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 8日、岸田総理は日米首脳会談などに参加するため米ワシントンに到着した。国賓待遇での公式訪米は安倍元総理以来9年ぶりであり、議会での演説も予定されている。

【映像】訪米の“真の狙い”とは?

 なぜこのタイミングでの訪米なのか? 狙いについて日本大学教授/東京工業大学特任教授の西田亮介氏に聞いた。

━━今回の訪米をどう受け止めているか?

「岸田総理は外務大臣と防衛大臣、それらの兼任の経験があり、『外交は得意分野』という自負があるはずだ。内閣支持率、自民党の政党支持率は共に厳しい状況にあるが、その打開策の一つとして得意の外交でもって支持率を回復させる狙いではないか。外交の活用は政治の定番であり、自身の求心力を高めたいはずだ」

━━今回の訪米は実際に支持率の回復につながるか?

「現実にはなかなか厳しいのではないか。世論調査を見てもやはり政治とカネに対する不信感が根強い。支持率や求心力の回復には至らないのではないか」

━━訪米は4月の衆議院議員補欠選挙を見据えてのものか?

自民党は当初から『補選は厳しい』と捉えてきたため、現状、3つある選挙区のうちの島根1区の1選挙区にしか直接的に候補者を擁立できていない。そのため、『補選も見据えながら、その先に控えているはずの総選挙に向けて求心力を回復していきたい』という狙いだと思われる」

━━総選挙についてはどう見ているか?

「やはり政治とカネの問題にまつわる不信感が国民の中に根強く残っており厳しい状況にある。とはいえ、解散総選挙を行わずに任期満了を迎えてしまっては岸田総理としてはあまり面白くない。どこかで求心力回復のために選挙をやりたいはずだ。先に延ばせば延ばすほど、野党の側は候補者を調整したり政策を固めることが容易になってしまう。では逆に早期に解散をすればどうなるか。当然のことながら支持率が低い状況にあるため厳しい結果が待っている。特に自民党全体では大きく議席を減らすはずだ。そんな板挟みの中で『どこかに解散できる可能性はあるか』を探っているのではないか」

(『ABEMAヒルズ』より)

「外交の岸田」で支持率は回復する? 専門家に聞く訪米の“真の狙い”