バルセロナを率いるシャビ監督が、10日のパリ・サンジェルマンPSG)戦を振り返った。同日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 シャビ監督の“モラトリアムの旅”は、さらに続く予感を漂わせている。今年1月にシーズン終了後の退任を発表して以降、公式戦9勝3分の12戦無敗と息を吹き返したバルセロナ。10日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド8ファーストレグのPSG戦でも、ドブレーテを達成したFWハフィーニャとDFアンドレアス・クリステンセンのゴールで、3-2の勝利。逆転を許した後に逆転をし返すという粘り強さを発揮し、敵地でのファーストレグを制している。

 
 2度のグループステージ敗退や、バイエルンに喫した2-8の大敗など、ここ数年のCLでは辛酸を嘗めてきたバルセロナ。そんな中で、5シーズンぶりのセミファイナルに前進する先勝を挙げたシャビ監督は「亡霊を葬ることができたと願うよ。この数年、我々には困難な時期があった。クレにとって、素晴らしい勝利になったはず」と告白。続けて「私自身もクレであることに誇りを持っているし、幸福で満たされている。ただ、これはまだ終わっていない。素晴らしい勝利だ、誇りに思う瞬間だ。それでも、バルセロナでは非常に難しい試合が待っているだろう」と胸中を明かした。

 また、シャビ監督は「PSGはまだ優勝候補であることに違いないが、我々は彼らを追い詰めた。今夜の試合でやったこと全てを誇りに思う。世界最高峰のクラブに対する素晴らしい勝利なのだからね。もちろん、半分のところまで来ているけど、まだ何も成し遂げていないことはわかっている」としつつ、「私の進退? 何も変わらない。楽しんで仕事を終えるだけだ。土曜日のカディス、そしてPSGとのセカンドレグと…」と語った。

 さらに同試合では、ナポリ戦で一躍名を轟かせたCBパウ・クバルシが先発出場し、CL・ラウンド8におけるディフェンダーの史上最年少先発出場記録を更新。同指揮官は「抜きん出たレベルだ。デュエルに勝ち、ポジションニングも良く、まるでベテランのようにプレーする。ティーンエイジャーと戦えることを誇りに思うよ」と称賛。加えて、2ゴールを記録したハフィーニャについては「彼もまた、他とは異なる別格の選手。スペースへの侵入、強度の高さ、チームのためにハードワークができること…常にバルセロナのことを考えている最高の選手だね。私は非常に満足している」と賛辞を送っている。

 2005-06シーズン以降の10年間で4度ビッグイヤー戴冠を果たした黄金期からの凋落が著しい近年だが、その時代を知るシャビ監督が、最後にバルセロナに取り憑いた“亡霊”を振り払うのだろうか。注目のセカンドレグは、日本時間17日の4時にキックオフを迎える。

バルサ復活を印象付けるCL4強入りに前進したシャビ監督 [写真]=Getty Images