPixel 8 Proでは、特殊なハードウェアによって電源が切れている場合でもデバイスを見つけられるという。
○互換Bluetoothタグでアイテムを追跡する

サードパーティー製のBluetoothタグトラッカーに対応したため、互換性のあるタグを財布や鍵などのアイテムに付けておくことで、それを追跡できるようになる。このサービスは2024年5月から利用可能になる予定で、当初はChipoloとPebblebeeが対応するという。今後、eufy、Jio、Motorolaなどのメーカー製のBluetoothトラッカーもサポートされる予定となっている。

○近くのアイテムを探す

Androidスマートフォンやタブレットを利用すれば、「Find nearby」ボタンで近くにあるデバイスを探せる。サードパーティーのトラッカーが追加されれば、この機能は日常のアイテムを探すためにも利用できる。
○Google Nestで自宅のデバイスを探す

新しいFind My Deviceを使うと、Google NestデバイスからAndroidデバイスやBluetoothトラッカーまでの正確な距離を表示することができる。自宅内でAndroidデバイスやBluetoothトラッカーを付けたアイテムを無くしてしまった場合はこの機能が役に立つ。
○アイテムの位置を家族や友人と共有する

家族や友人とAndroidデバイスやBluetoothトラッカーの位置を共有できるため、共同で利用するアイテムの追跡にも利用できる。
(杉山貴章)

画像提供:マイナビニュース