ブロックチェーン分析企業のチェイナリシス ジャパン株式会社(日本代表:内田 雅彦/本社:東京都千代田区/以下 チェイナリシス)は、「2024 暗号資産犯罪動向調査レポート」の日本語版を、本日公開しました。
【レポートのダウンロード: https://go.chainalysis.com/crypto-crime-2024-japanese.html】

レポートの主な内容
暗号資産の総取引量のうち、不正な取引が占める割合はわずか0.34%にとどまり、前年の0.42%からさらに減少
北朝鮮に関連するハッカーによる、暗号資産の窃盗金額は前年より減少する一方、ハッキングの被害件数は増加
ランサムウェア攻撃に対する身代金の支払い金額は、2023年は10億ドルを超えて過去最高を記録

なお、チェイナリシスでは、本レポートの内容を詳細に解説する無料ウェビナーを、2024年4月24日 水曜日 13:30~15:00 に開催します。
【ウェビナーの参加申し込み: https://go.chainalysis.com/2024-crypto-crime-webinar-japan.html】

昨年の暗号資産犯罪の全体傾向

チェイナリシスが公開した暗号資産犯罪に関する最新の年次レポートにおいて、2023年に不正な取引を行う暗号資産アドレスが受け取った金額は242億ドルであり、これは過去最高を記録した2022年の396億ドルから大幅に減少したことが明らかになりました。これら不正取引のうち最大の金額を占めたものは、経済制裁対象者に関連するもので、149億ドルの取引が観測され、不正取引全体の61.5%を占めました。

一方、チェイナリシスでは、2023年の暗号資産オンチェーン取引量全体のうち、不正取引が占める割合が0.34%に過ぎなかったということから、このようなデジタル資産市場が成熟しつつあることを表していると見ています。 チェイナリシスの日本代表、内田 雅彦は、次のように述べています。 「米証券取引委員会(SEC)が、ビットコインの現物ETFを承認するという画期的な出来事を背景にして、ビットコインの価格は上昇傾向を見せており、暗号資産の冬の時代が終わりつつある、強い兆しが見えてきています。昨年の暗号資産犯罪の大幅な減少傾向とも相まって、暗号資産の新たな成長段階が間もなく訪れるかもしれません。チェイナリシスのような企業が提供する分析ツールとデータは、ブロックチェーンが持つ取引記録の透明性を用いて、悪意のある取引活動を検出することで、規制当局、法執行機関、暗号資産関連事業者が、不正な取引に対応できる能力を提供しています。チェイナリシスは、この分析ツールとデータを通じて、日本における暗号資産取引の急速な成熟と、消費者からの信頼獲得を促進し、Web3を推進することを使命として活動して参ります。」

この最新のレポートが示すもう一つの重要な点は、サイバー犯罪において選択される暗号通貨が、これまで主流だったビットコインからステーブルコインへ移行しているということです。ダークネット マーケットでの販売対価や、ランサムウェアによる恐喝の身代金など、暗号資産犯罪活動の一部は依然としてビットコインによる取引が主流ですが、詐欺や制裁対象者に関連する取引などでは、ステーブルコインが多く使われるようになっています。昨年、全不正取引金額のうち、ビットコインでの取引が占める割合は25%弱まで低下した一方、残りの大部分はステーブルコインが占めるようになりました。米Chainalysisのサイバー犯罪リサーチの主幹であるEric Jardineは、次のように述べています。 「ビットコインからステーブルコインへの移行は、暗号資産史上の成熟度を物語る上で、興味深い事象だと考えています。2024年の展開としては、ビットコイン現物ETFに関するSECの決定を背景に、暗号資産市場において、より健全で、より競争力のあるカストディ サービスや交換所間での取引が活性化し、市場インフラが成熟する後押しとなると考えています。」

個別の不正取引類型ごとの傾向

詐欺と盗難

2023年、暗号資産の不正な取引金額が顕著に減少した理由は、主に詐欺と盗難にあった資金の急激な減少によるもので、それぞれ、詐欺は29.2%減少、盗難は54.3%減少となりました。特徴的な傾向としては、盗難資金の減少のうち、DeFiに対するハッキングが激減していることが観測されました。DeFiは、暗号資産のエコシステムにおいて急成長していますが、その理由の一つは取引内容に透明性があることが挙げられます。チェイナリシスでは、昨年の盗難の減少傾向は、DeFiプロトコルセキュリティの環境を改善している現れであり、これまでの盗難増加傾向が転換した可能性があるとみています。

北朝鮮によるハッキング

2022年の本レポートに大きく取り上げられて、その名を知られることとなった北朝鮮ハッキング組織は、2023年は引き続き活発な活動を見せました。前年以上の数の暗号資産プラットフォームをハッキングした一方で、窃盗した金額は10億ドルをわずかに超える規模で、2022年の17億ドルから減少に転じました。その内訳は、DeFiプラットフォームから約4億2880万ドル、中央集権型サービスから1億5000万ドル、取引所から3億3090万ドル、そしてウォレット プロバイダーから1億2700万ドルを窃盗したと推定されます。

ランサムウェア、ダークネット マーケット

2023年における不正取引の全体金額が減少に転じたのとは対照的に、暗号資産犯罪の顕著な類型である、ランサムウェアとダークネット マーケットでは、不正取引の増加を観測しました。米ChainalysisのEric Jardineは、このようにも述べています。「ランサムウェアの犯罪収益は2022年に急激な減少を見せていただけに昨年再び増加に転じたことは残念です。この変化は、おそらく、ランサムウェアの攻撃者が、標的としている企業や組織のサイバーセキュリティの改善策に適応できたことを示唆しています。また、ロシアの著名なダークネット マーケットであるHydraが各国の法執行機関によって閉鎖に追い込まれましたが、それはダークネット マーケットの活動抑止にはほとんど役立っていないようです。ダークネット マーケットでの不正活動は回復傾向にあり、その犯罪収益は2021年に記録した過去最高金額に迫る勢いでに再び上昇しています。」

【レポートのダウンロード ページ: https://go.chainalysis.com/crypto-crime-2024-japanese.html

なお、チェイナリシスでは、本レポートの内容を詳細に解説する無料ウェビナーを、2024年4月24日 水曜日 13:30~15:00 に開催します。定員に限りがありますので、お早めにお申し込みください。

【ウェビナーの参加申し込み: https://go.chainalysis.com/2024-crypto-crime-webinar-japan.html

<チェイナリシスについて>

チェイナリシスはブロックチェーン・データ・プラットフォームを提供する、ブロックチェーン分析企業です。世界70カ国以上の政府機関、取引所、金融機関、保険会社、サイバーセキュリティ会社にデータ、ソフトウェア、サービス、リサーチを提供しています。チェイナリシスのデータは、犯罪捜査、コンプライアンス、マーケット・インテリジェンス・ソフトウェアを強化し、世界で最も注目されている刑事事件を解決したり、消費者が安全に暗号資産を利用したりすることに貢献しています。

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