プーチン大統領も金総書記も乗ってる! 日本じゃ見たことないロシアの「アウルス」は結構衝撃のスペックだった

この記事をまとめると

ロシアプーチン大統領北朝鮮金正恩総書記に「アウルス・セナート リムジン」をプレゼントした

■アウルスが現在製造しているのは4車種で見た目はロールス・ロイスに似ている

■2019年のG20大阪サミットではアウルス・セナート リムジンが日本の道を走っている

プーチン大統領と金総書記の友好の証

 ウクライナへの侵略を通じて、ウクライナ国民と世界中に大迷惑をかけているウラジミール・プーチン大統領北朝鮮の朝鮮中央通信によれば2月18日、そんなプーチンから、こちらも「飛翔体」をバンバン打ち上げて日韓両国や米国などに大迷惑をかけている北朝鮮金正恩総書記に、プーチン大統領自らも大統領専用車として使っているロシア製の超高級車「アウルス・セナート リムジン」が“友好の証”として贈られたとのこと。

 ウラジミールとジョンウンの友好の話はどうでもいいのだが、カーマニアとしては少しだけ気になる「アウルス」というロシア製高級車について、ちょっと調べてみることにしよう。

アウルス・セナート リムジンのフロント

 アウルスは、ロシア国営のNAMI(中央エンジン科学研究所)が開発した高級車シリーズ。プーチンがキムに贈った「アウルス・セナート リムジン」のほか、標準ボディの「アウルス・セナート」と、ロングボディ版である「アウルス・セナート ロング」、そしてSUVタイプの「アウルス・コマンダント」という4種類のボディタイプが用意されている。

SUVタイプの「アウルス・コマンダント」

 標準仕様のボディサイズは全長5630×全幅2020×全高1685mmでホイールベースは3300mmだが、リムジンは全長6630mmで、ホイールベースは4300mmであるとのこと。パワーユニットは4.4リッターV8にモーターを組み合わせたハイブリッドを採用し、最高出力は598馬力。駆動方式は4WDで、トランスミッションは9速ATであるらしい。

 そして、プーチン大統領とキム総書記が乗っているリムジンは最高出力860馬力の6.6リッターV12も選択できるようなので、彼らはそのパワーユニットを選んでいるはずだ。

 さらに、リムジンの0-100km/h加速は6秒。プーチン大統領金正恩総書記が燃費を気にするとは思えないが、高速走行時の燃費は約9.4km/Lであるらしい。車両重量6.5tといわれているリムジンとしては「低燃費」といえるのかもしれない。だが、アメリカ大統領専用の重装甲車ビースト」の燃費が2~3km/Lなので、アウルス・セナート リムジンの数字は眉唾である可能性も高い。

アメリカ大統領専用の重装甲車「ビースト」

ロシア産だけあって遮冷は完璧……なハズ!

 エクステリアデザインは、アウルスの公式サイトを開いた瞬間「しまった。間違えてロールス・ロイスのサイトを開いちゃった」と感じてしまうモノ──といえば、だいたい説明が終わる。

アウルス・セナート リムジンのリヤ

 そして、インテリアのしつらえもどことなくロールス・ロイス風だが、ロシアの気候に合わせて遮冷機能は完璧であり、狙撃を防ぐためのカーテンなどもかなり高機能であるという。燃費性能のことはさておき、このあたりの性能に関しては額面どおりに受け取っていいはずだ。なにせ寒さ対策と狙撃対策を完璧に行っておかないと、割とすぐに死んでしまう国なので。

アウルス・セナート リムジンの後席空間

 アウルス・セナート リムジンは、ロシア国内でウラジミール・プーチン大統領が使用しているだけでなく、2019年には日本の道も走っている。同年開催された「G20大阪サミット2019」にて、プーチンの国内移動用車両として日本にもち込まれ、キタやミナミのあたりを走ったのだ。

 そして、北朝鮮国内では3月15日に、金正恩総書記がアウルス・セナート リムジンを使用している姿が確認されている。金正恩総書記がほかにも多数所有しているメルセデス・マイバッハなどから、将軍様専用車をアウルスへと完全に鞍替えするかどうかはわからない。だが、ロシアとの蜜月関係をアピールすることも彼の仕事のひとつであるため、今後は我々もニュース映像などで「アウルス・セナート リムジン」の姿を目にする機会は多くなるはず。

アウルス・セナート リムジンのリヤドアの開いた様子

 国際政治のことはさておきカーマニアとしての視点で、いちおうアウルス・セナート リムジンの生映像をチェックしていきたい。

プーチン大統領も金総書記も乗ってる! 日本じゃ見たことないロシアの「アウルス」は結構衝撃のスペックだった