米ラスベガスで全米劇場所有者協会(NATO)主催の恒例のコンベンション「シネマコン」が4月8日に開幕した。同コンベンションの注目は、セレブたちが登壇する各映画スタジオによるラインナップ発表会が行われるオープニングイベント。そこにNATOのマイケル・オリアリー代表が登壇し、近年、超大作映画に比重を置くメジャースタジオに多様な作品を提供することを求めた。

「私はマーベルや『ミッション: インポッシブル』、『ワイルド・スピード』といったシリーズを、他の劇場関係者と同様に愛しています。しかしながら、これらの超大作だけに焦点を当てるのではなく、多様な映画ファンを引きつけるためにはさまざまな映画を提供することが映画興行の存続にとって不可欠です」

オリアリー代表は「ゴジラ-1.0」や「パスト・ライブス 再会」のような小・中規模予算作品の成功を引き合いに出し、映画業界で多様性を促進することの重要性を説いた。

さらに、映画館の現状とそれが将来に与える影響についても言及。2023年は「バービー」や「オッペンハイマー」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」といった大ヒット映画が生まれたにもかかわらず、興収はコロナ前の水準に戻っていない。さらに、昨年のダブルストライキの影響で劇場は作品不足に直面している。映画界がもっとコンテンツを生み出すことができるように、オリアリー代表は金融界に投資を呼びかけている。

シネマコンは4月11日まで実施される。

「ゴジラ-1.0」 (C)2023 TOHO CO.,LTD.