静かな自然の中で過ごす、ほっこりとしたキャンプの時間。『ゆるキャン△』は、そんな穏やかなひとときを美しく描き出し、多くのファンの心をつかんできました。

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そしていよいよ、TVアニメ『ゆるキャン△ SEASON3』が放送。新しい制作チーム、キャラクターデザインの変更、そして監督のバトンタッチ。これまで『ゆるキャン△』が描いてきた世界観や雰囲気を継承しながら、物語に新たな風が吹き込まれます。

アニメ!アニメ!では本作の放送開始を記念し、各務原なでしこ役の花守ゆみりさん、志摩リン役の東山奈央さん、土岐綾乃役の黒沢ともよさんによる鼎談インタビューを実施。『ゆるキャン△』の新たな章が始まる今、彼女たちの言葉からは、変わらぬ愛と新シーズンへの興奮が伝わってきました。

■キャストが語る新シーズンの魅力
ーーいよいよ『ゆるキャン△ SEASON3』の放送が始まりますね。

東山:『ゆるキャン△』にはどこか懐かしいような普遍的な心地良さが詰まっていて、個人的にもずっと続けていきたいと思っていました。私たちキャスト陣も現場の和気あいあいとした雰囲気の中、強いチームワークを築いてきたので、こうして『SEASON3』を迎えられたことは本当に嬉しいです。

花守:実は私の友達の中に、綾乃ちゃんの大ファンがいるんですよ。『SEASON3』が発表された瞬間、その子の嬉しそうな顔がすぐに浮かんできて、思わず笑顔になりました。綾乃ちゃんは『SEASON2』でたくさんの人の心をつかんだと思うんです。だから、今期は彼女の魅力がもっと輝くはず。きっと、もっと多くの人が彼女のことを好きになると思います!

黒沢:私は『SEASON3』の決定が発表されたときから、周りのみんなに「次も楽しみだね!」と言われ続けてきて。SEASON2で綾乃は途中参加で、かつスポットで登場するキャラクターだったので、また出演できるのか心配していたのですが、原作を読んで『SEASON3』の内容を知って「また出演できる!」と、とてもワクワクしていました。

東山:初めて『SEASON3』のロゴを見たとき、吊り橋と、綾乃ちゃんとリンのバイクが2台並んでいるのを見て、「これはアツい!」と思いました。このロゴだけでも、物語の新しい展開が感じられてワクワクしますよね。

花守:このロゴを一目見ただけで、どの話を描くのかを察することができるファンの人たちがいること自体がすごいことだなって思いますね。原作でも人気のエピソードなので、「いよいよだ!」と。

黒沢:どのくらいの尺で展開されるのかも本当に楽しみでしたし、なでしことリンの間にいる綾乃って、ファンの方にとってはまさに憧れのポジションじゃないですか。まるでハーレムものの主人公のような(笑)。

花守:楽しみなポイントそこなんだ(笑)。

東山:もしかしたら森羅万象の木々のようなポジションから見守っていたい人もいるかも?

黒沢:じゃあ「\コンニチワ/」の“松ぼっくり”かな?(笑)

ーー小さきものたち……(笑)。なでしこ繋がりでリンと友人になった綾乃のように、お仕事やプライベートで「友達の友達」のような繋がりで深い関係になったという経験はありますか?

黒沢:私は旦那さんとの出会いのきっかけが「友達の友達」として知り合ったことでした。たまたま仲良くなり、出会ったその日のうちにみんなでご飯に行くことになって。そうした繋がりで仲良くなるっていうのも実際にあるんだなと実感しました。

花守:私は最近マーダーミステリーにすごくハマっているんです。ロールプレイをしながら犯人を突き止めるのが基本なんですけど、結構人数が必要で、プレイするのに8人くらい必要なんです。だから自分の友達だけではなく、一緒にゲームをする友達がそれぞれ友達を連れてくるので、結果的に友達の友達と一緒にプレイすることがよくあって。そこで「私、知らない人とも普通に話せるんだ」ということに気づきました(笑)。

黒沢:本当にそう。意外と「友達の友達」と普通に話せるんですよね。年齢を重ねるにつれて、そういうコミュニケーションができるようになった気がします。

東山:私の場合はゆみりちゃんがそうでした。友達の種田梨沙ちゃんが、ゆみりちゃんのことを「すごく一生懸命でいい役者さん」と褒めていて、その話を聞いていたので、種ちゃんがそう言うなら本当にいい子なんだろうなって思ってました。実際に出会ってみて、その良さを自分でも感じることができて。そうしたきっかけもあって、スムーズに仲良くなれましたね。

