このたび、奈良県立医科大学附属病院高度生殖医療センター」開設記念シンポジウム「新しい生命の誕生を支援 ―最新医学の力で不妊症を克服―」を2025年5月11日(土)に開催させていただきます。

 現在、本邦の抱える大きな問題として少子化があります。本邦においては、2015年までは、年間の出生数は100万人を維持していましたが、2022年におよそ78万人となり、ここ数年の間に急激に減少しています。奈良県においての年間の出生数は、2013年までは年間1万人を超えていましたが、2022年には7333人と日本の平均を上回る急激なペースでの減少が認められています。これらのことから産科診療や生殖補助医療に対する社会的な期待は非常に大きくなっています。厚生労働省は、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の数は、5.5組に1組と報告しています。また、体外受精の治療回数は2021年には498,140回となり、体外受精児数もそれに伴い増加の一途をたどり、2021年には69,797人、実に出生数の8.60%(69,797/811,622)に達しています。

 今回、奈良県立医科大学附属病院に高度生殖医療センターが開設され、奈良県にお住まいの方を中心に不妊で悩む方々に妊娠、出産、育児を経験していただき豊かな人生を送っていただくことを目的としています。

 奈良県立医科大学附属病院高度生殖医療センターでは、奈良県内の医療施設としては初めてとなる診療が数多く行われます。

 1.内視鏡手術と体外受精のハイブリッド診療

 2.着床前診断

 3.卵巣組織凍結保存

 4.精巣内精子採取をはじめとする男性不妊手術

また、妊娠年齢の高年齢化に伴い内科合併症を有している患者が増加していますが、大学附属病院の特性を生かし、他の診療科と共同しこれらの患者の不妊治療にも従事したいと考えています。もちろんこれらの診療は、地域にある不妊診療施設と連携しながら実施してまいります。

一方、近年のがん治療の発展はめざましく、多くの若年がん患者ががんを克服し生活しできるようになってきました。しかしながら、がんおよびその治療により妊娠する能力が損なわれることがあり、多くのがんを克服した患者を苦しめています。近年これらの患者に対し卵子や卵巣などを凍結し保存しておき、妊娠する力を維持する技術が開発されてきました。がん診療拠点病院である当院は、本事業も精力的に行う所存です。

 これらの医療内容と連携システムを紹介させていただくことにより、より多くの患者様に福音をもたらしたいと考え、今回シンポジウムを企画することといたしました。

シンポジウム詳細

【日時】令和6年5月11日(土) 13:00~16:00(開場:12:30)

【会場】奈良県コンベンションセンター 天平ホール

    (奈良県奈良市三条大路1丁目691-1)

【プログラム】

 

開会挨拶

細井裕司 公立大学法人奈良県立医科大学 理事長・学長


来賓あいさつ

山下 真 奈良県知事


来賓挨拶

木庭 愛 こども家庭庁成育局 母子保健課長


基調講演

木村文則 奈良県立医科大学 産婦人科学教授

『”高度生殖医療センター”の設立背景と役割』


特別講演

鈴木 直 国際妊孕性温存学会理事長

     聖マリアンナ医科大学 産婦人科学講座主任教授

『本邦における小児・AYA世代がん患者に対する

 がん・生殖医療の現状と課題ーがんとの共生を目指して』


パネルディスカッション

 『患者の期待に応える不妊治療、がん・生殖医療の充実化』

 (モデレーター) 木村文則  (奈良県立医科大学産婦人科学教授)

 (パネラー)   遠藤富美子 (読売新聞記者)

          赤崎正佳  (奈良県医師会理事・奈良県産婦人科医会会長)

          中尾朋子  (関西医科大学高度生殖医療センター講師)

          通山雅司  (奈良県医療政策局長)

閉会あいさつ

吉川公彦 奈良県立医科大学付属病院長


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