伊藤沙莉がヒロインを務める連続テレビ小説虎に翼」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月~金曜の振り返り)。第2週「女三人寄ればかしましい?」では明律大学女子部法科に入学し法律を学び始めた寅子(伊藤)と同級生たちの姿が描かれているが、中でも異彩を放っているのが土居志央梨演じる“山田よね”だ。(以下、ストーリーのネタバレがあります)

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■「ヘラヘラうっとうしい!」

虎に翼」は、日本初の女性弁護士の一人となった三淵嘉子をモデルにしたオリジナルストーリー。昭和の初め、女性に法律を教える日本で唯一の学校へ入学し、法曹の世界に進んだ主人公・猪爪寅子(いのつめ・ともこ)の奮闘を描く。

無事周囲を説得し、晴れて入学を果たした寅子。同期のよねは、ネクタイにベスト、ジャケットを着込み、長身にパンツスタイルのマニッシュな雰囲気。ピシッと固めた短髪もすっきりとして、涼しげな顔つきによく似合っている。初対面の寅子が思わず「ステキ!水の江瀧子みたい!」と言ってしまうのも無理もないクールなキャラクターだ。

少々気難しい性格のようで、同級生と群れようとはせず、授業は一番前に陣取って聞き、常にぴりぴりした雰囲気。入学直後、場の空気を盛り上げようと歌い始めた寅子に「ヘラヘラヘラヘラしてうっとうしい!お前みたいなのがいるから、女はいつまでもなめられるんだよ。本っ当に迷惑」と吐き捨て、強烈な存在感を見せた。

■「おちょやん」では先輩“お茶子”役

よね役の土居は福岡出身で、大学在学中に受けたオーディションを経て、映画「彌勒」 (2013年)の少年N役で映画デビュー。三池崇史監督「土竜の唄 香港狂騒曲」(2016年)や行定勲監督「リバーズ・エッジ」、福澤克雄監督「祈りの幕が下りる時」(ともに2019年)といった話題作にも出演し、「二人ノ世界」(2020年)ではヒロイン平原華恵役を務めた。「アンナ・カレーニナ」「楽園」(ともに2023年)など、舞台への出演も多い。

2020年には連続テレビ小説「おちょやん」に出演。ヒロイン・千代(杉咲花)が奉公に上がった芝居茶屋「岡安」の先輩“お茶子”富士子を演じ、注目を集めた。富士子は、お茶子の仕事に誇りを持つお茶子頭。ライバル茶屋・福富のお茶子に「いけずばっかり言うてたらエライ目に遭わすで!」とドスのきいた声でたんかを切るなど、厳しくも頼れる先輩として千代の物語の序盤・お茶子時代を盛り上げた。“朝ドラ”出演は、「おちょやん」に続き今回が2作目となる。

■「過去に何か傷つくできごとが…」視聴者も興味津々

虎に翼」では上級生すらも「めそめそヘラヘラ全員うっとうしい!やめちまえ!」と怒鳴りつける一匹狼キャラだが、4月11日放送の第9回では寅子たちとともに甘味処であんみつを食べながら法律について語り合い、寅子と同じテーブルについて判決予想をするなど、少しずつなじみ始めている様子もある。

そんな彼女に、視聴者も「よねさんと寅子のやり取り、だんだんクセになってきた」「山田よね、すごく気になる存在」「よねがデレるまで見届けるぞ!」と興味津々。よねが男装であることや、周囲に対して尖った態度をとっていること、「女は常に虐げられバカにされている。その怒りを忘れないために、私はここ(法廷)に来ている」「そもそも男と女、同じ土俵に立ててすらいないんだ」といった言葉の端々から、「よねさん、過去に何か女性であるがゆえに深く傷つくできごとがあったのかな?」と予想する声も。

華族の令嬢・涼子(桜井ユキ)、弁護士の夫を持つ梅子(平岩紙)、朝鮮から来た留学生の香淑(ハ・ヨンス)と並び、寅子の仲間として重要な存在になっていくに違いない山田よね。彼女が寅子とどんな関係を結んでいくことになるのか注目だ。

「虎に翼」第8回より/(C)NHK