花守:嬉しい! 私が「友達の友達」だったんだね(笑)。



■登坂監督への温かなバトンタッチ
ーー今期から制作会社がエイトビットに。キャラクターデザインも原作寄りになり、監督も京極監督から登坂監督へバトンタッチとなりましたね。

東山:これまでアニメを楽しんでこられた方々には新鮮な感覚でご覧になるかもしれないですし、原作ファンのみなさんには、デザインの意図が自然と伝わっているなと感じますね。

今回、京極監督から登坂監督へ温かくバトンが渡され、その共通の理解のもと、私たちもアフレコを進めてさせていただいているんです。『ゆるキャン△』の持つ雰囲気は変わらず、ファンのみなさんも安心して楽しんでいただけると思います。

最近、登坂監督とゆっくりとお話する機会があったのですが、リンの家や舞台となっている土地を改めてロケハンで再訪されたそうで、私も登坂監督のチームならではの新たな『ゆるキャン△』の魅力が描かれていることを楽しみにしています。

花守:すべてを一新するのではなく、魂を継承しながら新しいスタッフが挑む『ゆるキャン△』の姿が、言葉だけでなく、台本や映像からも感じられました。私たちもこれまでの気持ちを踏襲したうえで、新しい感情を持っていくキャラクターたちを演じていくことができるんだと実感できて。

そのおかげで1話目からスムーズにアフレコが進んでいて、今期も最後まで彼女たちのキャンプを安心して見守ることができそうだなと感じています。

黒沢:実は私、『ゆるキャン△』を知ったのはアニメからで、『SEASON2』まで見たあとに漫画を1巻から読み始めたのですが、リハV(リハーサルVTR)を見た段階でアニメの雰囲気が漫画と同じくらい馴染み深い風景になっているなと感じました。

花守:ときどき完成した絵がリハVの中に含まれているんですけど、それが本当に素晴らしいんです。繊細で、まるで写真のように感じるほどで。この背景の手前でキャラクターたちが動くのが今から本当に楽しみです。

東山:空気感まで伝わる五感を刺激する映像になっていますよね。あと今回のアフレコで大垣千明役の原紗友里さんが、千明の髪型が変わって「千明、お前可愛いぞ」と言っていたのが印象的でした(笑)。アニメのキャラクターが途中で髪を切ることは珍しいので、そういった彼女たちの生活やリアリティのある変化にもぜひ注目していただきたいですね。

ーーまた、今作も“飯テロ”シーン満載となっていましたね。

花守:飯テロのシーンをやると、みんな必ずお腹が鳴りますよね。食べるシーンは大体リンちゃんがやっているので、周りにいるみんなは自分のお腹の音を気にしながら前かがみになって。

東山:耐える体勢になるんだよね(笑)。

花守:自分のお腹の音が出ないようにする体勢を見つけるのが大変で、それで毎回くすくす笑ってしまうんです(笑)。テストが終わると、みんなで立ち上がってロビーに美味しいものがないか探しに行くのが恒例になっています。

黒沢:食べるシーンのお芝居は実物が目の前にあるかのようにイメージするから、鼻の奥にまで味を想像してしまって、自分で自分を飯テロしてしまうんです。

花守:そういえば、私たち(黒沢さんに)謝罪しないといけないことがあって……。

黒沢:聞こうじゃないか……。

花守:今回の作中で、なでしこたちが綾乃ちゃんが持ってきてくれた有名なハンバーグを食べるシーンがあったじゃない? 実は私たち、あのあと綾乃ちゃんが出てない回の収録で実物を食べたんだよね……。

東山:スタッフさんが冷凍ハンバーグを大量に持ってきてくれて、スタジオで食べるためにホットプレートまで会社から持ってきてくださって。

黒沢:それ私が食べないとダメなやつじゃん!(笑)

東山:でもまた綾乃ちゃんの出番があるときには、ともよちゃんの口にも入れてあげたいってそのスタッフさんが言ってたよ。

黒沢:じゃあそのときにはお米を持っていきますね。とりあえずそのハンバーグのURLを送ってください(笑)。

※後日実際に黒沢さんも現場でいただいたそうです。




キャンプの可能性は無限大
ーー『ゆるキャン△』的体験ができるおすすめのスポットやグルメ、リラックス方法などがあれば教えてください。

花守:最近のキャンプ界隈では、簡易的なテントサウナが流行っているみたいですね。自分で設営して、ソロキャンプサウナが楽しめるんです。これって、リンちゃんにピッタリ合いそうだと思いません?

