テレビ朝日系ドキュメントバラエティ特番『はじめて東京物語』が12日(23:15~※一部地域除く)に放送される。進学・就職などで新生活を始める人の多い春に届けられるこの番組では、「夢を追いかけ沖縄県から初上京した少女」「50年ぶりに東京に訪れるアメリカ人」に密着し、人間ドラマと新たな東京の魅力に迫る。MCは南海キャンディーズ山里亮太が担当、ゲストとして満島真之介・西畑大吾(なにわ男子)・王林が登場。“上京組”であるゲストたちも、スタジオで東京物語を語る。

収録後、MCを務めた山里と満島が囲み取材に応じ、それぞれが“東京を実感した瞬間”を明かした。

○■山里亮太、東京を実感した瞬間は

――まずは収録を終えての感想をお願いします。

山里:東京にはいろんな物語があるんだな、と感じられて面白かったです。上京を考えている方の参考になるし、東京に住んでいる方にとっては、自分が住んでいるのがどんな場所なのか、再確認できる楽しさがあると思います。

満島:東京は日本で一番人が多くて、“一人ひとりの物語が見えてこない都道府県ナンバーワンだと思うんですよ。今日会った人ともう一生会うことがないとか、同じ地域に住んでいても知らないとか、引っ越しも多くて近所付き合いも薄いという田舎では考えられないような環境ですよね。でもこの番組のおかげで、そばにいる人や、すれ違うだけの人にも、それぞれに東京の物語があるんだよなと感じさせてもらえて、心が優しくなりました。

――お二人が東京を実感した瞬間があれば教えてください。

山里代官山を歩いているときに有名人を3人ぐらい見たんですけど、誰も反応してなかった瞬間ですね。僕も「『M-1』に出た俺だよ!」という空気を出して、4人目の有名人として歩いてみたのですが、誰にも声をかけられなくて「ヘイ! 東京!」「興味ない空気出すじゃん!」って思いました。今も「おぉっ」と驚かれることはないです。

満島:東京って、そんなもんですよね。気付かれたとしても「あぁ、いるね」という空気を感じるぐらいで。

○■満島真之介、上京して一番つらかったことは

――沖縄から上京した満島さんですが、東京に来て苦労したことを教えてください。

満島:めちゃくちゃいっぱいありますよ。本当に、ただ5,000円だけ握り締めてきたので、こんなの良い子は真似しちゃいけないし、真似する人は誰もいないと思うんですけど。家も何も決まってないけど、東京に行けばどうにかなると思ったのは、やっぱり働ける場所がたくさんあったり、出会いがたくさんあったり、人をたどれば求めているものにたどり着くだろうと思っていたんです。でも、東京は想像をはるかに超える人がいて、道に迷っているときに声をかけても立ち止まってもらえなくて。これは、本当に皆さんに覚えていてほしいことなんですけど、スピード感を持って歩いている人に声をかけてはいけないんです。

山里:急いでいるから?

満島:そうです。目的地しか見てないので、何か横やりが入ってきても、全く見向きもしないです。山里さんが歩いていても反応しない人も、目的地に一直線に向かってるんですよ。でも目的地のない人はきっと「あぁ、山ちゃんだ!」ってなる。

山里:東京は、目的地がある人だらけなんだね。

満島:道を聞きたいときはそういう人には声をかけちゃいけないんです。でも、目的地がない人も絶対にいるので。僕はたくさんの人に声をかけて、無視のレベルじゃなく、自分はこの世にいないんだと思うぐらい、振り向かれもしないし反応もされないという体験をして、最初は一つひとつにすごく傷ついていたんです。「すみません」って声をかけて、「急いでるんで」と言ってくれれば、「ごめんなさい」と言えるんですけど、ただ、すーっと通りすぎられると、「あれ、俺、ここに存在しているよね?」って。

山里透明人間になったんじゃないかと思うよね。

満島:あのとき「人が冷たいな」と感じたのが、上京して一番つらかったことです。生活がつらくても、それは自分のことだし、つらいのも良い経験だと思えるんですけど。でも、たくさん声をかけるうちに、これだけ人がいるんだから、声をかける人の選び方が悪いんだと考え直したんですよ。改めて人混みを見渡して「あの人ならいけそうだ」という人にピンポイントで声をかけて、「ここに行きたいんですけど」と聞いたら、「ここだったらこうですよ」「分かりやすいところまで一緒に行きましょうか」と言ってくれて! もう、泣けて泣けて。「ありがとうございます……」って思わず涙ぐんじゃって、「大丈夫!? どうしたどうした」って心配されたこともあります。東京は人が多いから、いろんな人がいるけど、冷たい人だけじゃないんだなと気付けたことで、人として大きく成長できたかもしれません。
(八木ひろか)

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