東山:でも、お高いんでしょう?

花守:キャンプ道具だからやっぱりそれなりの値段がするんですけど、キャンプを楽しもうと思ったら、手の届く範囲で色々なものが手に入るんですよね。映画の大人リンちゃんが一人でロウリュウをして、日々の疲れを癒している姿とか見てみたいなって思います(笑)。

東山:私はアプト式列車(※)がすごく気になっています。都会ではお目にかかれないタイプの電車ですし、連結時の「ブッピガン」という独特の効果音がどんなものか聞いてみたいです。

(※)急勾配を克服するために特別な歯形レール(ラックレール)を使用する鉄道。日本においてアプト式鉄道が運行されているのは、大井川鐵道のアプトいちしろ駅から長島ダム駅までの区間のみとなっている。

黒沢:私は今回の収録でダムカレーを食べるシーンをやったんですけど、不思議な話で、年を重ねるにつれて本格的なカレーよりも、ああいうちょっとお子様ランチっぽいご飯に惹かれるようになって。

花守:わかる! サービスエリアのラーメンとか、家庭の味がするカレーライスとかね。

黒沢:そうそう! まさに食品サンプルみたいなイメージのものが食べたくなって(笑)。だから今回出てきたダムカレーは食べに行ってみたいですね。

東山:本当に、あのダムカレーはよくできていますよね。吊り橋がここにあるとか、何駅がここにあるとか、食べ物一つ一つに意味があって、放水まで再現していて。

花守:「ダムカレーをつくろう!」みたいなキャスト企画もやってみたいですね(笑)。

ーー最後に、放送開始を楽しみにされているファンのみなさんへメッセージをお願いします。

黒沢:今回からいよいよ本格的に参加することになりました。初めはとても緊張していたんですが、和気あいあいとした楽しい雰囲気の中でアフレコを進めることができました。丁寧に演じさせていただいたので、ぜひお楽しみにしていただけたらと思います。よろしくお願いします!

東山:「キャンプ×女子高生」というテーマの『ゆるキャン△』に関わり始めた当初、「自然を眺めて、ご飯を食べる以外にどんな楽しみ方があるんだろう?」と思っていました。でも、何年もの間このシリーズに関わってきて、キャンプの楽しみ方は本当に多種多様で、可能性は無限大だということがわかりました。それを、『SEASON3』でも改めて感じさせていただいています。みなさんも、お家にいながらキャンプの楽しさを感じていただけたら嬉しいです。よろしければ、実際に出かけて追体験してみてくださいね!

花守:いよいよ『ゆるキャン△ SEASON3』が始まります。今回スタッフさんが一新され、絵柄やテンポ感にも新しい要素を取り入れつつも、あfろ先生の原作の雰囲気や、私たちがこれまで作り上げてきた『SEASON2』までの空気感もとても大切にしてくださって。アニメをずっと見てくださっている方にも、原作ファンの方にも楽しんでいただける内容になっていると思います。ぜひ、なでしこちゃんたちとキャンプの空気を、『SEASON3』でも一緒に楽しんでください!

TVアニメ『ゆるキャン△ SEASON3』
2024年4月4日よりAT-XTOKYO MXBS11ほかにて放送

スタッフ
原作:あfろ芳文社COMIC FUZ」掲載)
監督:登坂晋
シリーズ構成:ピエール杉浦
キャラクターデザイン:橋本尚典
色彩設計:長谷川美穂(緋和)
美術監督:権瓶岳斗(グーフィー
背景美術:Creative Freaks
撮影監督:小川克人(チップチューン
音楽立山秋航
音響監督:高寺たけし
アニメーション制作:エイトビット

キャスト
各務原なでしこ花守ゆみり
志摩リン東山奈央
大垣千明原紗友里
犬山あおい豊崎愛生
斉藤恵那高橋李依
土岐綾乃黒沢ともよ
ナレーション:大塚明夫
(C)あfろ芳文社/野外活動プロジェクト

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左から東山奈央、花守ゆみり、黒沢ともよ